ChatGPTと哲学の相性がいいからこそ生まれた意外な使い方。
ChatGPTのような生成系AIと呼ばれるジャンルが、これまでの最先端のテクノロジーと明確に異なる点がひとつあるなあと思っています。
それが一体何かと言えば、歴史上の古い話ほど真っ当な返事が返ってくるということです。それは参照しているデータが、古い情報ほど膨大でもあるからなのでしょうね。
この点に関連して、先日配信されていた伊藤穰一さんと茂木健一郎さんの対談動画の中で、「AIと哲学は相性がいい」と語られていましたが、僕も本当にそう思います。
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これは、これまでの最先端のテクノロジーではありえなかったことでした。
古いものは、必ずあとから遅れて実装させれていたのがインターネットの世界だったから。新しいサービスには、常に新しいフロー情報が流れていて、往々にして何か新しい情報を獲得しに行く場所として誕生していたはずです。
にも関わらず、今回の生成系AIの登場では、古いもののほうがむしろ精度が高く、新しい情報ほど精度が低く、当然のように嘘をついてくるという逆転現象が生じているように感じます。
これは非常に興味深い変化だなあと思って、僕は眺めています。
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で、これが一体何と相性がいいのかといえば、伊藤穰一さんたちが語るように、哲学や思想、宗教の質問をぶつける相手として、ものすごくちょうどいいんです。
古い情報のほうが、どれだけ精度が高いと言ってみたところで、古い科学や古い医学、その他諸々の生活に関わる古い情報を聞いてみたところで、現代を生きる私たちにはほとんど関係ないし価値はない。
「昔はそうだったんだねー」ぐらいの話です。
でも、僕らが今まさに直面している「生きる」や「はたらく」など個人や共同体に関わる問いや課題については、2500年前の人類も、今の人類とまったく同様に、同じテーマでずっと悩み、苦しんできたわけですよね。
だからこそ、2023年に生きる僕らにとっても、ブッダやイエス、そしてプラトンなどの思想は、今も強く心を打つわけです。
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ということで、僕はChatGPTが登場してから、本当にいろいろな方法で遊んでみましたが、最終的にたどり着い個人的に一番楽しい遊び方だなあと現段階で思っているのは、過去の哲学者や思想家同士で対話をさせてみることだなと気づきました。
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