「絵本 龍潭譚」刊行!!
遂に泉鏡花×中川学 「絵本 龍潭譚(りゅうたんだん)」が泉鏡花の命日9月7日に刊行されました!
今から12年前の2011年8月6日、限定200部、1冊3万円の私家版、繪草子「龍潭譚」が誕生。そこから僕と泉鏡花×中川学さんとの現代の”鏡花本”制作物語がはじまり、翌年2012年10月「絵本 化鳥(けちょう)」、2017年10月「英語版 絵本 化鳥(A Bird of a Different Feather)」、2019年3月「榲桲(まるめろ)に目鼻のつく話」、そして2023年9月「絵本 龍潭譚」と、これまで5冊の鏡花本の造本、装幀担当として関わらせていただく事ができました。
1冊1冊にとても想い入れや物語がある大切な本たちです。さすがにここでは書ききれませんが、造本装幀のこだわりなどは上記のリンク先blogをご覧いただければ嬉しいです。とにかく12年で5冊もの鏡花本に関われた事が贅沢であり、ラッキーであり、それによって装幀家、小村雪岱や橋口五葉への敬意を込め、本づくりにハマり、探究心に火が付いたのです。
で、繪草子「龍潭譚」から12年経ち、ついに普及版「絵本 龍潭譚」が刊行されたのです。真空パック包装もしてません。残念ながらCDも付いてません。ですが朗報です!今回の本はなんとっ立てられます!!^^;異世界へ入ると音楽も聞こえてくるかも知れません。そしてお手頃価格です(^^)
題字は繪草子 「龍潭譚」時のものと同じ書家 上田普氏の字を採用。
今回「絵本」という文字を改めて書いていただきました。もうこの文字だけで十分書影として存在感があり潔くカッコイイのです。
まだまだ造本装幀のこだわりや苦労話など書きたいのですが、書ききれないので今回はこれくらいにします。
最後に、2010年の冬、この「龍潭譚」というお話で僕を泉鏡花の世界へ連れて行ってくださった中川学さん。奥深すぎてあれからずっと異世界を彷徨っていますが、一緒に鏡花本をつくれた事に心から感謝いたします。ありがとうございます。また同じく2010年冬に繪草子「龍潭譚」刊行の後押し、後ろ盾をしてくださった泉鏡花記念館学芸員 穴倉玉日様。今回出版にあたり編集をご担当いただいた国書刊行会 礒崎純一様。「絵本 化鳥」「海の庭」に続きご一緒できたのも感慨深いです。いつもご無理ばかり言いつつ良いカタチに着地していただけ感謝です。製本 ブックアートさん、「海の庭」に続き丁寧なお仕事で美しい本に仕上げていただきありがとうございます。他にも制作や宣伝活動等関わっていただいた多くの方々、本当にありがとうございました!!!
後はぜひ手にとって鏡花、中川さんの世界観を自由に楽しんでいただければと思います。
拝啓 今泉版画工房 今泉浄治さん。ホント感謝しきれません。
ついに普及版が出ましたよ。天国でお酒呑みながら読んでください(*^^*)