紅茶とお菓子の組み合わせ超入門
どうも!古典エヴァンジェリストの阪本です!緊急事態宣言の延長も決まり、まだまだ気安く外出が出来る日は来そうにありませんね。そんな時は、家で紅茶でも飲みながら読書と洒落込むのはいかがでしょう?
そして紅茶に欠かせない物といえばやはり、お菓子です!美味しいお茶とお菓子を堪能しながら読み応えのある本と向き合う。これ以上に充実した時間など、この世に存在するのでしょうか?(いいや、存在しない)
ということでお茶とお菓子を適当に見繕って…って、ちょっと待ったァ!その前にまず、ちゃんと味の組み合わせは考えましたか?
「え?味?紅茶の味なんて大体一緒なんじゃないの?てかそもそも甘いお菓子と紅茶は大体合うもんでしょ?」なんて思っているなら大間違い!紅茶とお菓子はその組み合わせによって化けることも、お互いに味を殺し合うこともあるのです!
そう!最高のティータイムを味わう為には最高のお菓子と最高のお茶だけでなく!それらの最高の組み合わせをも追求せねばならないのです!
考えてもみてください。本来であれば美味しく堪能され人々に至福のひと時をもたらすはずだった彼等が、我々の無知さ故に不毛な殺し合いを余儀なくされる様を。これが悲劇でなくてなんだと言うのでしょうか!世界はそんな結末を望んではいません…
「いやー、んなこと言われてもお茶の違いとかよくわかんねーしよ…」
なるほど。では仕方ありませんねぇ。ということで今回は、僕の有り余るゴールデンウィークの時間をふんだんに使って行った10銘柄の紅茶による旨いお菓子とのマッチングの検証結果を一例として皆さんにご紹介しましょう!
検証したお菓子 MANGETSU
今回検証したお菓子はこちらです!
長崎県の平戸市にお店を構えるfirandoさんの看板メニュー、MANGETSU!冷凍のまま食べられちゃう塩生キャラメルで、あまりの絶品さからメディアでも度々取り上げられている人気商品です。実は私阪本はオーナーのふみ姐さんに日頃から個人的にお世話になっておりまして、せっかくなので今回の検証に使わせてもらっちゃいました。あ、決して頼まれて宣伝しているわけでもないですし身内とか抜きにしてハチャメチャ美味しいです、マジで。
今回はキャラメロ、グリーンティー、コーヒーの3種で検証を行います!
と、思いきやふみ姐からまさかのレモンハニー1個サービス付き!ふみ姐、あざます!!!!!!最高に合う紅茶、ぜってー見つけような。
てなわけで今回は、キャラメロ、グリーンティー、コーヒー、そしてレモンハニーの4種類で検証を進めて参りマァス!
検証した紅茶10銘柄
次に、今回検証した紅茶10銘柄の特徴を簡単にご紹介します。なお銘柄の殆どがマリアージュ・フレールのものですが、アッサムのBREAKFAST BLENDだけはフォートナム・メイソンのものを使用しています。なぜかって?それはコイツだけバレンタインデーで頂いたものだからです。といっても妹からなんですがね、非リアなので(真顔)
僕が非リアなのはさておき、まずは完全主観で作成した10銘柄のマトリクスをご覧ください。なお僕は基本的に自宅だとホットのストレートでしか飲まないので、味わいはその前提でお考えください。ただし、冷蔵庫に常駐させているROUGE EARL GREYとPINC CACTUSに関しては、水出しのストレートで飲んだ時の味になっています。二日酔いに効くんだよなあ、コレが。
以下、簡単に箇条書きで各銘柄の特徴をご紹介します。ちなみに文字ばっかだと疲れるのでいくつかAmazonのリンクを張ってありますが、アクセス可能な方はMARIAGE FRERESの店舗での購入を強く推奨します!めちゃめちゃお茶に詳しい店員さん達に、お茶の香りをかがせてもらいながら相談に乗ってもらえます。(サイトの通販ページからも買えるZE!)
・BREAKFAST BLEND:アッサムのブレンドティー。ザ・紅茶といった味わいで、コクが強くほのかに甘みがあるのが特徴。
・WEDDING :セイロン。アッサムに比べ、ほのかな苦みがあるのが特徴。
・EARL GREY D'OR :アッサムのアールグレイ。ベルガモットが爽やかに香る、典型的なアールグレイ。
・MARCO POLO :中国・チベットの花・果物のフレーバーティー。マリアージュ・フレールの代名詞と呼べる銘柄で、フルーティーで爽やか。ただし、二日酔いで飲むと体調が悪化する。
・VERANDA:中国茶のココナッツや各種香料によるフレーバーティー。マルコ・ポーロに比べ、スパイシーでシャープな味わいなのが特徴。
・PARIS-GINZA:中国茶のストロベリーとラズベリーによるフレーバーティー。フルーティーな甘みがあり、ベリーの香りが鼻を突き抜けるのが特徴。個人的には1番お気に入りの銘柄。
・GRAND BOIS CHERI:モーリシャスのバニラティー。ビターな味わいの中で、ほんのりバニラが香るのが特徴。
・ROUGE EARL GREY:ルイボスのアールグレイ。ルイボスティー独特の臭みがベルガモットによってスッキリとした味わいへと昇華させられている逸品。水出しにすると旨い。二日酔いにとても効く。
・PINK CACTUS:ルイボスのサボテンフレーバーティー。ROUGEと逆でサボテンの臭みがルイボスの臭みを助長させており、なんかもう手が付けられないヤンチャなお茶。ぶっちゃけ何に合うのか甚だ謎。水出しにすると旨い。二日酔いにとても効く。
とまあ、個別には全部めちゃ旨い紅茶です。めちゃ旨い紅茶なんですが実際に組み合わせてみると、MANGETSUに合う紅茶と合わない紅茶と様々でした。
アッサムは伊達じゃない!
いきなり結論から入ります。BREAKFAST BLEND、すなわちアッサムは4種全てに合います。流石は世界最大の生産量をほこる茶葉、アッサムは伊達じゃない!
そしてビックリなのは、フレーバーティーの王とも呼ぶべきアールグレイが4つの味いずれとも合わないという結果に!誰もが愛する爽やかなベルガモットの香りが、MANGETSUの風味によって完全に殺されます。クッキーとかには合うんですけどねぇ...なんでだろ...
というわけで、こっから先を読むのがメンドクサイ人はもうMANGETSUとアッサムを買ってください!以上!
ただし、4つの味に最も合う銘柄は他にありました。しかも、4種とも全く別の銘柄がベストパートナーという結果に。では1つずついってみまshow!
キャラメロ ~宮廷の昼下がり~
まずはMANGETSUで最も基本となる味であるキャラメロからレビュー。シンプルにハチャメチャ旨い!なんだこれ!?剝き出しのキャラメルの旨味にぶん殴られた気分!キャラメルの暴力!それでいて甘すぎない!すげえな!?毎日食いてぇ...
そんなキャラメロのベストパートナーはズバリ、PARIS-GINZA!混じり気のないキャラメルの味わいにベリーの甘みと芳醇な香りが合わさり、気分はさながらルネサンス貴族!そうそうこれこれ!こういうティータイムを過ごしたかったんだYO!となること間違いなしの、まさに王道の組み合わせと言っていいでしょう!オブラスツォワとドミンゴが演じ、カルロス・クライバーがタクトを振ったあの「カルメン」をも彷彿とさせる、約束された勝利!
これ嫌いな人いる???ぜってーいねえよな???
次点はBREAKFAST BLEND。キャラメロの旨味をそのままに、アッサムのほのかな甘みが包み込む、これまた捨てがたい選択肢!WEDDINGも中々合いますね。キャラメロに苦味がプラスされて、より引き締まった印象に仕立ててくれます。またQUEEN VICTORIAもナシではありません。ただし若干ダージリンの主張が強く、キャラメロの風味が失われる印象を受けました。
逆に絶対に組み合わせてはいけないのはPINK CACTUS。わかっちゃいたがクセつえーんだよお前...優雅なキャラメルの風味の中で唐突に生い茂るサボテン。いや、空気読めよ。
バニラティーだから相性良いのでは?と思っていたGRAND BOIS CHERIもナシですね。紅茶の苦味でキャラメロの甘さが殺されます。もっと甘みの強いバニラティーだと合うのかなあ?
グリーンティー~帝国の継承~
続いてのお味はみんな大好きグリーンティー!グリーンティー味に外れナシ!困った時は抹茶とかグリーンティー味えらんどきゃなんとかなる節ありますもんね~。そんな最強の衣を纏いしMANGETSUが旨くないわけがないッ!鬼に金棒ッ!駆け馬に鞭ッ!竜に翼を得たる如しッ!グリーンティーの甘みがキャラメルの風味を更に彼方へと押し上げていくッ!ああ、ニッポン人で良かった...
しかし忘れてはいけません。「圧倒的な力ってのは、つまらない」ものであり、「王の力はお前を孤独にする」のだということを。強すぎるが故の孤独ッ!その法則の前にはお菓子さえも例外ではいられないのです!
そう、このグリーンティー味は今回検証した4つの味の中で、合う紅茶が最も少ない味だったのです!俺のイチオシ紅茶コレクションが尽く大敗を喫する羽目に!なんたる愚かしさッ!
だが世界は広い。どんな強者といえど、真に分かり合える友や好敵手と出逢うことが出来るのもまた世の常です。政治の天才アウグストゥスの傍に、軍事の天才アグリッパが居た様に。
というわけで、苦労した末にようやく見出しました。グリーンティー味のベストフレンドは、我が家唯一のダージリンであるQUEEN VICTORIA!”味が溶け合う”のではなく、”味が違和感なく接続”します。1口食べた後に紅茶を飲めば、グリーンティー味の甘さからゆるやかに茶葉の甘みへと移行しつつ、芳醇なダージリンの香りが鼻を突き抜けていく。この”甘みの移行”はあまりにも巧妙で、一体どの段階でグリーンティーから紅茶の味わいへと変化していたのか、最初は理解が追い付きません。
そう、グリーンティーとダージリンはアグリッパとアウグストゥスではなく、カエサルとアウグストゥスだったのです!
天才の偉業を天才が継承し、あまつさえ更なる高みへと押し拡げるに至る奇跡ッ!人々の目を欺き、共和制から帝政への移行を為したドラマッ!2つの才能によって帝政ローマが生まれたように、グリーンティー味とQUEEN VICTORIAとの出逢いは必然にして運命だったと言えるでしょう。
そして次点はやはりBREAKFAST BLEND!アッサム、恐るべし。グリーンティー味の風味に圧殺されることなく、ほのかな甘さで後味を纏め上げる。これはカエサルとラビエヌスとでもいったところでしょうか。ただし、ラビエヌスと違ってアッサムは裏切りませんが。
逆に絶対に組み合わせてはいけないのも、やはりPINC CACTUS。お前もお前で孤独過ぎてツレーな。。。
その他の銘柄も絶対とは言いませんがグリーンティー味と併せて飲むのは悪手だと言わざるを得ないでしょう。単体では絶対に外さないグリーンティー味も、紅茶とマッチングさせるとなると一苦労のようですね。
コーヒー~湖の騎士~
続いてはコーヒー味です。カフェ・ラテにカフェ・オ・レ、コーヒープリンにバターコーヒーなどなど、コーヒーと乳製品との相性の良さは誰もが知るところでしょう。そしてやはり!コーヒー味はMANGETSUにおいても期待を裏切りません!
ンンンッ!美味!上品な甘さの中で佇むコーヒーの苦味!己を誇示することもなく、それでいて高貴なる塩キャラメルに気圧されず存在感を放つ、まさに真の強者の風格!さながら身分を度々偽りながらも実力を隠し切れず正体がバレがちな円卓の騎士、湖のランスロットのよう!
「あれ?でも強すぎると孤独になるのでは?」
ええ、グリーンティー味で我々はそれを学んだばかりでしたね。私阪本もコーヒー味を一口食べた瞬間に覚悟しました、「ああ、これも合うの少ねえやつなんじゃね...」と。しかし結論から申し上げると、それは杞憂でした。
というわけでコーヒー味のベストパートナーはズバリ!モーリシャスのバニラフレーバーティー、GRAND BOIS CHERIです!茶葉の苦みとコーヒーの苦味とが溶け合うのは勿論、上品なバニラの香りが最高のアクセントになって、コーヒーの風味を殺すことなくキャラメルの甘さが引き立ちます。これは中々ツウな組み合わせ!
そしてここでもやはり次点はBREAKFAST BLEND!いやー、ちょっとアッサムさん、有能過ぎませんかね?マジで皆さん、お菓子用にどれか1つだけ銘柄買うなら絶対アッサムですよ、マジで。
しかし!今回はBREAKFAST BLENDと並んでもう1つ、次点でご紹介したい銘柄があります。セイロンティーのWEDDINGです。ザックリ言うと、キャラメルの甘さに寄り添うならBREAKFAST BLEND、コーヒーの苦味に寄り添うならWEDDINGがおススメです!アッサムは甘くセイロンは若干苦みがあるため、このような対応関係になるものと思われます。
というわけでなんだかんだコーヒー味はモテモテの結果に。ランスロットもめちゃめちゃモテますからね~、口ではグウィネヴィア一筋とか言っておきながら。(※ちなみに人妻です)
そして逆に絶対に組み合わせてはいけないのはやはり!PINK CACTUS。ねえ、やる気あんの?(真顔)
また僕のイチオシであるPARIS-GINZAもコーヒー味には全く合いませんでした。ベリーの風味がコーヒーに全て殺されます。この辺はMARCO POROなどにも言える話で、やはりコーヒーの風味が強いのでフレーバーティーは避けるのが無難なようですね。
レモンハニー~常夏の青春~
最後はふみ姐からのサービス、レモンハニーの検証です。レモンハニーもオシャレスイーツ界では鉄板フレーバーの1つですよね。というわけでお察しの通り、MANGETSUにもやはり合う!!てか、爽やかー!?こ、これがキャラメルの風味だと!!?ハニーも入っているのに!?レモンの爽やかさスゲッー!!これ口当たり軽やか過ぎてもはやカロリーゼロなんじゃね!?(※カロリーゼロではありません)
あまりの爽やかさにあの青春の日々が蘇ります...みたいなの僕には大してなかったんで、代わりにスクール・デイズでも置いときますね(ニッコリ)
そんな爽やかフレーバーであるレモンハニーのベストパートナーはVERANDAとROUGE EARL GREYです!いや~、2つも相手がいるとは伊藤誠もビックリですなぁ(すっとぼけ)
スパイシーなフレーバーティーであるVERANDAとレモンハニー味とを合わせると、まるでお花畑にいるようなフローラルな香りが口いっぱいに拡がります!一方でルイボスをベルガモットでフレーバードしたROUGE EARL GREYの水出しアイスティーと合わせると、圧倒的な爽快感ッ!いやあ、どちらも捨てがたいッ!僕には選べません!!!なので同率で1位です!!!
ただし注意していただきたいのは、ホットのROUGE EARL GREYとはあまり合わなかったという点です。他の銘柄も水出しで飲むと全然違った結果になるかもしれませんねぇ。
そして次点はお馴染みのBREAKFAST BLENDとWEDDING!レモンハニーの甘みを引き立てるなら前者を、渋みをプラスしてよりシャープに味わいたいのであれば後者をお選びください!あとはPARIS-GINZAも中々合います。
そして逆に絶対に組み合わせてはいけないのはもうおわかりですね、はい。PINK CACTUSです。なんか、うん、ごめんな、うん。いっつも二日酔いの時、助けてくれてんのにな。うん。
君だけの最強の組み合わせを見つけよう!
以上、紅茶10銘柄×MANGETSU4種の計40の組み合わせを検証して参りました。最後にベストパートナーだけ再度おさらいしておきましょう。
キャラメロ feat. PARIS-GINZA
(ベリーのフレーバーティー)
グリーンティー feat. QUEEN VICTORIA
(ダージリン)
コーヒー feat. GRAND BOIS CHERI
(モーリシャスのバニラティー)
キャラメロ feat. VERANDA
(ココナッツや各種香料のフレーバーティー)
キャラメロ feat. ROUGE EARL GREY
(ルイボスのアールグレイ)
とまあ、MANGETSUという1つの商品だけでもフレーバーによって全く違う紅茶に合うということが今回で明らかになりました。皆さんも色んな紅茶で是非お試しを!
てなわけで超今更ですが、普段はYoutubeで古典を中心に本の解説を行ってます!もしよければこちらもティータイムのお供にいかがでしょうか?
おうち時間、乗り切って参りまSHOW!明日に向かって、賽は投げられた!