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『ダークナイト』クリストファー・ノーラン監督。ジョーカーと違って悪人として中途半端な映画泥棒に告ぐ。(2020/8/3)

映画泥棒に告ぐ。
残念ながらあなたは映画を盗めていない。「映画館で撮影した映画をネットで見せられたところで全然興奮できないの!『映画ドM』の気持ちが全然わかってないのね!映画を盗んだ気になってんじゃないよ!このニセ泥棒!」である。

決められた時間にわざわざ歌舞伎町とか「夜の街」に繰り出して、2000円近く払って、こっちはお客さんなのに、持ち込みダメだの、スマホは切れだの、おしゃべりするなだの、どんなに足が長くても〜♪だの禁止事項ばっかり!そう「縛り」ばっかり!つまり、外部から遮断された暗い密室にですよ。座席に身体を固定され、モノも言えず、目の前で起きることをただ見ていればいいのよ、と。なんというお預け。

そうです。SMです。映画館はSMの館なんですね。亀甲縛りにされ猿轡をはめられ、視界全体を覆う女王様が「私だけを観ていなさいよ」と。上映時間つまり「プレイ時間」が3時間を超えてくるとトイレにも行きたくなるのに行けない。うーんと我慢しているうちになんだか恍惚としてくる。そうですそれもSMです。または膀胱炎です。以前はゆったりと好き勝手に映画を見せてくれよと思っていたんですけど、あのたくさんの禁止事項が全部女王さまからの命令だと気づいたその時から、映画館がめくるめく場所に変わる。ポップコーンすら女王さまからいただいた「餌」に思えてくるのです。

小綺麗な言葉を使って、映画館のことを「非日常」とか「夢を見せてくれる場所」とか「デジタル漬けの日々にあってむしろ映画はアナログな時間をくれる」とか言う人もいますけれど、毎週、お金を払ってSMの館に通っているようなもんですよ。だから!とにかくいいたいのは最高に興奮した方がお得ってことです。せっかくならどMになりましょうよ。最近は4DXでしょ。匂いとか振動とか水しぶきとかで刺激してくれるんでしょ。もはやそれでしかない。

んでもって観に行ったのが「コロナで新作が出てこないついでに、名作をもう一度観てみよう」やっているじゃないですか。洋画だと『ダークナイト』やっているんですよ。しかもTOHOシネマズのIMAXで。普通の映画館より大画面大音響ですよ。刺激強めのやつです!意気込んで前から3列目ぐらいに座ったらダメージがすごい。女王さま、本当に勘弁してくださいと。そこまでの上級者ではないのか僕は。Mとして。

バットマンもなんだか、女王様みたいに見えなくもないし。バットマンがビルからビルに飛び移る時にだす黒いケーブルみたいなのが、鞭に見えなくもないし。悪役のジョーカーがすぐ使う火薬の爆発音が、後頭部のスピーカーから不意打ちしてくるのは、背中に垂らされる低温ロウソクということでいいでしょうか?『ダークナイト』のナイトは『騎士』ではなくて『夜』ですよね。邦訳は『暗がりの夜で』でいいですか?僕のバットマン様!!

※※そんな『ダークナイト』ダジャレも炸裂したラジオはこちらです↓↓↓是非聴いていただけますと嬉しいです♪※※