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緊急特別開催!飛企画グランプリ受賞記念 〜ノーコードウェブ制作の最前線〜【ひろクリギルド#16】
こんにちは。ひろクリギルドのよーこです!4月3日(月)に開催したイベントについてレポートします。
広島の制作会社飛企画さんが2023年2月に『STUDIO DESIGN AWARD2022』でグランプリを受賞したことを記念し、飛企画代表の赤松さんとSTUDIOの石井さんのトークイベントを行いました。
本イベントは、約10日前にSTUDIOの石井さんが広島にこられることをお聞きして急遽実現。関係者のかたに多大な協力をいただき、無事開催することができました!(関係者のみなさま、本当にありがとうございます!)
結果的に、総勢100名(オンライン60名/現地参加40名)のイベントとなり、多くのかたにご参加いただけました。そんなイベントの様子をお伝えします!
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登壇者紹介
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ブランディング構築 / マーケティング戦略 / 情報設計 /クリエイティブ業務 / アドバイザー / 大学教員
STUDIO DESIGN AWARD 2022グランプリ受賞。ブランディング主軸の情報設計・戦略提供する中で、2022年からノーコードツールであるSTUDIOに制作基盤を移行。同年、正式パートナー認定。
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デザイナー兼エンジニアとして学生時代にWeb制作会社を設立。その後旅行サービス「Travee」を創業し、2年間に渡ってバンコクに移住し事業を展開。その後国内大手旅行会社に事業売却。2016年12月にFounderの甲斐と出会いSTUDIOに参画、代表取締役に就任。現在の主な役割はブランディングとビジネス戦略。
ノーコードツールSTUDIOとは
STUDIOは、手軽にWebサイトを作成できるノーコードツールです。表現力とデザインの自由度が高く、基本的なアニメーション実装やAPI連携、SEO対策も行うことができ、制作期間とコストの削減ができるのが特徴です。もちろんレスポンシブデザインにも対応しています。さらに、アップデートやメンテナンスが容易で、多様なデザインが選択できるため、クライアントの要望に合わせたカスタマイズができます。
2023年3月29日にはSTUDIO AIが発表され、イベントでは石井さん自ら実演していただきました。自然言語処理でのアニメーション設定、自動でレスポンシブ設定など、驚きの機能に会場からは感嘆の声があふれていました。
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STUDIOを活用した制作の特徴
飛企画の赤松さんのお話から、2022年からSTUDIOを活用した制作業務が始まって以来、制作現場に多くの変化があったことがわかります。
「コードを書いていたときは、想像力が解放されない気がしていた。」と振り返りながら、現在の制作の現場を教えていただきました。
ディレクション、デザイン、エンジニアリングの各業務を、ディレクション業務によって簡略化
イメージ伝達や表現の希望などのコミュニケーションロス・トラブルの低減
フロントエンドの多数のツール使用、フレームワークの削減
サーバー設定やデータベースなどの簡素化
制作の目的や思考が遮られず、ワンストップで制作に向き合えることが、制作者がSTUDIOを使うメリットのひとつ。クライアント視点に立つと、Webサイト制作は課題解決のひとつの手段であり、マーケティングや財務・人材戦略に時間・費用を割くことで、課題解決のスピードが上がるメリットがあります。
結果的に、クライアントと制作者双方にとってWin-Winの関係が築ける点が大きなポイントです。
ただし、赤松さんは「制作費用の設定に迷いがあった時期もあった」と明かされました。その迷いも、STUDIOでの制作を進められるうちに、制作の効率化と付加価値の創出を考慮すると現在の費用設定は妥当であると考えられるようになったそうです。
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STUDIO制作とスクラッチ制作の比較
「STUDIOはビジネス要件に必要なWebサイトを効率的に制作できる。制作現場の80〜90%はSTUDIOで賄えると考えている」という見解を明らかにしてくれた石井さん。
ただし、要件によっては、スクラッチ制作が必要な場合もあるそう。大企業のブランディングサイトやインタラクションが強いものなどはスクラッチ制作が適しており、今後も、オートクチュールや特別な作りたいものがある場合にはスクラッチ制作が求められるだろう、とのご意見でした。また、STUDIOは現時点では「Webサイト制作ツール」という立場を取っており、「Webアプリケーション制作」においてはスクラッチ制作が向いているとのことです。
(※なお、今後の機能追加でパララックスの表現やJavascript実装などが実現可能になる予定があるそうです。)
スクラッチ制作は、高度な機能や独自性を実現できる反面、時間と労力がかかるデメリットがあります。一方、STUDIOを使うと効率的にWebサイト制作ができますが、制約があるため高度な機能を求める場合には適さないこともあります。制作期間が短くデザイン性も重視されるプロジェクトにはSTUDIOが適していますが、高度な機能や独自性が求められる場合には、スクラッチ制作が適切な選択といえるでしょう。
STUDIO制作をクライアントへ提案する際に意識しているポイント
飛企画さんがポイントにしているのは、以下5つのポイント。
クライアントのニーズに焦点を当てる
向き合い型のパワーバランスを避ける
共に目標をみつめる
技術やツールは手段であることの理解
スタジオ制作による要件の変化
長くWeb制作・ブランディングを手掛けてこられたからこそ、それぞれのポイントを落としこまれ、具体的な解説をいただけたように思います。
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現デザイナー・エンジニアの仕事の変化と必要となるスキル
これらの変化に適応するためには、デザイナーやエンジニアは柔軟な思考力や新しい技術の習得、異なる専門分野との連携力などが求められるでしょう。そのため、継続的な学びやスキルアップが、今後ますます重要になることが予想されます。
また、課題を見つけ解決への意志をもち、柔軟な考えとアイデアを持ち合わせ、課題をみつけ取り組むディレクターがますます必要となるだろうという見解もありました。「“やりたい”という意思はAIには持てないもの」という石井さんのお言葉は印象的でした。
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ノーコードツールを活用することで、デザイナーやエンジニアはプロジェクトマネージャーやディレクターといった役割にも関与しやすくなるでしょう。より上流工程から課題に向かう力、クリエイティブなアイデアを生み出す力が重要視されるようになることが予想されます。
AIやノーコードツールが進化しても、人間の感性や創造力、コミュニケーション能力などはAIには置き換えられない要素です。これらの要素を大切にし、技術を活用しながら新しい価値を創造することが重要です。
まとめ
今回のイベントで「ノーコードツールの活用をチャンスと捉え、効率化やビジネスの加速に役立てるべきだ」との意見が一致しました。経営者やデザイナー、ディレクターの役割も変化し、ノーコードやAI技術によってアイデアの実現がより容易になります。優れたものが生き残ることで、世の中がより便利になるという未来が、すぐ目の前に迫っています。
みなさんの声
アンケートやTwitterからのみなさんの声を、一部ご紹介します。
今話題の手法について生の声を聞けたことが良かったです。制作側の仕事ではないのですが、内容がわかりやすかったです。
オンライン参加でしたが、石井さんと赤松さんの対談に思わず引き込まれました。貴重なお話を聞く機会をありがとうございました。
グランプリを取られた本人様のお話をきけるなんて、なんて贅沢な企画なんだろう、っていうのと、やはりすごい考えをお持ちなんだな〜っていうことで、クリエーターとして勉強になりましたし、自分はまだまだ作業者に近いな〜って反省しました。
STUDIOもViteも開発ツールには違いないから同列に語っていいとは思う。向き不向きは何にでもあるからそれを判断するのがエンジニアの仕事かなって。#ひろクリギルド
— yabonary🦔 (@ymnk4919) April 3, 2023
STUDIO イベントすごく面白かった
— まさし / Masashi Naito (@nightoooon) April 3, 2023
クリエイターがもっと活躍でにるように、というSTUDIOさんの思想が素敵
そして、クライアントの課題に対してリソースを最大投入できるようにするためにSTUDIOを使う、という飛企画さんの考えにも心撃ち抜かれた。#ひろクリギルド #STUDIO #飛企画 pic.twitter.com/v3cf8HhU6j
おもしろかったー!!!
— 𝗪𝗮𝘁𝗮𝗿𝘂| STUDIO デザイナー (@WataruOsumi) April 3, 2023
STUDIOにJS実装されたらもう一生こいつと生きていく。#ひろクリギルド pic.twitter.com/h7OvXGHNWn
ご意見お寄せいただいたみなさま、ありがとうございました!
次回イベントのお知らせ
『\Illustrator超活用/ベテランも!新人さんも!アピアランスで時短術!』を4月19日(水)20時〜22時に開催します。(※オンラインのみのウェビナー)
DTP Transitの鷹野さんをお招きして、アピアランスの基本から体系立てて学べるセミナーです!本セミナーは、便利なのは知っている…けれど、「これから学びたい」「学び直したい」人のために、基本的な内容から応用までを解説いただきます。
イベント詳細は以下のURLよりご覧ください!
そして、ひろクリギルドよりお知らせ
ひろクリギルドでは有料会員の募集を開始しました!有料会員になれば、ウェビナー参加費がお得になります。
また、バナー勉強会も隔週で開催しています。ひろクリギルド無料会員であればどなたでも参加いただけますので、興味のある方はこちらのフォームよりお申し込みください。
緊急開催、関係者のみなさま、参加者のみなさま本当にありがとうございました!
今回、緊急開催にこぎつけたのは多くの協力があってこそです。ひろしまクリエイターズギルドでは、今後も【交流】と【学び】に繋がるイベントを開催していきます。
また、みなさんとお会いできますように!
共催:STUDIO株式会社、飛企画株式会社
協力:ファナフェクト株式会社、広島フロントエンド勉強会、いいオフィス広島 by LIG
撮影協力:飛企画株式会社