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QOLを取り戻せ! 痔との戦い〜前編

プロローグからの続き。

今回は入院当日から。


入院日の朝が来た

さて、入院日が来てしまった。
事前の説明では入院当日にいきなり手術だそうだ。

他の病院などでは

日帰り手術できます

とか書いているところもある。どこまでが本当なのか皆目わからん。術式が違うのかもしれないが、どう探してもそんなに種類はなさそうだ。きっと日帰りできても帰宅後に何かあるに違いない。

診察と前処理工程へ

受付で事務的な手続きをしたあとは、手術前の診察へ。

やや、今回は若い女医さん。先日の院長と違って指が細いので、引き裂かれるような痛みがないのは助かる(どうせこのあと切るんだけど・・・)。
ちょっと恥ずかしいが、向こうは毎日いろんな人の患部を診てるだけにとても事務的。当たり前といえば当たり前。

診察の後は前処理工程。つまりは浣腸。何故かこんな部屋で処置をされる。

なんでやねん…

このあとは病室に案内され、手術着に着替える。サウナ施設においてあるようなガウンと不織布のスケスケパンツが渡された。スケスケパンツがちょっとなんかモゾモゾして恥ずかしい。

着替えると今度は看護師さんが点滴の針を入れてくれる。

点滴の針

この針、明後日まで刺しっぱなしらしい。寝るときに邪魔になりそう。

時は・・・きた!

ナースコールで手術予定時間が告げられる。13時半頃かららしい。
と思っていたら、15分遅れるとか。早く終わってほしい・・・。

予定時間になると看護師さんに連れられて手術室へ移動する。
手術室に入ると、速攻手術着と不織布パンツを脱いで手術台に乗れと言われる。

えっ人前で脱げと?(そう思う自分がおかしい)
はい、大人しく脱ぎます。
麻酔するから腰掛けて背中を突き出せ?イテッ、腰に麻酔された。
手術台に腹這いで寝ろと。えっ何この体勢・・・。
あっ・・・足の感覚がだんだんなくなってきた。
あのースキーのジャンプ種目で飛行してるときみたいな姿勢なんですけど・・・。何このアクロバティックな手術・・・。

あ〜なんかされてる。触覚は多少あるけど、痛覚ないからよくわからない。

うわっ、デカい!

途中で執刀医の先生が手術室内のモニターで術野を見せてくれる。

ほら、ここにポリープあるんだよね〜。

おう・・・。デカい。小指の先くらいあるかも・・・。なんでこんなものが・・・。6ヶ月も我慢し続けた末路がこれか。もっと早く診てもらうんだったよ。

奥に内痔核もあるね〜。コレはジオン注射で固めようか〜2箇所注射で〜。外痔核もあるね〜。

なんかサクサクと処置されていく。さすがベテランの先生。切除するときに電気メスが肉を焼いてる匂いが手術室に充満してくる・・・なんかヤダ・・・。早く終わってほしい。

病室に帰還して・・・

そうこうしていると、手術はつつがなく終わったらしい。賞味3〜40分といったところだろうか。

切除した患部をチラッと先生が見せてくれた(切除部分は検査に回され、後日良性との結果を得た)。
下半身が麻酔で麻痺しているので歩けるわけもなく、ストレッチャーに載せられて病室へ。さっき通した点滴の針を使って早速抗生剤と栄養剤の点滴が開始される。

点滴が終わったらナースコールしてくださいね〜。スマホとかあんまり触りすぎないように。安静にしててくださいよ〜。

と、看護師さんに告げられ、点滴が落ちるのをぼんやりと眺める。
終わる頃には麻酔が切れてくるらしい。下半身は長時間正座してたときみたいな状態で感覚がない。

術後最初のトイレという試練

大体1時間くらい過ぎただろうか、点滴が完了したのでナースコールをして点滴の管を外してもらう(針はまだ残ったまま)。

最初のトイレはうまく歩けないかもしれないので必ずナースコールしてくださいね

と念押しされる。麻酔恐るべし・・・。

その後しばらくすると猛烈な尿意が襲ってくる。指示通りナースコールをして看護師さんに付き添ってもらい、病室内のトイレへ。

術後に装着されていた止血用の資材を取り外し、用を足してからナプキンに強力ポステリザン軟膏を塗布して装着する。しばらくは創傷部などから血や排液がでるらしいのでそれを受け止めるためと、軟膏の成分による傷の治りを促進するためらしい。

その後、手術着を脱いで部屋着に着替えてベッドに横になる。今日はとにかく安静に過ごせということのようだ。

ちなみに痔の手術後に使用するナプキンというのは、いわゆる女性が使っている生理用のナプキンと同じもの。なるほど〜、こういうものを毎月使われているのかとわずかながら勉強になった。

襲い来る激痛と悪夢

さらに時間が経過すると、完全に麻酔が切れる。早めに痛み止めを飲んでおいたのだが、全く効果がない。
服用間隔は5時間以上あけろということなのだが、そんな悠長なことが言えないくらいの痛みが襲ってくる。これに耐えて今夜は寝ろというのか。なんというハードモードか。
痛みの種類としては、猛烈な鈍痛。親知らずを抜いたあとの麻酔が切れたときより激しい。

出したいのに…でないっ!

痛みに耐えながら過ごしていると、再び尿意が襲ってきた。フラフラとトイレに入るが、点滴直後は出たのに今度は全く出ない。さらには麻酔の影響で貧血症状が出る始末。横になっていれば何も問題はないのに、立ったり座ったりするとたちどころに目眩がして脂汗が吹き出してくる。これはヤバい・・・。

21時の消灯前に看護師さんが見回りに来てくれたのだが、その時もたまたまトイレに篭っていた。

トイレまで行けないかもしれないから、念の為尿瓶持ってきますね。
どうにもならなかったらカテーテルで出してしまいましょうか。そのほうが楽ですよ。

と、尿瓶を持ってきてくれた。
その後も何度か自力でどうにかしようとしたのだが、どうにもならないので諦めてナースコール。これが午前1時頃。

尿道カテーテルと筋肉注射

看護師さんにお願いして尿道カテーテルで強制的に排尿してもらう。手術のときも若干羞恥プレイ感があったが、同じ日に今度は尿道カテーテルとは・・・。
看護師さん曰く、どうも500mlほど溜まっていたらしい。若干危なかったらしい。(なお、一般的な膀胱のサイズは300〜400ml程度だとか)

膀胱が張ることによる周辺筋肉の緊張も痛みに影響しているとのことで、しばらくすれば多少痛みが引いてくると言われたのだが、その前に朝が来そうな気がしてしょうがない。

というわけで強力な痛み止めを筋肉注射してもらった。睡眠薬も入っているとのことであっという間に意識が落ち、次に意識が戻った時は朝だった。薬おそるべし。何という威力か・・・。

そして幕を開ける2日目

入院前に渡された冊子には

2日目が一番きついので頑張って耐えましょう

と、書かれていた。なんてことを予告するんだ…。
正直、昨夜よりキツイのは勘弁してほしい。
こうして入院生活が本格的に始まるのだった。

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Hirokazu Nishi
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