あさがお

おはようございます。
通勤通学時間、人の塊を乗せた電車の中に私もいる
乗り込んだ時点で満席、外側を向き立つことにした
目の前には窓の向こうの景色が広がる
室内の冷房と外気温の差で少し曇った窓から見えるのは
上り坂で自転車を一生懸命に漕ぐ学生さん
線路で電車の通過を待つ人
スーツでホームに立っている人
駐車場から動き出した車
人の様子から朝を感じる中で、目に止まった
朝顔らしきお花
よくのびたつるに青みの強い紫の花が散らばる

あれは本当に朝顔だろうか？
なんと言っても電車から見たものだからそれを認識できたのはほんの一瞬
今が朝顔開花の時期なのかも知らなかった

すぐにスマホを開いて開花時期を検索
6月から10月という記事を見つけた
あれは朝顔だったのだろう

太陽が雲に隠れた日
朝を感じるのは人々の営みからのみだったが
この先数ヶ月は、植物も朝を教えてくれるようだ

朝顔といえば小学生の時に初めて育てた植物
青の植木ポットは中学生になる頃まで庭にいた
夏休みの課題として、朝顔の成長を記録した
小児喘息で動物も飼っていなかった私にとって
何かの成長を観察したのは初めてだった
申し訳程度に土から顔を出した芽
いつのまにか黄色い支柱にまきつくほど伸びたつる
一輪目が咲いた時の達成感と喜びは忘れられない

朝顔の花言葉は色によってことなるらしい
青色は「儚い恋」「短い愛」、
紫色は「冷静」「平静」、
白色は「固い絆」「あふれる喜び」
今日見たのは紫色
落ち着いてすごしなさいという助言だろうか

1日の始まり、まっさらな紙に
鮮やかな紫が滲んだ