しんどかったADHD3
僕が突発性難聴になったすぐ後のこと。
2年目になった僕は課内の新しいプロジェクトに回された。
それまで、一年目が行う課内の調整業務からは早く抜けたいと
言っていたので、希望に叶う移動ではあったものの、
嬉しいかと聞かれれば、悲しかった。
通常、僕のいる職場では、
一年目は上司とともに、課内の取りまとめを行い
2年目も同じポジションで後輩を育てる。
仕事の内容は、課長の予定やプロジェクトの進捗を管理したり、
回ってきた仕事を課内のメンバーに仕上げてもらうようにお願いし、
関係部署と交渉を行うことだ。
しかし、適性がないと判断された僕は、
取りまとめ役を御免になり、
新しいプロジェクトへと一人でアサインされた。
僕のことを考えてのことであるとわかるものの、
自分が平均の仕事ができていないことが
目に見える形で現れてくるのがまるで
無言のプレッシャーのようでキツかった。
それから、僕はそれまで仕事の代わりに
一人で会議の準備を進めるという仕事につくことになった。
業務量自体は非常に楽になったが、
座っている空間自体が変わる訳ではない。
昨日まで、一緒のチームだった上司たちが
忙しそうにやりとりをしている中で
一人黙々と会議室を抑え
関係者に招待の案内を送り準備物を揃える仕事は
僕に十分すぎるほどの疎外感と焦りを与えていた。