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“貞子”が私の人生を決めた。名作SFサスペンス「らせん」の紹介

もし「あなたの人生を変えた映画は?」と聞かれたら、私は真っ先に映画「らせん」を挙げます。1998年に一世を風靡した超有名ホラー映画「リング」と同時上映された映画です。

今では話題に上ることも少なくなりましたが、自信を持ってお勧めできる大好きな作品です。今回は映画「らせん」が「如何にして、私の人生を”決めた”のか?」について書くので、お付き合い頂けると幸いです。

映画「らせん」のあらすじ

(C)1998年「リング」「らせん」製作委員会
東京都監察医の安藤満男は、不注意から我が子を死なせた自責に苛まれる日々を過ごしていた。ある日、彼は変死した友人・高山竜司の解剖を担当する。死因は、心臓近くの冠動脈に発生した肉腫によって、血流が停止したことによる心不全。解剖が終わり、安藤は胃の内容物に「不審な物」が混ざっていると報告を受ける。その紙片には、暗号らしき数列が書かれていた。
引用:Wikipedia らせん (鈴木光司の小説)

… これが、ほんの触りの部分です。この不気味なサスペンス感がまずたまりません(笑)。

全体的には、前作「リング」で起きた事象の謎解きパートというのが、この作品の立ち位置です。Wikipediaのあらすじ部分にストーリーが全て書いてありますので、是非読んでみてください。

心を打たれたセリフ


この映画は全体的に私の好きな要素が多いのですが、その中でも私が最も心を打たれたシーンがあります。それは、ストーリー終盤で山村貞子(中谷美紀さん)が、主人公の安藤(佐藤浩市さん)に対し以下のセリフを言うシーンです。

貞子「自分に何が起きるかなんて誰にも分からない。ただ私は伝えたかった。
安藤「何を?」
貞子「私が味わってきた恐怖…
(C)1998年「リング」「らせん」製作委員会

この「伝えたかった」という思いが、山村貞子の唯一の行動原理です。「呪いのビデオ」という現象がなぜ起きたのかを一発で納得させる、非常に力強い言葉でした。

「リング」を観た直後にあらすじも読まずに観たのですが、頭を殴られたかのような衝撃を受けました。是非、何も予習をせずに観て頂きたい部分です。

山村貞子の悲惨な人生

重要なので、ここで少し上記のセリフの意味を解説させて下さい。

「リング」や「らせん」では、山村貞子はその特異な能力ゆえ悲惨な人生を送ったという設定になっています。人々に迫害された挙句、実の父親に殺害されあの有名な井戸に落ちるという最後を迎えます。

自ら望んだ訳でもない特異な能力を持って生まれ、そのせいで恐怖に怯えながら生きて悲しい最後を遂げる。救いが全くない残酷な人生です。

人生で味わった恐怖を「伝える」ために、「呪いのビデオ」に端を発する一連の事件を起こすことになります。

私がライターを志した理由

(C)1998年「リング」「らせん」製作委員会

「らせん」は文字通り、「私の人生を”決めた”」映画です。貞子の「ただ私は伝えたかった。」という言葉が、私がライターを志した理由です。

貞子の純粋な「伝えたかった」という思いに、私は強く心を動かされました。そして私も、自分の思いを伝えたい、と感じるようになりました。

私は20代前半にこの作品に出会いましたが、その当時、私はいわゆる”人生のどん底”にいました。不運が重なり努力が何一つ実らない、非常に辛い時期でした。その時にこの映画に出会い、貞子の「呪いのビデオ」を生み出してしまうほど強い「伝えたい」という思いに強い共感を覚えました。

この「伝えたい」を実現するための仕事を選択したというのが、私が現在ライターとしての仕事をしている経緯です。山村貞子は、私の人生の方向性を決めてくれたのでした。

お勧めします。

映画レビューなどは普段は書きませんが、映画「らせん」は私の人生に影響を与えた映画であり、ぜひ書いておきたかったので今回語らせていただきました。

貞子と自分の人生を重ね合わせることができるというのが大きい魅力なのですが、この「らせん」という映画はそれ以外にもたくさんの魅力があります。簡単に記しておきますと

  • 「ホラー」の皮を被った「SFサスペンス」

  • 謎多き映画「リング」の謎が解ける満足感

  • 伏線回収など、サスペンスとしてのクオリティ

  • 出演する豪華俳優陣

…などなど、それ以外の魅力だけでもう1記事書けるほど、ここには書ききれない要素がたくさん詰まっている紛れもない名作です。いずれ続編を書きたいと思います。

視聴した結果、私と同じように「貞子に共感」できるかは分かりませんが、SFサスペンス映画としてのクオリティだけでも一見の価値がある作品です。HuluU-NEXTAmazon PrimedTV で視聴可能です。満足できる作品だと思いますので、ぜひご視聴ください。


引用:
(C)1998年「リング」「らせん」製作委員会
Wikipedia らせん (鈴木光司の小説)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%89%E3%81%9B%E3%82%93_(%E9%88%B4%E6%9C%A8%E5%85%89%E5%8F%B8%E3%81%AE%E5%B0%8F%E8%AA%AC)

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