ものづくり補助金、主題と副題について
新聞で副題を考える?
こちらの記事(↓)で、副題のことにちらっと触れました。今日は具体的にどういうことか、書いていきたいと思います。
ちなみに主題はこちら(↓)の記事。私が事業計画をまとめる時、主題には革新性を持たせています。
副題には「革新性はないけど、政府の意図を汲む取り組みを」
日本が抱えている問題はたくさんありますよね。少子化、女性管理職の割合が他国よりも低い、食料自給率が低い、地域の過疎高齢化、CO2排出規制・・・ちょっと考えただけでもこれだけ出ます。
これらの日本が抱えている問題に、どう対処していこうか?と、政治家や官僚が案を出し、法律を整えたり、制度を作ったり、予算を割いたりして、すでに動いています。
例えば、
①(課題)少子化→(取り組み)労働人口が不足するため、外国人労働者の積極的な受け入れ
②(課題)女性管理職→(取り組み)働き方改革で、労働時間の低減・有給の促進を進める。子育て中の女性でも評価されやすい土壌づくり
③(課題)食料自給率が低い→(取り組み)地産地消の推奨、6次産業の推奨(白菜そのまま売ったら100円だけど、漬物にして売ったら500円になるよね?漬物にして売るが6次産業)
④(課題)地域の過疎高齢化→(取り組み)買い物弱者のためにタクシーチケットの配布
⑤(課題)CO2排出規制→(取り組み)省電力化に取り組む企業への助成
こういう政府の取り組みが、お正月の新聞には、分かりやすく書かれています。政府の意図を知るには、お正月の新聞がピッタリなんです。
……ゴメンなさい、④のタクシーチケットは政府じゃなくて、地方自治体の取り組みですね(汗)
こんな感じで、副題には、「この事業計画は政府の取り組みに、微力ながら寄与できますよ(だから1000万くれ)」という雰囲気で書くのがお勧めです。
具体例を書くよ
革新性を書くコツで書いた(例2)を挙げてみますね。
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(例2)業種 x 取り組み
自社はちょっと珍しい取り組みを計画してるんです。小売業では珍しくないんですけど、当社のような製造業がそういう取り組みをしているのは、珍しいと思いますよ。県内ではうちだけじゃないですかね?
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広島県を代表する企業の1つに(株)イズミがあります。
ゆめタウンというショッピングセンターを経営している法人です。
㈱イズミは2000年頃から、短時間社員という制度を導入しています。
2000年頃は、ちょうど私が大学を卒業した頃です。
あの頃は、育休は子供が1才になるまで。それ以降はフルタイム。
時短という働き方をするには、パートに降格するしかなかったのです。また、放課後学童の整備も進んでいませんでしたので、実家の母や、夫の母のガッツリサポートがなければ、正社員を続けることができませんでした。
当時、多くの子育て中の女性従業員は9:00~16:00でしか働けなかったため、正社員にはなれませんでした。
その当時の最低賃金はたしか645円。働く母のお得多くはそれに近い時給でパートという選択肢しかなかった。(イズミだけじゃなく、どこの会社でも)
それを㈱イズミは、9:00~16:00で勤務する従業員も、本人の能力とやる気次第では、管理職に登用するという人事制度を整備しました。今から20年前の時代背景ではかなり革新的だと思います。
たしか、その数年後に、UNIQLOでも、地域限定社員枠での採用が始まり、転勤なしでも社員として勤務できる。結婚後も女性がキャリアを積める!と話題になった記憶があります。
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この㈱イズミの取り組みを、もし、2022年の広島県の鉄工所で実現出来たら、「革新性あり」で、ものづくり補助金の要件を満たせると思います。
他県は知りませんが、広島県の鉄工所は男性社会ですので、フルタイム社員でも、女性が管理職になっているのを聞いたことがありません。ましてやパートタイムの女性が主任や係長になるなど、”自社になく、他社でも一般的ではない、新サービス、新商品開発や新生産方式。「革新的」かどうかの判断基準は、『地域の先進事例』や、『業種内での先進事例』にあたるかどうか”を十分に満たしています。
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広島県の鉄工業は、残業対応で短納期対応をとっている企業がほとんどであり、残業ができない女性社員の管理職は珍しい。ましてや時短社員を主任や係長に登用する例は聞いたことがない。当社では、時短社員を管理職に登用できる人事制度を整えたい。そのためには慢性的な残業が必要となっている現在の生産工程の抜本的改革が必要だ。というあらすじなら、ものづくり補助金の趣旨にぴったり合います。
実はこのあらすじ、一度考えたんですが、あまりにうちの会社とかけ離れているので、逆立ちしても、かすりもしない。わが社の生産体制は残業ありきで、工作機械が1台増えたところで、何も変わらないのです。(同業他社も多分一緒)
なのでずっと忘れていたんですけど、今回の記事の例えにぴったりかなぁと、蔵から引っ張り出してきました。
■主題
時短社員(男女問わず)を、管理職に登用するための人事制度を作る。
そのために、残業ありきの生産体制を見直す必要があるため、最新型○○機械を導入して生産性を向上させる。
■副題①
時短社員という勤務形態で働くことを希望するのは女性が多い→女性管理職の割合が多くなる
■副題②
業務が属人化した状態では、時短正社員が退社後は当該業務を行える従業員がおらず、会社運営に支障をきたす。マニュアル化をすすめたり、多能工を育成することにより、業務の属人化を脱する取り組みを行う。本事業で導入予定の設備は、直感的な操作ができるよう設計されているため、多能工の育成が可能となる。
このように、業務を俗人化させないことにより、任期の短い外国人技能実習生の受け入れも業務に支障をきたさずに取り組めるようになる。
■副題③
本事業で導入予定の○○機械は、主力モーターにxxx機能を搭載しており、従来の機械よりも20%の省電力での生産が可能となる。
本事業での取り組みで設備を導入する設備の選定において、省電力の機種を選定し、若干でもSDGsの実現に寄与したいと考えている。
(う~ん、無理やり感がでてますね。でも、もし、SDGsが審査項目に入っているなら、無理やり感があっても書いておいた方が良いですよ。余計なことを書いて減点ということはないですので。)
まとめるよ
副題②が分かりやすいですかね?
広島県の鉄工業において、外国人技能実習生は、珍しくも何ともありません。むしろ日本人で従事している人数よりも、外国人の人数のほうが多いかもしれません。
なので、革新性はないんですけど、日本政府の政策に沿っている。こういうのを2~3個絡ませれば、審査項目にある 政策面に沿っているか?を満たせると思います。
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