英単語の構造:そもそも、なぜ数える必要があるのか?
このところ「〇〇が数えられないのはなぜか」という記事を多く投稿してきました。しかし、そもそも英語には「数える」という概念がなぜ存在しているのでしょうか?
今回の記事では、英単語の構造に目を向け、英語がなぜ「数えるという行為」を必要としているのか、その理由について解説していきたいと思います。
英単語の多様な姿: 動詞と名詞は、見た目が同じ
まず、いくつかの一般的な単語を見てみましょう。以下のリストから、それぞれがどの品詞に当たるか考えてください。
これらの単語をみて多くの人は、love は動詞、display は名詞、change は動詞・・・、というふうに思うかもしれません。ところが実際はというと、すべてが「名詞」としても「動詞」としても使えるのです。
たとえば “love" は名詞であれば「愛情」という意味がありますし、同時に "display” には動詞で「展示する」という意味があります。また “change" には名詞で「変化」、”light" は動詞として「明かりを灯す」という意味があります。
このように、英語というは名詞と動詞が同じ単語であることが非常に多い言語なのです。そしてこれは、同じ単語が異なる文脈や役割で使われることを意味します。
では、どうして動詞と名詞が同形であっても、意味の混乱が生じないのでしょうか? その理由は主に、文脈と語順によるものです。一例として、"love" という単語を見てみましょう。
このように動詞と名詞では使われる文脈や語順が異なるため、聞き手は混乱することなく話し手の意図を汲み取れるわけです。
では、本題である名詞ついて考えてみましょう。なぜ英語では「数える名詞」と「数えない名詞」があるのでしょうか。
単語の意味を切り換える「スイッチ」、それこそが "a" の存在意義
まずは、先ほどのリストをもう一度確認してみます。
もう一度クイズですが、これらの名詞は「数えられる名詞」だと思いますか? それとも「数えられない名詞」でしょうか?
正解はというと、実はこれらすべての単語は「可算名詞」としても「不可算名詞」としても使うことができます。
"love" という名詞は「愛情」を意味する不可算名詞ですが、”a love” という形にすることで不可算名詞として「恋人」を意味するようになります。また “chicken” は「鶏肉」ですが、”a chicken” であれば「ニワトリ」を意味し、「明かり」を意味していた “light” は “a light” という形で用いることで「懐中電灯」にその意味を変えます。
このように、英語というのは同一の単語を文脈や “a” の有無によって、さまざまに意味を変える仕組みになっており、そこでは ”a” という冠詞の存在が、名詞の意味を決定づけるスイッチとして機能しているのです。
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