ドゥルーズ「差異と反復」 ブックレヴュー1
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一義性の哲学によってプラトン以来の哲学を根底から覆し、永遠回帰へと開かれた不滅の名著。
哲学ちゃん
「差異」とは「異なっている状態」のことです。差異の反対は「同一性」です。ドゥルーズは著書『差異と反復』の中で、「存在とは差異である」と主張しました。
ドゥルーズによれば、世界も個人も絶えず変化を続けており、少しずつ差異が生まれ続けています。そしてその差異こそが「存在」なのだとドゥルーズは主張します。
例えば、昨日の私と今日の私では見た目も中身も少しだけ異なっています。つまり、私という人間は絶えず変化を続けています。そして、その変化そのもの(=差異)が「私」という存在なのだということです。
私たちは、何かが「存在する」と聞いた時に、ある瞬間を写真のように切り取った姿を思い浮かべます。しかし、ドゥルーズはそのようなイメージを否定し、常に同一性から離れていくような「差異」こそが存在の根源なのだと主張しました。