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光の演色性

20年前に比べると、LEDの光の再現性は格段に高くなっています。まず、"再現性"って ? そして、大見出しにしてみた"演色性"って ? という説明からしたほうがよいですね。
再現性は目に映ったもの全てが"目に映るそのままの状態で視覚される精度。
その再現性を数値化した単位が演色性 だと思ってもらえたらわかりやすいと思います。演色性が高いと再現性が高いということで、LEDの開発にはかかせない指標です。

分光分布計測の機器 / SEKONIC が示す数値が高ければ高いほど目に映る光は綺麗と感じます
このRa98の光はViabizzuno のn55の光を当てている状態


私がLEDの光質に対して他のスペック以上に関心が高くなったのは2019年にLEDメーカー との仕事がきっかけです。そこから学んだことは、自然光が目に映る、人、もの、食材、空間、全てを再現性高く視覚化するということ。その自然光にできるだけ近づくことをLEDの開発の要とすることが重要なのだということ。演色性Raは光を選ぶ指標として最も重要なスペックではないかと思うのですが、昨今とりまく状況を踏まえるとまだまだ時間がかかるのを感じます。要は、照明はどんな形を選ぼうが、光源しだいで空間が全く違うものになるのです。どうしても、名作と言われる照明でも、光源の演色性が決して高くないものも多く、形の名作性が勝つのでよいのですが、せっかく時代を超えて愛される名作ほど、光源のアップデートは大事なポイントではないでしょうか。
照明を選ぶ基準はそれぞれです。建築や照明に関わる方々にとっては光の質はもちろん重要と認識されていると思いますが、
・価格
・効率
・認知
などの条件によって、なかなか浸透しないのも演色性の現状です。LEDのパッケージをつくるメーカー、LEDの素子をつくるメーカー、照明器具をつくるメーカー、それぞれが日々製品の開発を進めていく中で、「より鮮やかで美しい」を光で実現してほしいと願わずにはいられません。


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