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ヘルプサイト改革:分析から始めるユーザーエクスペリエンスの向上

プロダクト運営において、ユーザーサポートは欠かせない要素です。
名刺アプリ「Eight」でもヘルプサイトを通じて、ユーザーが抱える疑問や問題を迅速に解決できるよう努めています。

そんなヘルプサイトですが、みなさんはちゃんと分析できていますか?
ヘルプサイトの効果を正しく評価し、さらなる改善を図るためには、単に訪問者数やページビューを追うだけでは不十分だと考えています。
実際に、多くの企業がこの点で苦戦しており、私も例外ではありません。

今回、ヘルプサイトの分析方法を根本から見直し、改善につながる新たな分析軸を考えてみました。なかなかヘルプサイトに力を入れたくても何故それが必要なのか説明するのは難しかったりします。この記事を通じて、ヘルプサイトの改善を目指す皆さんの一助となれば幸いです。

読者想定
カスタマーサポートの担当者で、ヘルプサイトに力を入れていきたいがなかなかその理由を説明できない方

そもそもなんでヘルプサイト運営しているんだっけ?

ヘルプサイト運営では、情報の更新や、ユーザーが直面する問題への迅速な対応など、多大な労力と時間が必要となります。「どうやったらユーザーにわかりやすく伝わるだろう?」「画像が少し古くなっているから更新しなければ」といった課題に直面するのは日常茶飯事です。

このような背景から、ヘルプサイトを運営する根本的な目的を再定義することにしました。

Eightがヘルプサイトを運営する理由


Eightの場合は、
ユーザーが自らの問題を迅速に解決できる状態を作り出す
ことにあります。


有人サポートは質の高い対応を提供できますが、サービスは24時間体制ではなく限界があります。たとえば、急ぎでログインしたいときにサポートが利用できない場合、ユーザーは大きな不便を感じると思います。そのような事が発生しないためにEightではユーザーが自分自身で即座に解決できるような支援を提供することに注力しています。

これは、例えば、夜遅くに重要なビジネスミーティングの準備をしているときに、必要な情報にすぐにアクセスできるようにする、といったシナリオを想定しています。
特にログイン問題のように頻繁に発生する問題に対しては、ユーザー自身がすぐに解決できる手段を提供することが、最良のサポートとなると考えています。

どのような情報を集めればいいのか考えてみた

前述した通り、Eightサポートでは、なるべくユーザーで解決できる状態にしたい目的があります。そこで、ユーザーが問い合わせをするまでの体験を図にして考えてみました。

図:ユーザーが問い合わせをするまでの体験フロー

ユーザーが問い合わせをするまでの体験

このフロー図を用いて、ユーザーがサポートチームに問い合わせるまでのプロセスを分析しました。これにより、ユーザーがヘルプサイト上で直面している具体的な問題点や、どんな追加情報がユーザーを自己解決へと導くのに役立つのかを把握することができます。
この分析をしたことで、ヘルプサイトのコンテンツを強化するための分析軸とすることができました。

分析軸として考えたもの

ヘルプサイトの効果を最大化するために、次のような分析が重要だと考えました。

図02の部分で分析をした方が良さそうなもの

  1. 流入経路の分析
    特に、オーガニック検索が多い場合、どの検索キーワードが使われ、どの記事がヒットしているのかを理解することで、コンテンツの見直しに繋げられます。

図03の部分で分析をした方が良さそうなもの

  1. ページビュー数(PV数)
    ヘルプサイト全体、および個々の記事のPV数を確認することで、どのコンテンツがより多くの利用者に利用されているか、または利用されていないかがわかります。これは、文章のワーディングやタイトルの最適化、プロダクト自体の改善点を見つけ出すための重要な指標となります。

  2. サイト内検索の分析
    ユーザーがヘルプサイト内でどのような検索をしているかを分析し、必要な情報がヒットしているかどうかを把握します。これにより、ユーザーが求める情報がヘルプサイトに適切に反映されているかを確認できます。

  3. 解決の有無
    ユーザーが各記事で問題を解決できたかどうかの確認は、コンテンツの効果を測るために有効です。

  4. 滞在時間
    記事の滞在時間を分析することで、コンテンツの消費にかかる時間を測定し、それが適切かどうかを判断します。滞在時間が長過ぎると情報が見つけにくい、短すぎるとコンテンツが十分に伝わっていない可能性があるため、このデータはヘルプサイトの使いやすさを改善するための重要な手がかりとなります。

図05の部分で分析をした方が良さそうなもの

最後に注目すべきは、ヘルプサイトを閲覧した後にもサポートへの問い合わせに至った件数です。この分析は、ヘルプサイトがユーザーのニーズに応えているかを評価するために不可欠です。具体的には、以下の二点を考慮します。

  1. 内容が複雑でサポートの介入が必要だったケース:これは、ヘルプサイトの情報だけでは解決できないより複雑な問題に対処するため、人的サポートが必要だった状況です。

  2. 情報はあるが問い合わせたケース:ヘルプサイトに情報は存在していたものの、それにも関わらずユーザーがサポートに連絡を取ったケースです。これは、コンテンツが見つけにくい、理解しにくい、またはユーザーが十分信頼できないと感じたことを示唆している可能性があります。

これらのデータを分析することで、ヘルプサイトのUI/UXを改善し、より直感的にナビゲートできるようにすること、または特定の問題に対するより詳細な説明や記事を追加することが重要な戦略になります。
結果として、ユーザー自身でで問題を解決できるようになり、サポートへの依存を減らすことができるようになると考えています。

分析で利用するツール

分析に必要なポイントを洗い出したので、次にそれらのデータをどのように抽出するかについて考えました。私の場合は、以下のツールを使用して、ヘルプサイトの分析する計画にしました。

Google Search Console

Googleなどの検索サイトから、ヘルプサイトにどのような検索ワードでユーザーが流入しているかを確認します。

Google Analytics

ヘルプサイトのページビュー数、トラフィックの源泉、問い合わせに至るまでのユーザーフローや滞在時間を把握します。これにより、ユーザーがどの記事に最も関心を持っているか、またはどの記事で離脱しているかを確認できます。

Zendesk Explorer

Zendesk ヘルプサイト レポートと分析を参照

EightではZendeskを使用していますが、Zendesk Explorerを通じて、Zendesk内でどのようなサポートリクエストが発生しているか、どの知識ベースの記事が役に立っているかを分析できます。
これにより、サポートの負荷を減らし、ユーザーがより迅速に解決策を見つけられるような改善点を特定することができます。

あとがき

次回以降、Google Search Consoleのツールを使って具体的な分析方法を深掘りし、実践的な設定ガイドを提供する予定です。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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