差異がプラス、同一性がマイナス
そこで、差異がプラス、同一性がマイナスという価値観があったとしての話だが(それは現に、一部の間にある)、マイナスの価値観というものはないので、それらの価値の、正の領域での上下を問うことになる。そこでの比較は、正の領域、負の領域での比較ではなく、正の領域での上下関係における比較だろう。こうして差異と同一性との数量的(数値的)な比較を試みる準備の一端が整った。あとは、何に関する数量(数値)を問題にするかを決めれば良い。のぞむらくは、○○に関する差異の数量(数値)と、○○に関する同一性の数量、と形を整えて比較したい。
最初に、同一性がいくつあるかということ。一つの事物、一つの比較については、同一性は一つしかないと考えられる。だから直裁的には、複数の事物の同一性を考えることになる。
一方で、差異がいくつあるかということ。これは複雑な問題とも思えるが、ここでは単純に、「複数の事物の間で差異がいくつあるか」と考える。そうすると、一つの事物に幾つの差異が許されるか、と考えなければならなくなる。(続く)