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#小説

ふたたび、読書の秋、洋書の昔話。もしくは、ゆめ物語。

ふたたび、読書の秋、洋書の昔話。もしくは、ゆめ物語。

また、自宅にある本の話をしようと思います。

ネタがないんですよ、ネタが。

ネタがないことに妬む。

ネタがないから、寝た。

という爆笑必須のギャグ(あるいは超絶スベリ芸)はいくらでも思いつくのですが、今の時期は”読書の秋”とか言われているし、何度も本を紹介したっていいですよね。

あ、今回は「国内の出版社だけど洋書」っていう書籍を取り上げます。

それはコチラでございます。

【国内の出版社

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ぴったりの湿気

ぴったりの湿気

 また、寄り添っている。
 やめて、という言葉にも思いにも、耳を傾けてくれない。
 わたしの体はそれほど大きくないけれども、全身にぴったりしている。
 正直、いい気持ちはしない。

 さわやかではないんだ、しつこいんだ。
 ベタベタしてくるし、どこにでもいる。
 一年中ではないけれども、一生付きまとってくる。
 たぶんこの時期、体重は増えている。
 一緒に体重計に乗って、その値に驚いたり喜んだり落

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デザイン基礎教育

デザイン基礎教育

最初は、鼻がなくなってしまった、と思った。
朝起きて、洗面所にてすぐにそれに気づいた。
歯磨き粉にも石鹸にも、まったく香りがない。

湯気の立つコーヒーやカリカリのトーストも同じ。
整髪剤も制汗剤も、本来の役目が損なわれている。
だからわたしの鼻は、どこかに消えた、と思った。

匂いがしない、という現実はものすごく怖い。
5月を彩るラベンダーも、肉汁がジュージューと歌うBBQも、ぽかぽか陽気にくる

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オレンジシュート

オレンジシュート

汗が弾ける。

すっぱい液体は、ぼくを憎む。

キラい、ということであれば、どうぞご自由に。

どうせこれからも、あるいは一生、何度でも再会するのだから。

ぼくに対する汗の気持ちとは違って、リングとボールはそれぞれを求め合う。

その姿に、ドキドキする。

膝のクッションと手首のスナップだけで、ボールは簡単に空を飛ぶ。

モップだったら、こんなに昇らない。Tシャツやタオルならば、明後日の方向に行

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汗の楽園

汗の楽園

 汗は、わがままだ。
 ぼくのいうことなんて、聞いてくれやしない。
 額から、首筋から、ワキから、背中から、次々と顔をのぞかせる。
 やめてくれ、よしてくれ、と注意しても無視だ。そして感情的になるほど、身振り手振りでメッセージを伝えようとするほど、一粒一粒が自己主張を強める。透明な後継者も、あとを絶たない。
 どうして出てくるんだ!
 汗は、こうしたぼくの言葉に耳を傾けないし、何も言わない。
 た

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サクラを忘れる。

サクラを忘れる。

 小さな薄桃色の座席は、しっとりとしていた。
 うっすらと、甘い春の香りもする。
 シートのふちは、せっかちなエイのように、バタバタと揺れている。
 指先でつっつけば簡単に破れそうな耐久性にもかかわらず、まさか、本当に乗れるなんて――

 桃色の絨毯は、風に身を任せて、ぼくをどこかに運んでいる。
 きもちいい。と同時に、怖い。
 ここは、地上数十メートルぐらいの高さ、だと思う。
 学校の屋上にある

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