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映画:ノック 終末の訪問者
公開が4月7日からで、随分出遅れてしまったが「ノック 終末の訪問者」をやっと観てきた。
原題は「Knock at the Cavin」。どちらかというと原題のほうがシンプルで好き。
M・ナイト・シャマラン監督作品は「サイン」以降、必ず映画館で観ないといけない呪いのようなものにかかっているので今回も例外なく観に行けたのは本当によかった。
あらすじは、とある町外れの湖畔の小屋に住むゲイカップルのエリックとアンドリュー、そしてその養子のウェンの3人家族の住む小屋に4人の狂気じみた訪問者が訪れ、誰か1人が犠牲にならないと世界が滅ぶという選択を迫られる、というもの。
バッタを捕まえて会話するだけのもの静かなスタートが逆に恐ろしかったが、これといったドン!バン!系の脅かしもなく、淡々と物語が進んでいく。
シャマラン作品ならではのこのあとどうなるんだろうという探り合いのようなものを楽しみながら、話はいよいよ展開を迎え、血飛沫があがる。
ニュース映像が流れるなか、その映像はどこから手に入れた?という若干の揚げ足のようなものを感じながらも(きっとクラウドにあるデータを取ったんだろうな)、また1人と犠牲者が出ていく。
ここからがシャマランの面白いなと思うところで、これが本当にオカルトじみた超常現象であるのか、それとも訪問者たちの何か裏の意図がある行動(ただのオカルト的なもの)なのかどっちなんだい!ときんにくんばりの揺さぶりをかけてくるのだった。4人組の1人が知り合いであったり、掲示板というワードや起きている事象が既に起きたものに対しての提示でしかない部分であることはすごい上手い演出だなと。
幾度とシャマランのサプライズの読み解きにチャレンジしてきたので乗ってあげようじゃないか、その問題に、という感覚である。
随分とその真相を見つけようと観ていたせいもあってか、あっという間に終盤を迎え、まぁ、まさかそっちの答えだったとはね。という感じで終幕となる。
映画を観た後にみんなはどうだったんだろうとレビューを観るのだが、そこでは見事な賛否両論。しかもこの映画は原作「The Cavin at the End of the World」があることを知った。
突然の理不尽な選択、そんなものは多々あるが、その選択が与える影響が事前に提示され、それに伴う犠牲を払う必要があるというのはなんて酷なことだろうか。
本作でいえば、ゲイカップルであることを認め、さらに養子をとるという選択をしてきた彼らだが、少し気になったのはなぜ彼らがヴィジョンに映し出されたのか、神のみぞ知るという部分に大事な核を任せてしまっているのもあって、OLDのような極限状態での人間模様や、その中で繋がれる絆の部分が少し薄く見えてしまった。もちろん家族愛も描いているので全くないわけではない。
結果で言ってしまえば、シンプルでそこまで大きな謎もサプライズ的な要素もなく、シャマラン映画としては少し物足りない感じでした。
物足りないといえば、監督もちょっと出演が物足りない感じもしました!OLDの時の出演分が精算された?笑
物足りないとは言っても、物語中盤はドキドキして楽しめるし、個人的に飛行機が落ちていくシーンが非日常的でとても好きなので、鑑賞はおすすめしたいです。とはいえもう劇場でやってるところ少なさそうだけど。
次回作ももちろん映画館に観にいきます。