「この世界で生き抜くために手を組みませんか」という物語が増えてきた。

先日、Twitterにこんな投稿をしてみました。

このツイートが結構多くの方の目にとまったようで、色々な方から意見が寄せられました。

この点、もし、自分が満たされるために他者を求め続ければ、側室や執事が何人いても、その欲望は決して満たされません。

でも、過酷な戦場を共に生き抜くための戦友であれば、どんな存在だって心強い。そして戦場を共にした「記憶の共有」が、目の前の他者をこの世界でたった一人のかけがえのない他者へと変えてくれるのだと思います。

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で、最近のアニメだと『SPY×FAMILY』なんかもこの物語の構造でしたよね。

もちろんこれは、僕が至るところで言及している朝井リョウさんの小説『正欲』を読んで感じたことでもあります。

『正欲』はまだ読んだことがない方もいると思うので、あまりネタバレをしないように書きますが、これも似たような構造の物語になっているんですよね。

そしてもちろん、往年の名作であるサン・テグジュペリの『星の王子さま』なんかも参考にしていたりもします。

今日はこの話ももう少し丁寧に深掘りしてみたいと思います。

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この点、僕はこの話を6年以上ずっと考え続けていて、6年前にも似たようなブログを書いたことがあります。なんとか当時も必死で伝えてみようと努力してみたのですが、この話というのはなかなかに伝わらなかったです。

でも今回は、このことを理解してくれる方が以前よりも少し増えたみたいで、純粋にとっても嬉しいです。時代が変わりつつある証拠でもあるのだろうなあと。

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で、このような内容の話やブログを読んでくれた方々の中には、賛同してくださった結果、「だから私も戦友を見つけたい」という意見が多く寄せられます。

でも、それはそれで違うと思うのですよね。せっかく賛同してくださっているのに、このあたりは「面倒くさいヤツで本当にごめんなさい」という気持ちです。

なぜなら、それはそれでまた強い「目的」意識を持ってしまっているから。

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