ChatGPT全盛の時代に求められるのは「旦那芸」的な知識。

ChatGPTを、て実際に使い始めると、これは自分の「質問力」がものすごく試されるサービスなのだなあと多くのひとが直感的に理解できるようになるかと思います。

だからいま巷では「プロンプトが重要だ!」と語られていて、プロンプトの売り買いされるマーケットも存在しているようです。

でも、実際に長く触ってみると、それは表面的な話であって、本質ではないなと思ってしまいます。

それよりも、もっと自分の中における「知識における構造的な理解」のほうが圧倒的に重要なんだろうなあと。

あまり、こういう表現はしたくないですが、有り体な表現で言ってしまえば「教養」みたいなものが、ものすごく試される。

それは、詳細な知識を身につけているかどうかという話ではなく、大体どこに何があるのかを知っているという、俯瞰した能力とその視点です。

これからの時代は、そんな「旦那芸」的な知識がものすごく重要になってくるかと思っています。

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この点、哲学者・苫野一徳さんのVoicyを聴いていたら、学生さんに「本を読む意義とは何か?」という質問を聞かれたとき「本を読むと、自分の中にグーグルマップが得られるようになる」と答えるんだと語られていました。

これを聴いた時に、本当にとっても素晴らしい表現だなあと僕は膝を打ったんですよね。(地図じゃなくて、グーグルマップという表現の仕方が本当に素晴らしい!)

大量に本を読むことでそれまでカオスだった世界に、どこに何があるのかがざっくりとわかるようになると。あくまで僕の解釈ですが、これは「土地勘がある」という言い方をしてもいいのかもしれません。

現代を生きる僕らが、日常生活を快適に過ごすうえで、大体あの辺りに◯◯があるということを把握して生きていて、その土地勘というものが、ものすごく大事ですよね。

あとは現地についてから、自らの手の中にあるグーグルマップに対して、詳細な道を尋ねればいいわけだから。

つまり、47都道府県の場所など、大きな括りでざっくりと把握しておけば、その土地の名前を入力してあとは好きなようにピンチイン・ピンチアウトをして、詳細を調べればいい。

でも昔は、さまざまな縮尺で描かれた分厚い地図を移動のたびに持ち歩く必要があったわけですよね。

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で、ChatGPTに対して求められる「質問力」というのは、まさにこの「土地勘」のような話なんだと思ったんですよね。

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Voicyにて毎日配信している「鳥井弘文の旅と読書とweb3」のテキスト版になります。 https://voicy.jp/channel…

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