新潟・撮りあるき【中越・信濃川編】
今回の撮りあるきは、新潟に戻りました。
前回の千曲川の下流、信濃川流域の南魚沼市、長岡市など中越(ちゅうえつ)地方の文化と歴史を巡ってきました。
6月10日(土)の新潟オフ会に向けたPRにどうぞお付き合いください(*^^*)
海岸線「日本海夕日ロード」を南へ。向こうは佐渡。
遠方に薄く見える雪を被った山は富山県の立山連峰。
ここまで見える日は年に何度もない。
中越地方は魚沼のコシヒカリに代表される「米」と「日本酒」の地域。
多くの酒蔵が2004年の中越地震で大きな打撃を受けた。
最初に向かった、南魚沼市の『八海山酒造』も被害を受けた。
震災前と同じ所までを目指す復興ではなく、一歩でも前へという思いから、さまざまな取り組みに挑戦している。「魚沼の里」もそのひとつ。
八海山山麓の広大な土地に、雪室(ゆきむろ・雪を使った天然の冷蔵庫)を建て、貯蔵庫やショップやレストランを配置し、見学者を受け入れている。
雪室。冬季に1000トンの雪を除雪車を使い雪室の中に貯蔵する。
雪室の中の気温は一年中を通して4度以下。冷すための電気は使っていない。
雪室の温度管理の中で熟成させている「焼酎」。
瓶詰めされたアニバーサリー焼酎。
焼酎や日本酒「八海山」などの試飲コーナー。
お酒の他、雪室コーヒー、洋菓子などの販売もある。カフェも併設。
昼食は、へぎ蕎麦。
つなぎに海藻のふのりを使った喉ごしの良い蕎麦。
薬味はカラシと浅葱。
乾燥した浅葱の皮を剥いてかじりながら蕎麦をすする。
今回のメインは「信濃川の歴史と文化」。
これに会うための旅。(これは実物大レプリカ)
向かった先は「十日町市博物館」。
日本遺産の「信濃川流域の火焔型土器と雪国の文化」
雪国の暮らし紹介。寒さ除けの「ちぐら」に入った子ども。
左は小さな「猫ちぐら」。これは、それほど珍しい展示ではないだろう。
大正の頃の十日町市街略図。名所及び各営業者案内。太物(織物)、呉服の店が多い。古くから越後縮(ちぢみ)、十日町絣(かすり)などの産地だった。
そしていよいよ。縄文文化の象徴に。。。期待が高まる。
国宝「火焔型土器」。愛称「縄文雪炎(じょうもんほむら)」
本物は免震台の上に飾られていた。
笹山遺跡から出土した深鉢型土器の57点が国宝になっている。
博物館前の「縄文広場」には竪穴式住居の柱跡があった。かなり大きな集落だったとのこと。
この復元住居は平安時代のもの。東大寺が建てられていた頃の庶民の家。
帰り際にもう一度レプリカで火焔模様を触ってみた。
やはり美しい。そして不思議。
十日町は信濃川が造った日本一の河岸段丘にある。
マウントパーク津南から段丘を一望に。ジオ好きには堪らない風景。
少し降りて川筋の河岸段丘を見る。曲がった川の上流は信濃の国。
ブラタモリで紹介されることの多い「段丘崖(だんきゅうがい)」
左側はいわゆる流作場(りゅうさくば)。氾濫で流れても補償がない土地。
十日町から下流へ移動し、長岡市へ。
ここでは長岡の歴史上で重要な人物二人の記念館へ。
長岡のラストサムライ「河井継之助」と連合艦隊司令長官「山本五十六」。
二人は時代は違うが、長岡城下のほとんど同じ町内で生まれ育った。記念館もすぐ近くに二つ建てられている。二人に共通する言葉が長岡藩・牧野家の家訓「常在戦場」。それぞれの記念館にそれぞれの直筆が展示されていた。
そして、今回の旅の最後は三条。
金物の町。
少し前にTVで紹介されていた爪切りの「諏訪田製作所」さんへ。
GW中だが工場は稼働しており、見学も可能との事だった。
タイトル画にしたこれは、爪切り型を抜いた後のバリスクラップで作られたモニュメント。
完成間近の爪切り。ここから工場見学スタート。
逆順に見て行くことになる。
紙片には名前が書かれていた。オーダーメイドの商品なのだろう。
名入れもしてもらえる。
一本一本手作業で削って行く。
少しでも削りすぎたものは廃棄される。
工場の中はモーターとサンダーの音が響く。
刃合わせ。光に透かして全く漏れない程の精度。熟練の技。
鍛造。
高熱で焼き、打って鍛える。刀と同じ製法。
バリスクラップ。まだ焼けている。
日本海の夕日。
長岡市の今の時期は佐渡より少し左に日が沈む。
今回も長い記事にお付き合い頂き、ありがとうございました。
次回は(お酒以外の)「新潟お土産編」を予定しております。