創業3年未満のAIベンチャーを何故京セラグループに売却し、そして次にどこへ行くのか(1)(何故起業しようと思ったのか)
あまりメディアに出ていないので知らない人も多いかもしれないませんが、2016年8月に起業した株式会社Ristを、2018年12月末に京セラグループに売却しました。
事業自体は非常に好調な中で、なぜこのタイミングで会社自体を売却したのかの経緯、そして自分が次に何をするのかといったことを、同じ様な境遇で悩んでいる人の参考にしてもらったり、自分の整理のためにもここにまとめようと思います。
そもそもは起業がしたい訳ではなかった。
確かに一番小さな頃に抱いていた夢はと聞かれると「人造人間キカイダーの悪役ハカイダーになりたい」と保育園の時にみんなの前で演説していたこともあったけど、小学校あたりからの夢は「人を幸せにする科学者や発明家のような人」になることでした。
家には自作のおもちゃや発明品を収めるガラクタボックスがあり、親や身の回りの困りごとを解決して喜んでもらうのが好きでした。
「将来の夢は?」と聞かれたら「職業」で答えるの手っ取り早いご時世。
中学高校あたりから「科学者」になりたいと思い、京都大学で化学を学び、「化学者」になろうと思いました。
化学はとても面白く、今でも六員環が並んだπ共役系を見るとテンションが上がりますし、綺麗な結晶を眺めたり、結晶構造を撮った時にどれくらい分子が歪んでいるかに思いを馳せるのが好きです。
人類の地のフロンティアを広げる意義はとても大きいし、アンモニア合成法など人類の繁栄の限界を超える革新的な技術に費やす人生はとても素晴らしいものだと思います。
ただ思い描いていた自分の夢に近づくためにもう少しスピード感をもって世の中の課題を解決したいと思い、大学院から応用寄りの化学の研究室に移り、また医工連携プロジェクトに入りました。
その辺りからプログラミングを学びAIやVRを触り、これらの技術のスピード感と可能性に惹かれて起業することにしました。
(強く背中を押して頂いた指導教官やラボの皆には大変感謝しています)
起業する決意をしてラボにも行かなくなってから、何を血迷ったのかまず先にしたことはアパートの解約でした。
京都で数ヶ月大学の敷地内でホームレスになりプログラムに明け暮れる日々だったり、渋谷のシェアハウスに居候させてもらったり、色んな人にお世話になりました。
渋谷のスクランブル交差点で無意識に泣いてしまうほど割と不安定な時期だったと記憶してます。
その中で友人のベンチャーで半年ほど立ち上げを手伝ったのち、自分でリスクを取ってやりたいと思い2016年8月にRistを創業しました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?