ルービックキューブへの愛を知るたびに(2020/5/9)
「この町中のルービックキューブはすべて、私によって速やかに美しく揃えられるべきである」
そんな正義感。古い喫茶店や旅館のロビーやおもちゃ箱に眠っているルービックキューブを見つけ出しては、黙々とひたすらに6面を揃えていた友人、彼があの時言い知れぬ悦楽に酔いしれていたこと、今やっとわかるのです。
息子(6歳)と僕のステイホームなGW、最大の成果は、ルービックキューブを自力で6面揃えられるようになったことです。今は覚えたての技で揃える快感に親子で取り憑かれているので、4歳の弟くんがキューブをぐちゃぐちゃにして振り出しに戻してくれるのを有難がる日々。揃える道のりはややこしいほど興奮が大きい。だから取り返しがつかないくらいに、4歳に無茶苦茶にされたいのです。
そもそも。アラフォーで立体思考できる天才ではないので、YouTuberに伝授してもらった方法の反復練習にとにかく親子で明け暮れました。そうです「丸暗記」です。「それじゃ思考力が養われないじゃないか!」とご指摘したい御仁は、まあまあ、キューブに触ってみましょうよ。攻略まで8段階ほど覚えるのですが、暗記という行為そのものの醍醐味を教えてくれますよ。「手を動かして覚える」「声に出して覚える」「繰り返し覚える」に励んでいるうちに「覚えるため必死に眺める」「覚えるために考えて工夫する」「覚えるために愛情を注ぐ」に変わっていく、その頃には、脳味噌がアハアハとポカポカしてきますから。
愛とは、覚えてしまうことなんです。
決して多くを語らぬ、キューブさんの表情の移ろいを眺めながら触れていく。「ここを合わせると笑ってくれるんだ」「ここをひねると気難しい表情になるのですね」と、新しいあなたを覚えていく。知れば知るほど離れられなくなる。また触れたくなる。SMOOTH ACEの『愛を知るたび』というバラードが似合うような。キューブさんを、息子と僕がかわるがわる愛していく、愉快な三角関係はカチャカチャと続きます。
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