【百科詩典】へいせいのしょうひしゃ【平成の消費者】
平成の時代に、一億総中流であると自覚した日本人の多くは、「消費者」こそが主権者であると時代に持ち上げられ、「消費者」こそが自由な「個人」であると消費生活を謳歌した。
これから先、自ら進んで孤立化し、自己責任論を振りかざす「消費者」というものが、実は大企業者、為政者によって作り出された使い勝手の良い「顧客」であるに過ぎないことに気がつくことがあるのだろうか。
それには、この国に「消費者」個人主義が出来上がったのと同じほどの、長い時間が必要であることだけは確からしく思える。
〜平川克美「『消費者』主権国家まで」