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元男性保育士が教える【保育士の楽しい働き方】

保育現場や教育現場で働く男性の皆さん、こんにちは。

元男性保育士のナイスと申します。

僕は元男性保育士、そして2人の子どもの父親として子育てや保育について発信する活動中です。元保育士なので、現在保育や幼児教育の現場で頑張っている皆さんを心から応援し、何か力になりたいと思っています。

今は保育士が大変な職業であることはよく知られていますが、いまだに保育士は子どもと遊んでいればよいだけの楽な仕事だと思っている人もいるのです。そして、大変な思いをしながら頑張っている保育士さんも大勢いますが、中には保育士という職業を心から楽しんでいる人もいます。両者の違いはなんでしょう?

保育士は決して楽な仕事ではありませんが、それ以上に楽しさや喜びがたくさんある仕事です。そのバランスが崩れ、楽しさや喜びよりも大変さや辛さが多くなると、心身の不調や離職につながってしまいます。せっかく夢や希望をもって素晴らしい保育士の仕事に就いた皆さんが毎日笑顔で過ごせるよう、保育士が楽しく働ける方法を提案したいと思います。

目次


 

2.保育士の有意義な時間の使い方

うまく時間を使えれば気持ちの余裕がもてて、子ども達と過ごす時間がより楽しくなります。そして、プライベートの時間も充実でき、仕事にも前向きに取り組めるよい循環ができるのです。

①なぜ保育士は時間に追われるのか?

園によって違いはありますが、一般的に保育士の仕事量はとても多いです。基本的に、日中は子ども達と一緒に過ごします。休み時間は教師が教室を離れ子ども達だけで過ごす小学校や中学校とは違い、0歳児から5歳児まで在籍している保育園やこども園は保育士が子ども達の元を離れるということはあり得ません。必ず複数の保育士(大人)が、常時子ども達と一緒に過ごさなければなりません。中には、なかなかトイレに行く時間もないという人もいるでしょう。

午睡中は少し手が空くので交替で休憩をしたり事務仕事をしたりできますが、子ども達が寝ている間も必ずそばについて呼吸の確認などをしなければなりません。しかし、保育士は指導計画や経過記録などの書類の作成、保護者への配布物の作成や子ども達の制作物の下準備や仕上げ、行事の準備、保護者への連絡帳の記入、園内外の環境整備などやることは山積みです。8時間の勤務時間のほとんどを子ども達と過ごし、夕方子ども達が降園した後には事務仕事などができますが、たった1時間や1時間半では全ての仕事を片付けることは不可能でしょう。そして、保育園は11時間とか12時間、あるいはそれ以上の長時間保育をしているため、早番や遅番などシフト制で勤務する園が多くあります。早番は子ども達が降園すると同時に勤務終了、遅番は延長保育に入るため事務仕事をする時間がほとんどありません。

 

したがって、毎日のように残業をしたり仕事を家に持ち帰ったりしている保育士が多いのです。残業が多くても手当がしっかりと支給されればまだよいですが、日々残業した分の手当てが全て支給されるという園は少ないでしょう。何より長時間労働をしていると、健康面が心配です。

②保育士の残業を減らす方法

・時間を決める

日中は子ども達の保育を全力で頑張って、夕方いざ事務仕事をしようと机に向かってもやる気が出ないときはありませんか?人間の集中力や頑張れる力には限りがあるので、1日中ずっと緊張や集中し続けるのは無理です。子ども達は帰った後は、無事に1日を過ごせた安堵感からだらけてしまうのも無理はありません。しかし、そのままついダラダラと仕事をしていても要領が悪く、時間は無駄に過ぎてしまいます。


そのため、1つ1つの仕事の予定時間を決めましょう。たとえば、退勤時間を決めて、それまでに終わらせる仕事を決めるのです。もちろん予定通りにいかないこともありますが、18時になったら途中でも切り上げて帰ることに徹底します。また、「クラスだよりを1時間、制作物の下準備を2時間」など、1つ1つの時間の予定時間を決めましょう。時間が決まっていないと延々とやり続けてしまいがちですが、目標時間を決めることで時間内に終わらせようと集中して取り組めます。

 

・To Doリストを活用する

保育士は仕事量が多く、複数の仕事を同時進行でやらなければならないこともよくあります。やらなければいけない仕事をうっかりしていて、気付いたときには期日の前日で、終わるまで帰れず遅くまで残業してしまったという経験はありませんか?まだまだ時間があると思って先延ばしにしたために間際になって慌てたり、日々やっておけばなんてことのない仕事を溜めてしまったために大変な思いをしたりという人もいるのではないでしょうか。

計画を立ててコツコツ仕事を進める習慣が身に付けば、上手く時間を使えるようになります。そのために、To Doリストの活用は効果的です。やらなければならないことが明確であれば、時間の見通しを立てることもでき、仕事の優先順位も一目でわかります。「優先度の高い順番に書く」「色分けする」などの方法も有効です。「1日ごと」「週ごと」「月ごと」などそれぞれの期間でTo Doリストを作り、チェックしながら仕事を進めていきましょう。1つ1つチックしながら仕事をすると、達成感も感じやすいのでおすすめです。

・ほかの人の仕事を手伝う

「自分の仕事だけで手いっぱいなのに、ほかの人の仕事まで手伝っていたら尚更帰る時間が遅くなる」と思う人もいるでしょう。もちろん、毎日ほかの仕事を手伝う必要はありません。余裕があるときだけでよいのです。自分の仕事が早く終わっても、先輩や同僚の仕事が終わっていないと帰りづらいと思った経験はありませんか?自分の仕事が早く終わり、余裕があるときにほかの人の仕事を手伝えば、みんなが早く帰ることができます。そして、あなたが仕事をたくさん抱えて大変な思いをしているときには、反対に手伝ってもらえるかもしれません。

もちろん、自分の仕事が終わっていれば周りを気にせず帰っても問題はありません。しかし、「自分は早く帰りたいのにみんなが残業をしているから帰りづらい」という人は、ぜひ実践してみてください。「早く帰りたいのにどうしてみんな帰らないの!?」と不満に思っているだけでは変わりませんが、あなたがテキパキと仕事をして早く帰ったり、周りの人を手伝ったりするようにしていると、周りの人も影響されて効率的に仕事をし、早く帰る職場に変わるかもしれません。

 

3.保育士の職場での人間関係

保育士に限らず、職場での人間関係は非常に重要な問題。仕事がハードでも人間関係がよければ頑張れるという人が多くいる反面、仕事は好きだけど人間関係は辛いために退職や転職をしてしまう人も大勢います。自分1人では人間関係をよくすることは難しいですが、1人の小さな行動がよいきっけかになることもあります。



①保育士が働く環境

園によって規模は違うため職員の人数が多い園もあれば少ない園もありますが、人数が多くても仲良く和気あいあいと仕事ができている園もあります。しかし、人数が少なくても仲があまりよくないという園もあるでしょう。

誰でも気が合う人と気が合わない人がいますが、 気が合わない相手でも職場の同僚だと割り切って表面上は仲良くしながら穏やかに過ごしている人も多いでしょう。しかし、中には陰で悪口を言われたり挨拶をしても無視をされたりなど、嫌な思いをした経験がある人はたくさんいます。


年齢や園児数によって担任数は異なりますが、保育園やこども園のクラスは複数担任です。1年間は同じメンバーでチームを組んでクラス運営を行うため、仲良く仕事できることが1番です。(ただし、仕事なので友だちのように仲良くなりすぎるとよくない面が出ることもあるので、注意が必要です。)しかし、1日のほとんどを一緒に仕事をする相手と仲良くできないと毎日気が重く、子ども達にもよくない影響が出てしまいます。

クラス担任が3人以上いれば、同じクラス内に気が合わない人が1人いても、ほかの人達が間に入ってカバーしてもらえるでしょう。しかし、気が合わない人と2人担任になってしまうと、険悪な雰囲気から逃れられません。また、同じクラスになるまでは仲が良かったのに、同じクラスになったらお互いの保育観や仕事のやり方の違いに気付き、仲が悪くなってしまうというケースもあります。

そして、クラス担任は1年間我慢できればよいのですが、園長や主任など管理職が厳しすぎたり睨まれたりしてしまうと、何年も大変な思いをしなければなりません。上司とうまくいかないと、一生懸命に頑張っても評価されず、辛い思いをするでしょう。


②保育士が職場の人間関係をよくする方法

職場の人間関係が悪化してしまった場合、関係の改善を図ることは簡単ではありません。しかし、人間関係がよくない職場で働くことは苦痛以外の何物でもありません。少しずつでも改善するための方法を5つ紹介します。



・自分から挨拶をする

挨拶は人間関係の基本です。いつでも、誰に対しても変わらず、自分から明るい挨拶を心掛けましょう。しかし、子ども達のお手本にならなければいけない保育士の中にも、気が合わない人には挨拶をしなかったり挨拶をされても無視をしたりする人がいます。「どうせ挨拶をしても無視されるから」と思って挨拶をしなくなってしまっては、その人と同じです。

挨拶は人間関係の基本なので、いくら無視をされたとしても自分から明るい挨拶を心掛けましょう。無視をされたら悲しい気持ちになりますが、挨拶ができない人は「可哀そうな人」だと思って、誰にも負けない挨拶を実践し続けてください。必ず周りの評価が上がり、もしかしたら挨拶をしない相手の気持ちも動かせるかもしれません。

・誰に対しても同じ態度で接する

職員全員と仲良くできることが理想ですが、職場の中にどうしても苦手な人がいることもあるでしょう。仲良くなれない人がいた場合、自分の好きな人や仲が良い人と仲が良くない人とで接する態度を変える人がいます。もし、職場に苦手な人がいても、表情や態度に出さず、ほかの人と同じように接しましょう。

態度に出してしまうと、相手との距離は近づくことはなくますます離れてしまいます。相手によって態度を変える様子は、周りから見ていても気分の良いものではなく、あなたの評価を下げてしまうでしょう。

・気配り、心配りを心掛ける

園長や主任など上司からあまりよく思われていない場合は、仕事に関して努力が足りなかったりミスが多かったりして低く評価されている可能性があります。もし自分自身に改善の余地が思うなら、認めてもらえることを目標にして前向きに努力することが必要です。努力すると同時に、気配りや心配りを意識しましょう。保育士には気配り・心配りが大切です。上司に媚びを売るわけではなく、保育士として必要な気配り・心配りを身につける意味でも、上司の様子をよく見ながら気持ちを推しはかることができるよう心掛けましょう。


上司からの評価が上がるとともに、あなた自身の大きなスキルにつながるでしょう。しかし、人間的な好き嫌いで不当な評価を受けている場合もあります。自分に非がないのにパワハラのような言動や行動を受けていると感じるなら上司自身に問題があるのです。「周囲の人に相談する」「万が一のためにパワハラを受けた証拠を残しておく」など早めに対処しましょう。


・自分からコミュニケーションを図る

誤解やお互いの理解不足などにより、人間関係がこじれるケースもあります。その場合は、お互いに腹を割って話すことで分かり合える場合もあるでしょう。しかし、話し合いで正直に思いを伝えても必ず分かり合えるとは限らず、かえってこじれてしまうこともあります。話し合いは慎重に行いましょう。

しかし、相手が苦手だからと言って日常のコミュニケーションを怠ると、ずっと分かり合えないままです。クラス担任や行事の担当など一緒に仕事をする相手とはしっかりと意思の疎通をして、気持ちや足並みを合わせて仕事をしなければなりません。挨拶だけではなく些細なことでも自分から話しかけ、コミュニケーションを取るように心掛けましょう。

一緒に仕事をするまでは苦手に感じていた相手と、一緒に仕事したことをきっかけに仲良くなれるかもしれません。苦手な相手にこそ、心を開くように努力しましょう。

・周りの人に相談する

相手がいないところでその人の話をするのは、悪口だと取られることもあります。しかし、相手を悪く言うのではなく人間関係をよくしたいとの思いで周囲の人に相談し、話を聴いてもらったりアドバイスを受けたりするとよいでしょう。人間関係に限らず、悩んでいるときは話を聴いてもらうだけで気持ちが軽くなったり解決策が見つかったりする場合もあります。


同僚や先輩、上司など、職場内に相談できる相手がいることが望ましいですが、もし園内に相談できそうな人がいなければ、家族や友だち相談相手になってもらいましょう。1人で抱え込まないようにしてください。


まとめ

職場の人間関係は大切です。保育はチームでするものなので職員の人間関係がよい園は働きやすく、子ども達にとってもよい環境であることは間違いありません。残業や仕事の持ち帰りが当たり前になっている園では、若い保育士は帰りづらいと感じるものです。その環境を変えたくても、自分1人ではなかなか声を挙げづらいでしょう。しかし、時間を有効に使って仕事を片付けるあなたの姿が、周りの人達によい影響を与えられるかもしれません。

 

そして、保育士が職場の人間関係をよくするための方法の中から、できそうなものだけでもぜひ実践してみてください。少しずつ人間関係が改善され、快適な環境で仕事ができるようになることを祈っています。しかし、どうしても改善できない場合は、無理をせず転職や退職も視野に入れて検討することをおすすめします。ほかにも園はたくさんあるので、もっとよい園に巡り合えるはずです。あなた自身にとって最善の環境で大好きな保育の仕事ができることを、応援しています。

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