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新潟・撮りあるき【大栃山雪かき・後編】

朝3時過ぎ、除雪車が幾度も往復する音で目が覚めた。やはり一晩中降っていたのだろう。

窓の外が雪明かりと夜明けで白んで来た6時過ぎ起床。

コン、コン、パキッ。コン、コン、パキッと一階の土間から音がする。宿の主人が薪を割っている。

綺麗に太さが揃えられた薪。

温かい朝食。
焼きたての魚、煮菜、自然薯、山ナメコの味噌汁、箸休め…。
お代わり自由のコシヒカリは、もちろん炊きたて。

魚をねだっていたのだろうか。
厨房から聞こえたかわいい声の主。

玄関土間のスタンプも、この子のもの。

なぜかこの時計が刻む時はゆっくりに感じる。
上げ膳据え膳の幸せな朝。

魔除けだろうか。柱に留められた鷹の爪。

黒い柱に赤い色が映える。
昔、雪道を歩く長靴の爪先に『しもやけができないように。』と入れた事を思い出した。

作業前の『雪かき体操』。隊長は小竹さん。
夕べの練習の成果がバッチリ。

二つの班に別れ、二件を担当する。
一階の雪で埋もれた窓を掘り出して、明かりが入るようにするまでが仕事。

左の男性の肘辺りまであった雪をかき、ようやく窓が半分見えてきた。
かんじき(スノーシュー)を履いていても脚が埋もれる。

この作業中に足を取られ何度も転んでしまった。
転んだ私に田添氏
1回目『品田さん、楽しそうですね。』
2回目『遊んでいないで仕事してください。』
3回目『寝てていいです。埋めてあげます。』

…。

埋もれている窓。

掘り出された窓。

屋根から張り出して来た危険な雪庇(せっぴ)

『雪庇落とし』で切り落とす。

差し入れの自家製タクワン。
こちらでは『こうこ』という。
「こうこ切ったすけ、んなけてくんなせね。(タクワン切ったから、みんな食べてくださいね)。」
言葉も温かい。

作業を終えて、宿で最後の食事。
山のものが素晴らしく美味しく、炊きたてのご飯が嬉しい。

只見線も今日はダイヤ通り。

30年前、魚沼で生まれた父の実家に親戚が集まり雪下ろしをした頃と、時代が変わり、その土地だけでは雪下ろし・雪かきが回らなくなっている現状。

変わらないもの。
厳しい自然。
雪解け水が育んだ米。
おもてなしの温かさ。

変わったもの。
遠くから何度も参加するボランティア。
ボランティアを受け入れる体制。

本当に良い経験だった。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

次回は【番外編・浦佐あるき】をお届けします。

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