行けばわかるさ
続き⑤
部屋に帰ってすぐ眠りにつき
昼過ぎに起きた
まっさらなキャンバスを前に、頭の中がまだ整理できていない事を知る
どうやったって描きようがない
そう思って今はよく行く上野の喫茶店王城でコーヒーを飲んでいる
ずっと絵について考えている
僕が描けなくても困る人はいないのだ
僕が画家を辞めても困る人はいないのだ
僕が筆を持たなきゃ産まれない作品があるのだ
僕にしか描けない絵があるはずだ
筆を持っても動けない僕が描き始めた時今までこの世になかったものが産まれ始めるのだと考えるととても不思議な気持ちになる
誰のために描く?何のために描く?
知らない
ただ何かを見たり感じたりした時に
言葉にできない領域というものが必ずある
口は開けども言葉が出てこない
僕はそれは絵にするしかないと思うのだ
僕にしかそれは絵にできないのだろうと考える
しかしもともとこの世にないものだから、産まれなくとも誰も気づかないし困らない
僕はそんなものを作ろうとしている
みんなが求めているものを提供しているわけじゃない
言葉にできなかったけれど、そういう事だったのかと思うものを作りたいとは思う
僕は誰かの代弁者じゃ無い
僕の心に訴えかけてきたものの代弁者ではある
画家とは本来そういうもののはずだし
まぁー人それぞれあるとは思うけど
僕にとってはそういう事だ
だからこそ僕にしか描けないもがあるという自信につながっている
根拠の無い、根も葉もない自信だけれどそれだけを信じてここまでやってきた
根もなきゃ葉もない、本当にそうなら僕がやっている事はまさに無意味な事なんだろうと納得するしかない
自分の心が狂っていたとしか思えない
だから尚のこと
その真意を確かめるためには僕がこの道を堂々と真ん中をねぶたのように練り歩いて見ないことには見つけられないことなのだ
今日も芸術日和だよ
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