チャイからインドがわかる
四日目の朝はチャイから始まる。インドではチャイと言う飲み物がとても一般的で、インド人は1日に5-10杯ほど飲んでいる。紅茶、ミルク、スパイスから作られている熱々の飲み物で道端で買う事ができる。量は50ミリ程度でショットほどの大きさで値段は20円ほどだ。
容器は素焼きのカップで作られていて、飲み終わると割って捨てるのがインド流だ。インドの憲法ではカースト制度を否定しているが、実際にこの考えは今も根強く残っており、自分より下の階級の人間が使ったかもしれないカップを使わないようにあえてカップを割って再利用できないようにしているとも言われている。
初めての長距離移動
この日はインドへ来て初めて電車を使うことになる。電車に関して色々悪い噂を聞いていたのでとても怖かった。ネット上でよく書いてあることとして、電車はいつも数時間遅れだとか、下のクラスの車両はスラム街のようになっている、席は他の人に取られているだとかよくない情報ばかり目にした。アプリで事前にチケットを予約できるはずが、VISAもDinersも2時間ほどかけてカード5枚ほど試したがうまく決済ができない。しかたく直接駅に行ってチケットを買うことにする。
チケットを買う際色々書いたり手間取っているとインド人がすぐに助けてくれる。やっぱり優しいインド人。でも最後チップ請求されてお金ないって言ったらペットボトルの水取られました笑笑
この日はジョードプルからジャイサルメールへの移動で距離にすると300キロ時間は6時間。インド旅では短めの移動だ。
Mahiとの出会い
無事チケットが買えたので、電車の時間まで一日観光をすることに。ジャスワントタダという場所が思い出深い。今でもちょくちょくInstagramでやりとりをしているMahiに出会う。彼らは5人ほどのグループで観光で来ているようだ、インド人は男同士とても仲がよく、みんなで仲良く喋ったりしているところをよく目にする。とても楽しそうだ。彼らとしゃべていると施設の閉館時間になってしまい、全く中を見学せずに帰ることになってしまった。でも楽しかったからOK。
いよいよ電車に。。。
電車の時刻が近づいてきたので、駅に向かうことに、1時間ほど余裕を持って駅に到着。駅の床でみんな寝ている。時間が来るまで暇なようだ。
日本のようにわかりやすい電光掲示板がないので色々な人に聞きながらなんとかホームにたどり着く。
なんと電車は時刻ぴったりに到着。電車は20両ほどあり、端から端までとても長い。かなり歩いてなんとか目的の車両を発見。今日のる電車はAC2というクラスだ。これはエアコンがついている寝台クラスで、インドの電車の中では2番めに良いクラスだ。良いクラスといっても300キロの移動で1800円ほどだ。寝台列車になっているので、ホテル代も節約でき一石二鳥である。
インドの電車の特徴として、ドアがないもしくは開けっぱなしで転落しても自己責任だ。また反対のホームに行くために線路を歩くのも当たり前のように行われている。日本でやればSNSで炎上するようなことがインドでは当たり前なのだ。自分の常識は世界で見れば必ずしも当たり前であるとは限らないと感じた。
電車はこの写真のように段になっており、昼は下にいて、夜になると上の段と下で分かれて寝るという形だ。AC2のクラスは少し良いクラスなので、軍人などが乗っていた。行き先を伝えついたら起こしてもらえるようにお願いをし就寝。かなり疲れていたため一瞬で眠りについた。
朝4時に駅に到着。まだまだ眠いがタクシーで次の目的地へ向かう。インドのすごいところがこの時間でも駅に人はいっぱいいるし、チャイの店がやっているというところだ。運転手がチャイの店に止めてくれてチャイを奢ってくれた。朝4じに飲むチャイは格段に美味しい。
ジャイサルメール
今回の目的地はジャイサルメールという場所にある砂漠だ。ジャイサルメールはこの旅の最大の目的地で楽しみにしていたところである。今回はTripAdviserでラクダに乗り砂漠で泊まるツアーに申し込んだ。一人6000円ほど。ジャイサルメールは限りなくパキスタンに近い場所である。
ジャイサルメールをぶらぶらしていると少し治安の悪い場所に入ってしまった。現地の少年らに絡まれ、ヘッドホンや帽子,サングラスなど持っているもの全て引っ張られて盗まれそうになる。最後は水まで取られそうになりました笑
いよいよ砂漠へ
ジャイサルメールのホテルから砂漠まではある程度距離がありJeepとラクダで3時間ほどかけて砂漠へ到着した。到着するとまず薪で火を起こしチャイを飲むことから始まる。どこへ行ってもチャイを飲むのがインド。砂漠なので当然電波もないのでやることがなく、本を読んだりして過ごす、そして今日はの寝床は砂漠の上のベッドだ。ずっと電車で寝たりしてきたので、砂漠のベッドはかなり快適に感じる。
あっという間に夕方になる。夜ご飯は薪で作ったナンで食べるカレーだ。もうカレーには飽きてしまっているので味の感想は。。。
砂漠でみる夕陽は人生で見た景色の中で一番綺麗なもので初めて景色で感動した。この沈みゆく太陽を見ながら中島みゆきの地上の星を聴く。この曲を聴いていると、世界は自分の知らないところで誰かが頑張っていて成り立っているのだと感じる。
時刻は22時、街灯など全くないので星がとても綺麗に見える。色々考え事をしながら星を見ているとふと流れ星が見れた。人生で初めて見る流れ星だ。それも1個や2個ではなく何個も見れる。実は流れ星はそれほど珍しいものではなく、日本でも山奥では見れるらしいのだが、星空を何時間も眺めることなんて日本で機会がなくとても貴重な経験であった。
砂漠の朝
かなり疲れていたのもあり、前日はすぐに寝てしまった。砂漠の夜は思ったより快適であったが、かなり寒い。昼間40度あったのが嘘のようである。
朝はラクダの鈴の音で目がさめる。首輪などがないので、寝ている間にラクダがどこかへ行ってしまったようだ。ガイドのUkaさんが鈴の音を頼りにラクダを探しにいく。
そして朝なのでやはりチャイを飲む。朝日を見ながら飲むチャイはやはり格別である。
そうこうしているとラクダが無事に見つかったので、ホテルへ戻ることになった。帰りはラクダに乗りながらライオンキングの主題歌であるCircle of lifeを聴くことにした。朝日を浴びながら何もない砂漠をラクダの上に乗っていると、自分が映画の主人公になったような気分になれた。シンバになった気持ちだ。
『僕ら地球に生まれ太陽は眩しく 目に映るもの手に触れるもの求め旅は続く 新しい奇跡は限りなく生まれる サファイアの空 陽は輝き永遠の時を刻んで Its the circle of life』
これはCicle of lifeの歌詞の一部だ。砂漠という壮大な自然の前にいると、人生の悩みなどがとても小さなものに見えてくる。
最後に
インドには労働基準法のようなものが存在していない。今回のドライバーをやってくれたUkaさんは、ホテルに戻った後またすぐにそのまま次のゲストを乗せて砂漠まで案内し、砂漠で寝泊まりをするそうだ。彼には休みというものがないように感じるが、本人はNo Problemと言っていた。インド人は異常なほど働く人と、全然働かない人の2通りの人種がいるように感じる。少し前の日本はこのように発展していったのだろうか。このような人がいる限りはインドの経済は発展していくのだろうと思った。インドで人生観が変わる人がいると聞くが少しずつわかってきた。