89.ラマダン期間をイスラム圏で過ごして感じたこと
(難病のわが子に支援を募る街頭の募金箱(真偽不明)。ラマダン中は善行が奨励される)
4月9日に、ラマダン期間が終わりました。
イスラム圏で過ごすのは初めてだったので、感想とメモを残します。
【ラマダン期間中】
・普段からカフェにたむろしている大人たちは、店が閉まるため道端の日陰に場所を変える。ラマダンは喫煙も禁止なので、日中の空気は良い。
→ニコチン中毒に信仰心が勝る⁉️耐えきれず、隠れて吸っている人は居ないのだろうか。
・ラマダンしてる?と何名かに聞かれた。「難しくて諦めた」とだけ答えたが、ムスリムではないので聞かない・求めないで欲しいところ。。
→何と答えるのがよいのだろうか。
・この時期、別れのあいさつは「シェイエ・タイバ」(=Bon appétit)スーパーや市場はいつも通り賑わっている。
→“飯テロ”で空腹が辛くならないのだろうか。
・ムスリム全員が断食している訳ではない。子どもや高齢者、持病がある人などは対象外。「やらない」と堂々と言っている青少年も居た。
→やらないムスリムが周囲から咎められる訳ではない。普段から、女性でヒジャブを着けない人も、何も言われない。個人の意思が尊重され、同調圧力がないのは良いと思う。
・午後になると通りが閑散とする。日没が近づくにつれ街は人出が増える。夜は遅くまで騒ぎ、朝は夜明け前に起きて飲食、その後二度寝。
→かなりの人の生活リズムが乱れている…「健康に良い」と認知されていたが、やり方を気をつけないと逆効果な気がする。
・大家さんの商店はいつも以上に変則的。二度寝から起きた時間が開店時刻で、毎日変わる。
→普段は休みの金曜も、時短で営業していた。本当に勤勉。
・特に子どもたちは、ラマダン後の新しい始まりを迎えるため、衣類や小物などを新調する。市場も通常より賑わっていた。
・日中30度近くになる日が何日もあった。熱中症が心配だが、周囲は「夏よりはるかにマシ」という反応。「料理しなくて良い」「間食が抑えられる」と、職場の女性達は肯定的に捉えていた。
・日没と飲食解禁を告げるのは大砲の轟音で、聞くたびにびっくりする。最後まで慣れなかった。。夜のコーランの読誦も普段より長く、21時以降まで続いた。
※夜間外出はできないため、写真のみ。賑わう夜の町角。
【ラマダン後の祝日(ライード)】
・ラマダン明けの三日間は「ライード」(イード・アル・フィトル)と呼ばれる祝日。配属先も休みとなった。
→これだけの連休は配属後初めて。年末年始は元旦だけだった。ライードの初日は、朝5:30前から特別な祈祷が流れた。
・ライード初日は、カフェを除きほぼ全ての店舗が閉まる。翌日も半分ほど閉まっている。この期間は、家族で過ごすのが伝統のようだ。
→挨拶は「イード・ムバーラク(またはマブルーク)」(イードおめでとう)元旦のような雰囲気がある。
・新しい衣類で着飾り、写真スタジオで撮影する家族が大勢居た。
・警戒していたテロや大事件は、国内では発生せず。ひとまず安堵…