「この世界で生き抜くために手を組みませんか」という物語が増えてきた。
先日、Twitterにこんな投稿をしてみました。
『逃げ恥』あたりから「この世界で生き抜くために手を組みませんか」という物語が増えた。寂しい気がするけれど、実はこの方が満足度は高くなる。私が幸せになるために他者を求めるというのは一歩間違えると減点方式になりがちだから。でもこの場合は自然と加点方式になる。そりゃあ、満足度も高まる。
— 鳥井 弘文 (@hirofumi21) May 28, 2023
このツイートが結構多くの方の目にとまったようで、色々な方から意見が寄せられました。
この点、もし、自分が満たされるために他者を求め続ければ、側室や執事が何人いても、その欲望は決して満たされません。
でも、過酷な戦場を共に生き抜くための戦友であれば、どんな存在だって心強い。そして戦場を共にした「記憶の共有」が、目の前の他者をこの世界でたった一人のかけがえのない他者へと変えてくれるのだと思います。
ーーー
で、最近のアニメだと『SPY×FAMILY』なんかもこの物語の構造でしたよね。
もちろんこれは、僕が至るところで言及している朝井リョウさんの小説『正欲』を読んで感じたことでもあります。
『正欲』はまだ読んだことがない方もいると思うので、あまりネタバレをしないように書きますが、これも似たような構造の物語になっているんですよね。
そしてもちろん、往年の名作であるサン・テグジュペリの『星の王子さま』なんかも参考にしていたりもします。
今日はこの話ももう少し丁寧に深掘りしてみたいと思います。
ーーー
この点、僕はこの話を6年以上ずっと考え続けていて、6年前にも似たようなブログを書いたことがあります。なんとか当時も必死で伝えてみようと努力してみたのですが、この話というのはなかなかに伝わらなかったです。
一年半前にこの記事を書いたときは、結構キョトンとされることが多くて寂しかったんだけど、最近この話をすると理解してくれる人が増えてきたからちょっと嬉しい。:今なぜ最初からパートナーが決まっている物語が持て囃されているのか? | 隠居系男子 https://t.co/as5OdhT3ME
— 鳥井 弘文 (@hirofumi21) May 30, 2018
でも今回は、このことを理解してくれる方が以前よりも少し増えたみたいで、純粋にとっても嬉しいです。時代が変わりつつある証拠でもあるのだろうなあと。
ーーー
で、このような内容の話やブログを読んでくれた方々の中には、賛同してくださった結果、「だから私も戦友を見つけたい」という意見が多く寄せられます。
でも、それはそれで違うと思うのですよね。せっかく賛同してくださっているのに、このあたりは「面倒くさいヤツで本当にごめんなさい」という気持ちです。
なぜなら、それはそれでまた強い「目的」意識を持ってしまっているから。
ここから先は
「鳥井弘文の旅と読書とweb3」テキスト版
Voicyにて毎日配信している「鳥井弘文の旅と読書とweb3」のテキスト版になります。 https://voicy.jp/channel…
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?