生成系AIの登場により「マイノリティ」は空間だけでなく時空を超える。

インターネットの登場によって、マイノリティの概念が大きく変わったということは、よく語られている話です。

各共同体(世間)の中では、圧倒的にマイノリティであっても、その各共同体に存在しているマイノリティ同士がインターネット上でつながることによって、その声が増幅される、と、

そして、それが社会問題にもなり、マイノリティの権利が擁護されるような状態が生まれてきました。それが過去十数年のインターネットが生み出した歴史のひとつ。

もちろん、その前はテレビや雑誌などでつながることによって、マイノリティの概念が変わってきたこともあったかと思います。

よく話題にあがるのは、雑誌『オリーブ』によって誕生した「オリーブ少女」なんかはとてもわかりやすい例です。

つまり、メディアが変化するタイミングにおいては、マイノリティの人々の声の大きさが常にこれまでとは異なる形で増幅される傾向にあるわけですよね。

で、今回のAIという新しいメディア(媒介)の登場によって、これがまた大きく変化しようとしています。

今日はそんなお話をなるべくわかりやすく丁寧に語ってみたいなあと。

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たとえば、いま、ジェンダー問題が世界中で盛り上がっているのも、インターネットが原因なわけです。

物理空間の中だけでは圧倒的にマイノリティだと思われていた存在であっても、実は世界単位で見たときには、想像以上に多く存在していて、彼らの人権を侵害していることは、どう考えてもおかしいと多くの人々が思うようになった。

つまり、インターネットを通じて空間を超えて繋がって、ジェンダー問題を抱える人々が”マイノリティの中のマジョリティ”になったから、社会運動が行われて、そこに社会変革が起きているわけですよね。

このように、クラスのなかに必ず2〜3人いるという存在というのは、世間の中ではマイノリティではあるのだけれども、その少数がインターネットでつながると決して無視できない数字や規模感となり「群れ」と変化するわけです。

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で、ここからが今日の本題になってくるのですが、このようにインターネット、もっと具体的に言えばSNSの誕生というのは「空間の制限を超えることに寄与したわけですが、生成系AI時代には今度はそれが「時空の制限」を超えてつながるようになっていくと思うのです。

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