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Travel 03. 香港から成都を経てチベットへ

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Travelife Log 2012-2013|妻と合流して、世界旅行が本格的にはじまった。チベットへ向かう列車のなかで、『ダライ・ラマ自伝』を7年ぶりに読み返した。本で読んだ場…
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#ダライ・ラマ

チベット記(3) 主なきポタラに棲む僧侶たち 【世界旅行記033】

2012年9月5日(水) チベット ラサ いよいよポタラ宮に入るときがやってきた。あのポタラ宮の前にいま自分はいて、これからそのなかに入るのだと思うと、なんとも感慨深い。いまから7年前、わたしをチベットに結びつけた、ある出来事を思い起こす。 当時、学生だったわたしは新宿の本屋でアルバイトをしていた。そこに、1人の中年男性客がやってきた。ダライ・ラマの『Freedom in Exile』を探しているという。在庫を探しているあいだ、彼はしゃべり続けた。中国がいかにチベットで大

チベット記(1) 夏の離宮に思いを馳せて 【世界旅行記031】

2012年9月1日(土)〜3日(月) 中国 成都 → チベット ラサ(青蔵鉄道) ラサ最初の観光地は、ノルブリンカである。もっとも有名なポタラ宮は完全予約制で、翌日の入場しかできない(入場時間まで指定される)。そこで、まずポタラ宮のチケットオフィスで翌日の予約票を入手し、それから西へ少し離れたノルブリンカへと向かった。 ノルブリンカは、ダライ・ラマの夏の離宮である。寒い時期はポタラ宮で過ごし、暑くなるとノルブリンカで過ごす、これが7世以降の歴代ダライ・ラマの習慣になってい