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侮辱罪厳罰化と信頼関係の変化~推しのネタが開示請求される日まで

先日vtuber関連でこのような話題がトレンドになった

判決は、アバターの言動は、女性自身の個性を生かし、体験や経験を反映したものだとし、女性がアバターで表現行為を行っている実態にあると指摘。「侮辱の矛先が表面的にはアバターに向けられたものだとしても、アバター で活動する者に向けられたと認められ、名誉感情を侵害されたのは女性だ」と認めた。

https://news.livedoor.com/article/detail/22771912/

ざっと調べてみたが、どうやら訴えた女性というのはホロライブ所属のアバター名「宝鐘マリン」として活動しているタレントらしい。

開示内容の文言は明らかにアバターの表層や活動の批評感想を飛び越えて、演者に対する中傷にあたると感じた。

人間として存在しない「所属タレント」に関しての権利侵害が認められたのは大いに注目するべきだろう。

振り返ってみれば、彼女は配信で病気の報告をしたり、ファンタジーよりのRP(ロールプレイ)の活動を控えていた。
その理由の一つに裁判で実害の記録やキャラクターアイコンと人格の同一性を確認する作業において優位性を保つ必要があったからかもしれないな、と今更ながら思った次第である。

個別のケースによるだろうが、第三者からすれば○○が5ch見てたのか…となるだろうし、Vアバターのブランドを維持したままこの手のトラブルを解決させるのは本当に難しい。

侮辱罪の厳罰化と信頼関係の変化

提訴ハードルが下がったことにより、今は受けてくれる弁護士が増えて、お金さえあればポンと開示請求ができるようになった。

内容によるが、そのお金も身元特定できれば中傷した人に請求できる。
和解金ビジネスも活発になっているようだ。

ネガティブな指摘を含む場合も同様に罪に問われることもあるし、本人に直接DMやリプライを飛ばさなくても訴えが認められるケースもある。

厳密に言えば、星街すいせいの「サイコパス」ネタもアウトだし、天音かなたを「まな板」や「ゴリラ」とコメントでいじるのもアウトである。

悪意があるなしは関係ない。
推しメンから名誉毀損で突如開示請求される可能性はゼロではない。

どこからか中傷かが分からないで心配なうちは、推しの機嫌を探るより、とにかく「うんうん」とスタンプを連打しておけば問題ないだろう。

ネットでは距離感がつかみにくいが、信頼関係を築くやり取りは重要だ。

これからのライバーとの信頼関係


一方でその風潮に乗っけられて、コンテンツホルダーがリスナーを下にみる傾向が強くなっているのも見過ごせない。

一時期ツイッターで通報フォームをところ構わず送りつけるのが流行っていたが、事由を問わず相手に何らかの被害を与える目的で訴訟をちらつかせた場合は「誣告罪(ぶこくざい)」に問われるので注意されたい。推しに熱心なリスナーにも時に冷静さが必要になる。

虚偽告訴等罪
人に刑事または懲戒の処分を受けさせる目的で、虚偽の告訴告発その他の申告をした者は、3月以上10年以下の懲役に処する(刑法第172条)。

https://ja.wikipedia.org/wiki/虚偽告訴等罪


常闇トワが空気感の異なるAPEXの大会(RAGE)に登場したケースで似たものを感じたが(ホロ運営は彼女が他界隈に関わらせる際に、もっと慎重になるべきであった)これからはヒップホップのダンジョンに潜ったアイドルが、バトルに負けた結果「誹謗中傷された」とファンが激怒して、対戦相手を大量通報するような「大開示時代」がくるのかもしれない。

ホロメンのいじりに関しても、切り抜きチャンネルによって微妙にコメントの空気が変わっている。不要な衝突を防ぐためにもこれからはリスナーと配信者、または関係者との信頼関係がより一層必要になると思われる。

相互の信頼に不和が生じると、まとめサイトにつけ込まれ、アフィの餌になるだけだ。不憫なことに、情報開示命令によって推しのライバーは守られる一方で、不特定多数のVリスナーをバチャ豚、ATMと叩くのはセーフなのである。


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