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なぜ4年前Asanaを選んだのか - ハーバード生の就活事情

Asanaは先日、ミッションの達成に向かって大きなステップを踏みました。

そんなAsanaに私が入社したのは4年前のこと。入社した当時、特に日本の友人からは「アサ?なんでそんなところに行ったの?」などとよく聞かれていました。Google本社からも内定が出ていて、なおAsanaを選んだと言うと大層驚かれたものです。

今回のnoteでは、就活の際私が考えていた事を3点に整理してご説明しながら、最終的に私がどのようにAsanaを選んだかについてお伝えします。

1.戦えるエンジニアになりたかった

就活開始直前まで、私はどこでも戦える、イケてるエンジニアだと思い込んでいました。

ハーバードでコンピューターサイエンスを学んでいたというのもありますし、2年生の夏、Googleでのインターン経験を積んでいたというのもあります。

しかし3年生の夏、私のプライドはPalantirという会社でのインターンで打ち砕かれることになります。

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<図1>学期とインターンの時間軸

Palantirは顧客と契約を結び、ビッグデータの解析を代行する会社。ペイパルを作ったピーターティールがファウンダーということもあってか、当時はハーバードの中でもそこで働くと、周りに一目置かれる会社でした。

私はPalantir史上初の日本クライアントのチームに参画。バイリンガルエンジニアとして周りにめちゃくちゃ期待されていました。しかし、自分の技術力ではエンジニアとして全く使いものにならないという現実に直面します。3ヶ月のインターンシップの最後まで、メンターに手取り足取り教えてもらわないと仕事がままなりませんでした。

世界トップレベルのエンジニアたちがめちゃくちゃ忙しくしている中、私は明らかに彼らの仕事を増やしており、辛かったです。インターン最終日会議室に呼ばれ、フルタイムの内定は出さないとマネージャーに伝えられました。クビを切られるというのは似たような感覚なのでしょうか。もう味わいたくない感覚です。

また、エンジニアとしてやっていくには実践と経験が大事なのであって、ハーバードで理論を学んでいるだけではだめなことに、この時ようやく気付きました。というのも、同じチームに配属されたインド人のインターンは、私を尻目にちゃんと仕事をしていたんです。

彼が通っていたのは、カナダのWaterloo大学。ここのコンピューターサイエンス学科はシリコンバレーだとかなり有名です。卒業まで5年かかる代わりに、在学中に延べ2年間インターンで実務経験を積ませるという、徹底した職業訓練志向。大学の過ごし方、本当にそれでいいのかという議論はありますが、ここのインターン生・新卒は総じて戦闘力がかなり高いです。(そんなインド人の彼でさえ、Palantirからはフルタイムの内定が出なかったのですが・・・)

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<図2>カナダっぽい画像

とにかく、もっと経験を積んで、もっと戦えるエンジニアになりたい。その思いを胸に、私の夏が終わりました。

2. 戦えるエンジニアになるために「小さめかつ優秀な人がいる」会社に行きたかった

大学に戻った後、どうすればエンジニアとして成長できるかについて聞いて回りました。結果、多くの人がくれたアドバイスが「小さめかつ優秀な人がいる場所で学べ」でした。中でも尊敬していた先輩(プログラマーとして一稼ぎし、今は仕事をやめて世界を放浪中)は、製品作りをケーキを作りにたとえて、以下のような話をしてくれました:

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小さなケーキ屋さんに就職すれば、スポンジも焼くし、クリームも塗るし、デコレーションもする。つまり、ケーキ作りを学べる。でも大きいケーキ工場に勤めると、その一部分(例えばイチゴ乗せ)を延々やることになる。そして恐ろしい事に、イチゴを何年も乗せ続けていると、本当はイチゴ乗せが上手になっているだけなのに、多くの人はケーキ作りが上達していると錯覚してしまうのだ、と。

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私はこの話にとても納得しました。2年生の夏Googleでやらせてもらえたのは、とあるAndroidアプリの設定画面の見た目の部分だけを作る、言ってしまえばイチゴを乗せるような作業。それだけで、自分はエンジニアとして経験を積めている・イケている、と見当違いも甚だしい思い込みをしていました。そして3年生の夏、Palantirで求められたのは、データベース、ネットワーク、バックエンド、フロントエンド等サービスに関わる全部を、お客さんと話しながら改善すること。全く貢献できなかったのは、いわば必然でした。

小さめの会社へ、というアドバイスを胸に私は就活を開始。そんな時にレーダーに引っかかってきたのが、Asanaという会社でした。

3. Asanaに感銘を受けた

きっかけは、一年生の頃からのルームメイトです。以前のnoteでも登場している彼は、課題を授業中に終わらせて教授を困らせたり、大学を3年で卒業してスタートアップに行ったりと、私の度肝を抜き続けていました。

そんな彼が、以前インターンをしていた会社がAsanaでした。彼の紹介でリクルーターにつないでもらい、面接を受けることに。

後から聞いたことですが、Asanaのその年の新卒枠10人は既に埋まっていました。そこに、その前年めちゃくちゃ活躍したインターンが私の履歴書を送ってきたので、一応面接してみようという事だったようです。私が面接でそれなりの結果を出してしまったので、計画を変更して11人目として私を採用すべきか、内部で相当議論があったようです。

無事内定が出た後、リクルーターがファウンダーに合わせてくれると言うので、Asanaのオフィスに遊びに行きました。

私が会ったのは、二人いるAsanaファウンダーのうちのJustin Rosenstienという方。会議室で待っていると、30過ぎのひげもじゃのお兄さんが入ってきました。その時彼はなぜか靴を履いておらず、靴下で入ってきたのがとても印象的でした。

彼は初期のFacebook社員として、いいねボタンを開発するなど多くの実績をあげていました。彼がFacebookをやめてAsanaを立ち上げた思いをとうとうと語ってくれます。教育、医療、環境問題、色んな分野での起業が考えられた。しかし一つ気づいたのは、どんな分野でのイノベーションも、優秀な人が集まっておこるのだと言う事。Asanaで、世界中の人々のチームワークを助ける。それにより、人類の豊かな未来に貢献する。熱のこもった彼の言葉に、私は圧倒されました。

ファウンダーと話した後、一緒に仕事をすることになるエンジニアの人たちとも話をさせてもらいました。他の会社とも迷っているんだ、と言うとこう言われます:”Do those companies have interesting missions?”(それらの会社のミッションは面白いの?)。

恥ずかしながら、それまでのインターンや就活を通して、自分の会社のミッションというのを考えたことがありませんでした。他の会社のどの面接官も、どのリクルーターも、その点について話してきませんでした。「その会社のミッションは面白いの?」この一言が数週間私の頭の中でぐるぐる回り続けます。

小さい場所で学びたいという思いに加えて、どうせ働くなら、壮大なミッションに貢献したいという思いが重なりました。これが決め手になり、最終的にAsanaを選びました。

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読んで頂き誠にありがとうございます。また、ここまでAsanaを支えてきて下さったユーザー様・パートナーの皆様に、心から感謝申し上げます。これからもミッションの達成に向けて、日々邁進していければと思っております。今後ともご支援ご鞭撻のほどを何卒どうぞ宜しくお願い申し上げます。

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