羽田空港入国審査プロセス:誓約書・質問票・その他書類。紙!紙!紙!コロナ対策が不十分な不思議な入国審査
4月1日にNH115便でバンクーバーから羽田空港着で帰国しました。その際に入国審査プロセスに関する情報が厚生労働省のウェブページ上でも不確な上、実際のプロセスが想像していたより遥かに冗長で2時間かかったため、これから入国される方のために情報を共有したいと思います。
またこの入国審査プロセスが少しでも改善されることを切に望みます。
※ 入国審査プロセス中は「撮影禁止」があちこちにあったため写真は撮っていないため、記憶に頼って書いている部分があります。誤りがあれば、コメントに記載お願い致します。修正致します。
※ このnote記事は個人として書いております。このプロセスに関わっている方を批判する意図はなく、皆様はとても丁寧に多くの入国者の対応されていました。ただ、この入国審査プロセスを設計した方には考え直し、改善してほしいです。
入国審査プロセスの不思議な点
最初に、入国審査プロセスの不思議な点についてまとめてみます。
- 手続きが10箇所以上あり約2時間ほどかかる
- とにかく紙が多い!重複する情報が多い
- 空港内をかなり歩く(計測は出来ていないが約1kmは歩いていると推計)
- 各手続き場所は他の乗客から距離が無いところが多く、スタッフもその周りに集まっている
- 手荷物は全て手で持ち運び(カート、車椅子は用意されていない様子)
お子さん連れ・ご年配の方もおり、長時間のフライトを経て、手荷物を抱えて2時間ほど歩いては手続き、歩いては手続きは体力的に大変そうに見えました。(カート・車椅子等の用意は無いようにみえました。実際に体調が悪そうなお子さんに「休みながら無理をせずに進んでください」とスタッフが声をかけていました。)
書類が非常に多い!(以下の*印のものは全て書類です。全部で9種類あります。)
搭乗前に用意するもの
- 海外で実施したコロナ検査結果*(厚生労働省のウェブサイトでは「提出」と表記されておりやや曖昧だが、実際は印刷をしていることを前提にしている)
- 誓約書*(同じく、厚生労働省のウェブサイトでは「提出」と表記されておりやや曖昧だが、印刷をしていることを前提にしている)
- 質問票(オンラインフォーム→QRコード)
- Overseas Entrants Locator(OEL)アプリ
- Skype または Whatsappアプリ
- COCOA(接触確認)アプリ
機内で配布されるもの
- 健康カード*
- 出国前検査の受検確認用紙*
- 税関の用紙「携帯品・別送品申告書」*
空港で配布されるもの
- 厚生省・検閲所の書類に関する案内*
- 厚生省・検閲所のアプリ・スマホ設定に関する案内*
- 問診票*
- アプリチェックシート
コロナ検査後に渡されるもの
- ピンクの紙*(A5サイズ)
書類が多く、それを手動・目検でチェックするため、ミスが起きないために二重・三重にチェックしており、これがプロセスを非常に冗長にしていました。ほとんどの内容はインターネット上のフォームである「質問票」にある内容を繰り返し別の用紙に書いているだけです。
またこれに伴いスタッフの数が多く、結果として限られた箇所に非常に多くの方が集まっている状況になっていました。(客観的に非常に「密」になっていた場面が何回かありました)
なお、カナダ入国の際はコロナ検査結果をスマホで見せ、それ以外は全て端末で済み、書類は一切ありませんでした。(2021年2月15日時)
さながら海外渡航者への罰ゲーム
「こんなコロナのご時世にそもそも海外に行くのがおかしいのでは?」
そう言われる方もいらっしゃると思います。
恐らく、渡航された方は観光では無く、止む得ない状況があったと想像しています。
- ご親族の葬儀
- 海外で1年以上離れ離れになった家族の再開
等。実際に自分は父が亡くなったことに関連して止む無く渡航が必要でした。
実際の入国プロセス
a. 搭乗前に航空会社のカウンター
搭乗前に航空会社のカウンターでは
- コロナ検査結果
- 質問票のQRコード
- 誓約書(カウンターでは印刷は必要ないと言われたが、結局は印刷が必要でした)
を確認されました。
b. 飛行機内
飛行機内で以下を配布されました。(最初は誓約書を用意していない方のために再度配布しているのかな?と思ったのでしたが、別の用紙でした。)
- 健康カード
-出国前検査の受検確認用紙
- 税関の用紙「携帯品・別送品申告書」
を更に配られます。
c. 羽田空港到着
18:45ごろ、羽田空港第2ターミナルに到着した様子です。国内便を利用し、通常の出口に向かう方と逆走する形で奥へと向かいます。
d. チェック1:必要書類全部揃っているかのチェック
全ての書類を見せます。質問票のQRコードも見せます。ただ、ここは揃っていることを確認するだけです。
ここで健康カードに「氏名」とカナダの「BC州」を記入してほしいと依頼されます。(ちなみにそのような欄は無い)
ここは長机があり、そこで2組が受付されるような状態であり、隣の方との距離はとても近かったです。
e. チェック2:コロナ検査準備
チェック1から30m先のところで、質問票のQRコードを見せ、問診票を受け取り、説明と共にコロナ検査で使う容器・漏斗も受け取ります。容器・漏斗の説明を受け、つぎのコロナ検査所に移動します。
f. チェック3:コロナ検査 唾液を容器にいれる
簡単なパーティションの壁をさらにパーティションで区切られたブースのようなところで漏斗を通して唾液を容器内に採取します。ブースは3方はパーティションで扉等は無い状態です。ブースは約1mの幅・奥行きがありました。
採取が規定量を超えると容器のバーコードを問診票に貼られ、容器を回収され、つぎのチェックポイントに向かいます。チェック4までは少し距離があります。(確か200mほど歩きます)
g. チェック4:アプリインストールチェック
ここは、スツールがあちこちに並べてある、学校の教室より一回り小さいくらいのスペースです。順番に呼ばれるとスツールに座らされます。割とスペースはありますが、なぜか詰めて座らされるためすぐ隣に他の入国者が座っています。
スマホに
- SkypeまたはWhatapp
- Overseas Entrants Locator(OEL)アプリ
- COCOAアプリ
がインストールされているかを確認されます。さらに、位置情報がOEL・COCOAに対して有効になっているのかを確認(「スマホを貸してください」と言われて設定される)します。またSkypeまたはWhatappのアカウントに誓約書に書いてあるメールアドレスが紐付いているかを確認されます。
全てのチェックをアプリチェックシートを見ながら実施していき、終わるとシャチハタを押していました。
終わると、20m先のチェック5に移動します。
h. チェック5:アプリインストールテスト
ここで3名一組1テーブルで待っており、2組の入国者の対応をしています。かなり隣と近いです。
先程のメールアドレスでSkypeまたはWhatsappがかかるのかを実際にかけて確認します。このメールアドレスをスタッフが手元のiPadに手入力してかけています。
無事にかかることが確認できると、スタッフがアプリチェックシートにシャチハタを押し、つぎのチェック6に移動します。約50m先です。
i. チェック6:アプリインストールテスト済み用紙の回収およびチェック
先程のアプリチェックシートを確認し、回収します。
ここからつぎまでは結構歩いた記憶があります。
j. チェック7:質問票・誓約書・パスポートチェック(この前で「緑カード」を持っている方と進路が分けられる)
再び、質問票のQRコード、誓約書、そしてパスポートのチェックをされます。ここではじめてQRコードをスキャンされます。その内容と誓約書、そしてパスポートとが一致しているかを2名のスタッフがかりで確認します。
(パスポートのデジタル情報はあるはず?なぜ目検?)
入念なチェックが終わると、全ての書類を返却されます。パスポートは無くすとかなり面倒なのでもうしまって良いかをスタッフに確認すると、もう使用しないと返答を頂きます。念の為に確認するが、この先は入国管理までは必要無いとの回答を頂き、安心してカバンにパスポートを仕舞います。
ここで上の階にあがります。(頑張れ!自分!頑張れ!日本!)
そこから300mほど歩きます。
k. チェック8:質問票・誓約書・パスポートチェック済みの確認
171ゲート(LCCの発着ゲート?)の手前で再びチェックがあります。なぜかここでは照明が消えており、「蛍の光」が流れてきそうな雰囲気であるが、その暗闇の中で長机を並べたチェックポイントがあります。長机の上ではスタンドライトが灯され、書類の確認が行われます。
「パスポートも」
「え?」
ここで、再び質問票・誓約書・パスポートの確認がされます。入念です。
ここから100mほどいったところ、171ゲートでコロナ検査結果を待ちます。
l. チェック9:検査結果の確認
モニターに健康カードの番号が順番に表示されます。病院の会計待ちをしているような気分になります。
5分程度待ったタイミングで自分の番号が表れるので、スタッフがいるテーブルに向かいます。「健康カード」をチェックされ、ピンクの紙を受け取ります。
ここから結構歩きます。
m. チェック10:ピンクの紙をもっているかをチェック
途中で、ピンクの紙をもっているかをチェックされます。
n. チェック11:検疫所を通過
ようやく、入国で見慣れた検疫所まできます。コロナ以外の各地で起きている病気についての案内版が張り出されているなかを進みます。
足元消毒・サーモグラフィーによる検温がされます。とても疲れている以外体調に問題はないため、このまま先に進みます。
o. チェック12:入国管理チェック(パスポートチェック)
入国管理チェックです。自動ゲートは利用されていないようでした。(たまたまそちらに向かう方がいないからなのかもしれませんでしたが)
p. 預け荷物の受け取り
預け荷物を受け取りにいくとすでに荷物はまとめてあり、カートに載せられていました。全日空のスタッフの皆様、ありがとうございます!
q. チェック13:税関チェック
特に申告するものはありません。税関の用紙「携帯品・別送品申告書」を提出し、パスポートを最後にみせて、税関チェックを終えます。
出口をでた時点で20:50になっていました。
r. ハイヤーで帰宅
公共交通機関(タクシーも含む)の使用が禁止されているため、事前に予約したハイヤーを待ち、帰宅しました。(ハイヤーとタクシーの違いがあまり理解できていません。ハイヤーは高いタクシーのことなのでしょうか?)
最後に
スタッフの方はとても親切です。多くはアルバイトだと思います。
とても一生懸命お仕事をされていました。海外の方も入国されるため、いろんな言語が話される方を用意するため、恐らく留学生と思われる方も多くお仕事していました。
入国された方も本当にお疲れ様でした。
これから入国される方、かなり時間がかかるプロセスのため時間の余裕をみることをオススメします。
入国後はさらに2週間の自主隔離が待っています。みんなで気をつけて、コロナの感染を抑えられるようにしていきましょう。