チベット記(3) 主なきポタラに棲む僧侶たち 【世界旅行記033】
2012年9月5日(水) チベット ラサ
いよいよポタラ宮に入るときがやってきた。あのポタラ宮の前にいま自分はいて、これからそのなかに入るのだと思うと、なんとも感慨深い。いまから7年前、わたしをチベットに結びつけた、ある出来事を思い起こす。
当時、学生だったわたしは新宿の本屋でアルバイトをしていた。そこに、1人の中年男性客がやってきた。ダライ・ラマの『Freedom in Exile』を探しているという。在庫を探しているあいだ、彼はしゃべり続けた。中国がいかにチベットで大