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「いじり」か「いじめ」かじゃないんだってば

「いじっていい関係かダメな関係か」という話だから。

「いじっていいネタか、いじっちゃいけないネタか」
という"内容"の話ではない。

「芸人は笑いにするのが仕事だけど一般人は違う」
という"職業特性"の話でもない。

ぜんぶ"親密度の誤認"だから。

芸人さんがいじりを笑いにどうこうってのは職業柄もあるかもしれないけど、芸人仲間とか相方とか、そういう関係性だから

芸人のいじりを一般人が真似して傷つく、とかじゃなくて。

いじっていいのは、"その人が傷つくか、ネタにしてるのかの度合いを把握してて、それがその人の認識とズレてなくて、まぁ言ってもその人もほぼ笑ってノッてくれる関係性が十分構築できていて、さらにまわりにいる人や状況、その人のコンディションとかも考慮できている" 場合だけだから。

で、そんなのスーパーレアケースだし、相当な関係性がないと見極められるわけないから。

「あの人に言われるなら笑えるけど、あいつに言われるのは意味わかんない」ってのがすべてな気がする。

僕の場合でざっくり図にすると、こんな感じ。
赤、黒に行くほどアウト。

グリーンゾーンはこんなに少ないのだ。
"言われてもいい人ゾーン"なんかほとんどない。
そもそもそんなゾーン誰もいない人の方が多いだろう。

「なにお前までヘラヘラいじってきてんだよ」というのは、
向こうが親密度や距離感を都合よく誤認してる場合だ。

相手は"この関係ならいじっても大丈夫だろう"、と誤認している。

国、会社、組織など肩書ベースでくくられていた今までは、
個人間の関係性、親密度、距離感がざっくりしていた
(ざっくり説明するためにつくったこの図のように)。

それベースで、個人間の関係性を見誤ると、
「立場が上だし」「仲いいし」と、"親密度の誤認"が起きる。

いろんな壁がとっぱらわれて、個の時代になってきてるんだから、そういう肩書ベースのコミュニケーションが膿となるのは当然だ。

個人間の関係性、距離感、親密度を誠実に見極めないと、
悪気なく人を傷つけてしまう。

「あの人に言われるなら笑えるけど、
    あいつに言われるのは意味わかんない」

は極論にすると、

「恋人とはセックスできるけど、知らない人とは嫌に決まってる」

と近いものがある。

だから"親密度(距離感)の誤認"が、立場にともなって補正機会を失ったまま大きくなっていくと「OKだと思って」っていう強制性交になる。最悪。

"空気を読むな"というノリもいいけど、
個人間に流れる"空気の流れ"─関係性、距離感、親密度─は、
読めないと、すごいヤなやつになってしまう。


そしていま、ヤなやつは滅びろみたいな世界になってきてる気がする。

ヤなやつでいいって人もいるけど、知らん。あなたに言ってない。
私は乗り越えた系の話も、ただの個別ケースだから。
みんながそんなタフなメンタルじゃないんですよ。

という個人的見解でした。
僕もよく頭大きいこといじられてヘラヘラ笑ってるけど、自虐でネタにするとき以外楽しかったことや嬉しかったことなんかただの一度もないので、タイミング遅い気もするけどちょっと語気を強めて書いてみました。

オチはありませーん。


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洞内 広樹 (映像ディレクター/映画監督)
また映画つくりたいですなぁ。夢の途中です。