ビジネスにおける戦闘力
複数のビジネス拠点を運している場合や統括している場合において、その拠点ごとの戦闘力を分析し、それぞれの拠点をどう強化するか、あるいは拠点ごとの強みを活かしたどう戦略を立案するかに向けて、組織における戦闘力の分析方法を考える。
「組織の戦闘力」といっても、第三者目線で見えていることは非常に表層的で、本当の戦闘力が見れているかとそうでないケースが多い。
そこで、改めて「組織の戦闘力」とは何かを整理し、戦闘力を高めるためのアプローチを考えることとしたい。
もちろん、経営者や経営コンサルではないので、浅い考察になっているかもしれないが、チームビルディングの視点で、私なりに考察する。
「組織の戦闘力」とは
「組織の戦闘力」は概ね以下の5項目で計ることができると考える。
1.リーダーシップ力
2.マネジメント力
3.技術力・生産性
4.チームワーク
5.適応力・変化への対応力
そして、それぞれの項目について、どのような状況か評価するため、より具体的なイメージを深掘りする。
1. リーダーシップ力
リーダーシップが発揮できる土壌があるか、リーダーシップを発揮できるリーダーがどれだけいるか、そのリーダーは存分にリーダーシップを発揮できているか
2.マネジメント力
やるべきミッション、目標に対して、マネジメントが効いているか、メンバーに対するマネジメントもしっかり行い、コミュニケーションが活性化できており、高いモチベーションが保てているか、離職が拡大してないか
3.技術力・生産性
目標に対して高い成果を挙げられているか、生産性を高められているか、やるべき仕事に対するスキルが高められているか
4.チームワーク
チームワークが機能しているか。チームとして成果を高めえるような リーダーがチームワークを機能させるための働きかけをしているか
5. 適応力・変化への対応力
変化の激しい今の時代において、如何に変化に適応できるか、変化することを恐れず、チャレンジできるか、変化にチャレンジする文化が醸成されているか
それぞれの項目をもとに、組織のバロメーターとして評価、分析したり、視える化することが必要だと考えている。
本来はそれを評価項目化したり、定量評価できるようにまで考えたいが、現時点では、この項目整理のみに留め、この中で、チームビルディングとの関連が深い、「チームワークとチーム力」についてもう少し深堀する。
チームワークとチーム力
「組織の戦闘力」を評価するときは、「技術力・生産性」、いわゆる与えられた業績目標に対する進捗状況や1人1人の生産性などで見ることが多く、その他の項目で組織を比較したり、分析することは少ないのではないか。(私の経験やポジションのせいかもしれないが)
しかしながら、「組織の戦闘力」において、「チームワーク」は非常に重要な要素であることは間違いなく、個人ではなく、組織である以上、個人ではできない仕事やボリューム、相乗効果を出して達成させていくにはチームワークは不可欠だ。そして、その「チームワーク」の集合体が「チーム力」と言える。チームワークがない組織はチーム力は上がらず、「組織の戦闘力」を高めるのは困難だ。
また、チーム力は総合力だ。チームワークを良くし、チーム力を高めるためには、「チームワーク」、「チーム力」を理解し、それぞれどのように高めることができるかを考える。
「チームワーク」とは
個人ではできない仕事を成すために、集まった、集められたメンバーで、連帯感、協調性、をもって、機能や役割分担し、チームとして活性できる力
「チーム力」とは
チームワークの集合体であり、チームとして必要な機能の総合力
「組織の戦闘力」とチームワーク
チームワークが高いと、生産性が向上し、エンゲージメントが高まり、離職率も低下する。そして、メンバーの自主的な成長も期待できる。
そのため、組織のリーダーはチームワークを高めるための取り組みを実施する必要がある。そして、それらをもとにチームで合意形成し、チームメンバーとベクトルを合わせ、場合によっては意識改革を促したい。
①ビジョンの共有
②明確な目標設定
Specific(具体的に)
Measurable(測定可能な)
Achievable(達成可能な)
Related(経営目標に関連した)
Time-bound(時間制約がある)
③情報のオープン化(視える化)
④適切なフィードバック、透明性(見せる化)
これらの取り組みがしっかりできているかを評価するために、次の要素で状況、環境を確認し、またベーシックな取り組みでコミュニケ―ションが円滑か、信頼関係が醸成できているかも見ることが大切だと考える。
〇ミッション/ビジョン:チーム全員がミッションやビジョンにコミットし、仕事として体現している
〇目標設定:設定された目標を理解し、妥当と感じ、絶対目標達成させると強い意識をもっている
〇活発なコミュニケーション:職位、経験に関係なく、本音でコミュニケーションや議論ができている
〇信頼関係:良いことも悪いことも開示され、どんなことでも受け入れる関係性がある
〇チーム意識:チーム意識が強く、全員が協力して業務が行われている
〇主体性・当事者意識:チームにおける自分の役割を理解し、また仕事を我がことと捉え、行動できている
〇対応力・適応力:変化することを恐れず、成長する機会と捉え、チームで戦略や環境の変化に対応できる
変化への対応力・適応力
最後に、リーダーシップやマネジメント、チームワークはもちろん重要だが、組織の強さの1つである、「変化への対応力・適応力」にも注目したい。
組織にとって、組織のメンバーにとって、いつもの仕事を、いつもと同じようにすすめることは非常にやりやすく、スキルや生産性の向上も容易である。また、多様性がすすむ今の職場において、あれこれ新しいことにチャレンジするとついてこれない方が一定数、でてきてしまう現実もある。
しかしながら、変化の激しい社会において、市場環境や競合状況、内部環境により、柔軟に変化し続けることは不可欠だ。
しかしながら、変化に対応できない組織やチームはでてしまう。では、その組織はどうなるか。やはり、変化に対応できない組織は厳しいようだが生き残っていくことは難しくなってくる。
ダーウィンの言葉として、たくさんの方が紹介しているが、
ダーウィンの言葉をこう読むことができる
『最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化に対応できる者である。』
また、組織を変化させようとすると、抵抗する勢力も一定量でてくる可能性があるため、その抵抗する勢力を理解し、組織のリーダーは丁寧に対応し、意識の変化を促していかないといけない。
信長の言
抵抗のための抵抗は、進歩を遅らせるだけで結局は何も生み出さない。
変えることに抵抗する者は、抵抗そのものを目的として味方を増やそうとする。
変革する側には大義があるが、旧例を墨守しようとしても指導理念は乏しいので、人が奮い立たない。
戦闘力を高めよう!
チームビルディングやリーダーシップを高めるための、インプットやアウトプットを増やし、いいチーム、成果を創出できるチーム作りを今まで意識してきたが、もう少し広い意味で、高い目線でチーム作りをするためには、チームの戦闘力を高めようと意識しないといけない。
戦闘力を高めるために、やるべきことを正しく理解し、日々のマネジメントやリーダーシップを通じて、戦闘力を高める努力を継続したい!