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ふふ奈良

どこか懐かしい香りと、しとしとと降りしきる雨の音に、半ば諦めを感じながら目を覚ました。

僕が旅に出るときはいつも雨である。

仕事に隙間時間ができたので、近場で躰をほぐしに古都に足を伸ばした。

近場で巣篭もり出来そうな温泉宿を探していて、白羽の矢が立ったのが 『ふふ奈良』であった。2020年にできた、関西としては初のふふグループの旅館である。ふふグループは僕自身は初めてだったのだけれども、単刀直入に言うと、

とてもよかった。

安直な表現だが、他の表現を頭で考える余白がないほどに、良かった。

旅館に着いたのは14時。関西ではここだけという、SISLEYのスパを受けるために早めに到着。極楽浄土です。

その後お部屋に。
ブラウンbaseの和モダンな感じ。蚊取り線香をに火を灯し、部屋付きの露天風呂に浸ったり、読書したり、また露天風呂に浸ったりを繰り返していると、段々と日が暮れた。

お待ちかねの晩御飯。徒歩5分程度の場所にある別邸でのお食事。鉄板焼きと日本食が選べたけれど、鉄板焼きなら別の所でもいいかなと思い、日本食に。優しいお味に華やかな見た目のお料理たちに舌鼓を打ちながら、久々に飲んだ日本酒が沁みる夕ご飯だった。

部屋に戻ったあとは少しだけ露天風呂に浸かったあと、旅館付きのBARへ。奈良はラストオーダーが23時ということにびっくり。女性のバーテンさんが、ウイスキーやジンなどについて色々な知識を教えてくれた。元々、なんでもお酒は好きなのだけれど、ウイスキーBARで働いていたこともあり、ウイスキーと聞くと心が躍ってしまう、癖がある。

とはいえ、その日は、奈良の蒸留所で作られている「橘花ジン」というジンで飲んだジントニックが、華やかな香りであまりに美味しすぎたため、帰りに買って帰ることにした。

久しぶりにBARで過ごした一時に幸せな気持ちを抱いたままその日は眠りについた。

翌日。

やはり雨の音が外から聞こえてきたが、心がリラックスしているからか、その雨音さえも心地よく感じながら目を覚ました。

朝ごはんも昨日同様の別邸で。旅館の朝ごはんというものが、僕は大好きで、お米に合う和食のオンパレードに、どれから食そうかと目移りしながら、お米を3杯おかわりした。

雨足が強すぎたのでその日は真っ直ぐに帰宅。

やっぱりたまには普段の生活を完全に忘れられるような場所に行くのが心の平穏には良いなあと思った2日間でした。