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ボラバ日記北軽井沢編2010その15

11月16日
荷造りがまったく出来てないヒョウがゴソゴソと片付けている朝五時過ぎ
隣の部屋の俺はその音で目覚める
ミーティング前にヒョウが皆と記念写真を取る為、ミーティング一時中止
女将とおばあちゃんも、呼び記念撮影
良い記念が出来たねヒョウ♪
そしていつもと変わらぬ作業が始まり、俺は一人ネギ収穫に出掛ける
収穫が終わり、ファームに戻るとヒョウはすでに旅立っていた
日誌を見ると皆へのメッセージがあった
微笑ましいメッセージに心温かくなるが淋しさも感ずる
コレで十一人も此処で見送ったが、何度味わっても別れは淋しいものだ
気分を入れ直して、キャベツ組に参加
そのおかげか、微力ながら百越えの出荷を午前中に終える事が出来た
昼食後、用事で下界に降りた俺
待合室で浅い眠りに入るが、自分のイビキで何度も目を覚ましていたのは此処だけの話w
買い出しを終えて、ファームに戻ると直ぐ夕食
「揚げ物ばかりですね〜」と嘆く壮泰
「そんなあなたに〜」と買って来た刺身を取り出す!
歓喜のボラバ達
真っ先にタコに箸が伸びる壮泰
マグロ・ハマチ・タイを口に運ぶ度に悦の声が漏れる壮泰
久し振りにえぇ〜もん喰ったと喜ぶさやっち
甘エビを喰って吠えるヨっちゃん
皆、刺身に大喜びである
そんなボラバイト生活九十八日目
そして少し呑み過ぎて早目に就寝したら金さんから連絡入る
自分が抜けた事によってファームが一時てんやわんやしてたのを安倍ちゃんに聞いたらしく、心配して電話してくれたらしい
最近は落ち着いている旨を伝えると安心して自分の近況報告を伝えてくれた金さん
少しでも南で暖かく過ごしたかった筈なのに雪が降る、積もる、最悪の条件下らしいw
「なんなら女将に口きくよ」と誘いを受ける俺
まぁ〜とにかく久し振りに兄貴の元気な声を聞けて良かった
約十分間の通話を終え、メールをチェックすると不愉快極まりないメールが入っていて、心を蝕む…
ダークに陥る…

11月17日
ガリガリと物音に目を覚ます深夜二時半
部屋のドアを開けるとニャン太が駆け込む
スッカリ自分の部屋と思い込んでいる様だ…
そんなニャン太に腕枕をして再び眠りに入る
六時、隣部屋のヨッちゃんの慌ただしい動きに目を覚まし起床
心を覆うダークは晴れず、一人でネギ畑の土上げに向かう
ただ土上げ
ひたすら土上げ
黙々と土上げ
四時間半ずっと土上げである
ヘトヘトになってファームに帰ると北九州の友人からの救援物資が届いていた
段ボールいっぱいのスナック菓子にタオル
そして何故か九月のスポ○チが数部入っていた
更にはドミノボーリングなるおもちゃも入っていた
しかしおもちゃに③ピンのドミノが入ってない欠陥商品だというのは此処だけの話w
でもさやっちと壮泰がドミノボーリングを子供の様に遊んでいたw午後は草刈り機を使って収穫済みのブロッコリー茎を伐採
マルチを剥がす
ファームに戻り、休憩を取った後、仕事が無くて廃棄物を焼却…
そろそろ潮時かな…
夜はおばあちゃんから貰った梅酒を日本酒で割って、救援物資のお菓子を食べながら、いい旅夢気分を鑑賞
旅の虫が疼きましたw
テレビ鑑賞後は、赤川次郎著の短編小説を読み更ける
マッタリとした時間を過ごす
そんな読書な夜

11月18日
チラチラ舞い降る初雪に凍える身体
しかし何故か心暖かい情景の北軽井沢
冬に備えて薪を蓄える作業で一日が始まる…
そろそろ潮時でないかいw
そんな薪作業を地道にコツコツとやってると社長から「行くべ」と声を掛けられる
なんの事か分からない俺は動きが止まり、社長を見てると再び「行くべ」と誘われる
どこへ何しに行くのかさえ聞かされないまま拉致
無言のまま軽トラを爆走させる社長
山道崖っぷちだと言うのに、ぶっ飛ばし、ドリフトをカマす社長
到着したのは社長曰く秘密基地らしい
「人ん家だけどねw」と笑いながら言うが、約百万坪の広大な私有地に自由に出入り出来る社長って一体…
兎に角いきなり草刈り機を始動させ、バッサバッサ伸びきった草を刈り始める社長
俺は何も指示されずただ見てるだけ…
と、言う訳にもいかず社長が刈った草を集め山を作る
注意されない
どうもこれが正解だったらしい
どこぞの誰かさんの私有地の草を三十分程で刈り終える
報酬はスノーモービル二台!
とは言ってもジャンク品みたいだが…
これを二人で軽トラに載せ、二往復
修理代がかかるだろうから安くついたのか高くついたのか…
何はともあれ社長との作業ツーショットは珍しく、残りのボラバ達が「二人が一緒にいるのはドッペルゲンガーと一緒になるくらい珍しい」と訳の分からない事を言っていたw
確かにこの三ヶ月、ファームで働いて二人っきりで作業したのは一回パンクの修理を手伝っただけだもんな
そりゃ〜珍しいツーショットだわw
食後、さやっちが友達に野菜を送る為、俺が春菊を採りに走る
段ボールに白菜・キャベツ・ブロッコリー・カブ・ネギ・じゃがいも・春菊を詰める
でもじゃがいもを詰めたのは社長には内緒w
午後の作業は畑の白菜すべて収穫とマルチ剥ぎ
さやっちと壮泰と三人で作業
だけど二人はただひたすら白菜収穫
俺は白菜を収穫しつつ、マルチを剥ぎ、コンテナに詰めた白菜をトラックに移動させる一人三役…
ボラバイター最年長の俺が一番ハード
とりあえず頑張る37歳w
なんとかやり遂げ一日の作業を終業する
夕食前、食堂でさやっちと酒盛り時に話してた
「そろそろ潮時やない?」
さやっちも感じていたらしい潮時感
ホンマそろそろ潮時かなぁ〜w
そんな思いが頭をかすめたボラバイト生活100日目

11月19日
朝、作り置きしていたサンドイッチを楽しみにしていたさやっち
だけど夜中に野良猫にやられ、無い事を知り、発狂するさやっち
仕方ないので新たにサンドイッチを作ってあげたら落ち着いてくれた
そして朝食を頂き、打合せ
キャベツが十c/sという出荷予定
わざわざ総出する迄もないから、朝から前日の作業の続きを行う
白菜収穫とマルチ剥ぎ
しかしその前に雪化粧に染まった浅間山をバックに四人で記念撮影

なかなか良いショットが撮れて皆満足
此又、良い想い出が出来た
今度焼き増ししなきゃな♫
さてお仕事お仕事!
白菜作業をやるが、白菜凍ってて手がちべたい
マルチを剥がすが、霜が付きもっとちべたい
それでもなんとか白菜作業を終わせる
仕事が無くなった九時…
「何する〜?鬼ごっこでもする」
もちろんそんな意見が通る筈もなく薪作業をする羽目に…
黙々と廃材を片付ける俺とさやっち
すると社長がやって来て、急遽キャベツの大口注文が入り、さやっちとヨッちゃんが借り出される
仕方なく一人淋しく廃材を片付ける
一人だから適当に手を抜けばいいのに、それが出来なくて、黙々と廃材を片付ける
結局一日廃材の片付けだったが、終業間際にキャベツ組が帰還
キャベツが入っている百c/s以上のコンテナを収納する為、七転八倒
終業したのは十八時…
ゆる〜い一日の締めくくりにバタバタと忙しかったのは久し振りに楽しかった
仕事から上がって直ぐ様、買い出しに出る俺とさやっち
ビールとカフェオレ、煙草を買おうとしたらさやっちが全部出してくれた
太っ腹だねからさやっち
ありがとう♪
ファームに帰ると食事の用意が出来ていて直ぐ様乾杯
細やかながらの送別会がはじまるさやっちの送別会が始まる
最初は二週間だけの予定だったのに、あまりの忙しさに残留を決めて、結局二ヶ月もファームに居てくれた優しい奴
でも最近の暇さ加減に俺と同じく潮時感を感じて、このファームからの卒業を決めたのだ
持ち前の明るさから、すぐにボラバイター達の輪に溶け込み、ボンクラ三兄弟を引っ張ってくれたさやっち
時には民謡の唄声やギターの弾き語りで俺を癒してくれたさやっち感謝の気持ちで一杯です
これから彼氏と一緒に夢に向かって頑張って下さいね
そしてどこぞの田舎に家を建てた暁には、ぜひ庭に俺をヤドカリで住まわして下さいw
さやっち、今までホントお疲れ様でした
そしてありがとう
あなたの唄声は忘れません

11月20日
浅間山がうっすらと霞んで聳える霜月の中
二ヶ月苦楽を共にした仲間とのお別れの日
固い握手を交わし、帰郷するさやっちを見送った
そんな別れの余韻に浸る間もなく、この日も作業が始まる
薪作業・廃材片付け・コンテナ洗浄と次から次へとタンタンと仕事をこなす俺
十時を過ぎた頃、ヨッちゃんから休憩を言い渡される
早過ぎない?
でも、まぁ〜マッタリと休憩を取る
休憩後はキャベツ組出動!
俺は(´・ω・`)?
久し振りに一人ブロッコリー組出動w
とは言っても十個も取れなかったこの日
昼食後はテラスで日向ぼっこ♪
ついウトウトしてたら、普段寄り付きもしない野良猫の五郎が俺の膝の上にチョコンと乗っかって寛ぎ始める
まぁ〜邪魔じゃないので、そのまま浅い眠りに入る
約二十分の仮眠から復活
キャベツ組を見送って、再びブロッコリー収穫に走る
で、取れたブロッコリーは一個…
一時間かけてブロッコリ十一個…
大収穫です(^ω^;
その後、他の畑に行きマルチ回収いつ剥いだ物か、まったく記憶に無く、ずっと放置しっ放しだったマルチ
やっと回収される
ファーム帰還後は、ちょっと裏の方でサボってたのは此処だけの話だって仕事ないもんw
で、なんやかんやで終業
夕食を頂いた後は物凄く眠たくなり、二十時前に就寝…
そんなボラバイト生活一〇二日目

11月21日
浅間山が雲の上からチョコンと顔を出してる霜月中旬
キャベツと白菜の出荷しかない暇な日曜日
俺は戦力外なのでひたすらコンテナ洗浄w
八時から十二時までコンテナ洗浄同じ場所でチンタラ同じ作業をするのは嫌いな俺
でもA型の性分か、気が付いたらコンテナの汚れを一生懸命洗ってたそうこうしていると昼食の時間
カレーを食べて、昼寝する
あっという間に昼休みが終わる
午後の作業開始
コンテナに入ってるキャベツを段ボールに入れ換える理不尽な作業
なぜ最初から段ボールに詰めないんだ?
その後は二子山のブロッコリー畑に収穫に行くのだが、一週間振りなのに全然育ってない
もう駄目だな二子山は…
ブロッコリー収穫後はコンテナ洗浄
壮泰とラーメンの話をしながら、和気あいあいとコンテナ洗浄
最後はキャベツを予冷庫に搬送
フォークリフトの運転も慣れてパパッと済ます
そんなユルい一日
夜、明礬の湯の華を入れた風呂に浸かる
湯上がり後は酒盗を肴に日本酒で一杯♪
膝の上にニャン太を乗せマッタリと一杯
龍馬伝を観ながらユッタリと一杯ホロッと酔いながら秋の夜長は更けていく…

11月22日
浅間山が隠れて見えない曇り空の霜月中頃
日に日に出荷量が減り、農業の終わりを身を持って実感する今日この頃…
ネギの出荷がある為、一人収穫へ
調整・袋詰めをし、する事がないので敷地内の凸凹した道を舗装
寒空の下、汗だくになりながらただ道の舗装
そうこうしてると女将から携帯に着信
追加注文である
雨と共にバタバタと慌てしきめる社長とボラバ達
俺は慌てる事なくマイペースにブロッコリーの検品、袋詰めをする慌てる事なくのんびりと作業をこなす
結局いつもより早い昼食を取る事に…
ホラ、慌てる事なんてなかったんだよw
昼食後は一人用事で下界に…
用事はさっさと済んだのでマッタリと買い物したり、のほほんとコンビニで立ち読み♪
のんびりとファームへ戻る
十七時を過ぎる頃、濃霧で包まれる北軽井沢
仕事続行不可能という事で早々と終業
ヨッちゃんは終業と共に自宅へ一時帰宅の為、壮泰と二人きりの夜
ピーク時には、八人で摂った夕食も二人で淋しく摂る
二人淋しくテレビを観て笑うwww
そんな長閑なボラバ生活一〇四日目

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松川紘己
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