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「これはちゃうか」 加納愛子

住みたい町上位のファシマーラに住む女性。

ワインの違いが分かる高収入な旦那と別れた。息子達に会う時に、少なくない小遣いと1番肌触りの良い服を着て会いに行く。しかし小さい頃から謙虚で思いやりのある子は、躊躇なく憐みの目を向ける。小遣いも丁重に断られる。

新しい駅が生えてくる。
駅だらけの町。家が無くなる。


15歳の少女が1万円を差し出す。
最終日が好きな主人公。

時間を掛けて描き上げただろうと想像つく。

全ての話に世界観があり、理解に時間を要する。日常を切り取った短編集からは、彼女の空気感生活感が漂い、良い意味で疲れさせてくれる。


都会の朝にいつも思う事がある。
朝の救急車の音は、夜の間に亡くなった遺族の最後の祈りと思う事。

今日、届出書提出の為に消防署に出向く。会議室にいると、アナウンスが流れてその度にガサガサと音を立て、サイレンと共に音が遠ざかる。何回かあった。

どうにかして生きていて欲しい。
それらが連鎖し木霊する姿は慣れるもので無い。

駅で偶々に居合わせた人の、一生を見てみたいと思う事がある。今隣で寝ている人は、どんな境遇で今何故に新幹線に乗るのか。

適当に眺めた車窓に映る、店に入る人。

日常は切取り方ひとつで、怖いものになる。
よく殺人犯が狼煙上げられるのも、分かる気がする。

何が言いたいかと言うと、
小説は難しくて奥深いという事。

適当に買ったグミとカフェオレの相性が悪い。

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