はじめてのo1-pro

初心者でもわかる!「o1-pro」のすごさとは?


最近、OpenAIが開発した最新の言語モデル「o1-pro」が注目を集めています。

その最大の特長は、「抽象化能力」が飛躍的に高まっていることです。

「月3万円もして高すぎ!」という声も多いのですが、ぼくとしてはむしろ全然安いと思えるぐらい、このAIの能力に価値を感じています。

抽象化能力とは、一見するとバラバラな情報の中から「本質」を抜き出し、それを土台に新たなアイデアや理解を生み出す力のこと。

目標達成・社会的成功の大部分は、抽象化能力によって決定するといっても過言ではないほど重要な力です。

ただ、これまで抽象化は人間の中でも特に思考力の高い人だけが得意としていました。

それを今や、AIが代わりに実行してくれるようになったのです。

その結果、もともと抽象思考が得意な人は、さらなる高みへ駆け上がることが可能に。

逆に抽象思考が苦手だった人も、AIの助けを借りて、高度な抽象思考を活用できるようになるのです。

つまり、誰もが高度に抽象的な問題解決を実行できるようになり、目標達成に向けて大きく前進できる点が「o1-pro」の大きな魅力といえます。

本noteでは、o1-proの特徴と使用方法を具体例を交えて解説します。

まだo1-proを使っていない方は全体像を把握できますし、既に使っている方も更に有効活用できるようになります。


抽象化って何?


そもそもで「抽象化」とは何でしょうか。

簡単に言うと、たくさんの細かい情報や具体例から、共通する本質的な部分を抜き出すこと。

たとえば「犬」という存在から、「哺乳類」「ペット」「人との強い結びつき」といった特徴を取り出すことで、「犬」そのものに限らず、他の動物や関係性にも応用できる原理や考え方が見えてきます。

こうした抽象化力を身につけると、一見バラバラに見える情報から共通項を抜き出し、ものごとの核心を理解することが可能です。

それにより、一つの経験から別の状況にも適用できる思考が可能になり、より柔軟で創造的な発想がしやすくなります。

o1-proの超高度な抽象化能力


「o1-pro」の特徴は、超高度な抽象化能力です。

従来、深く掘り下げて思考した内容を文章としてまとめる場合、考えては書き、それを寝かす作業を繰り返す必要がありました。

数日〜数週間、あるいは何年もかけて「情報整理 → 本質抽出 → 再構築」を行っていくものでした。

それを、「o1-pro」はたった1分で実行してしまいます。

難しいテーマでも筋の通った、密度の高い文章をサクッと生み出します。

これは従来のAIでは不可能なことでした。

o1-proの超高度な抽象化能力により、ものごとの本質を鋭く見抜き理解する。その上で具体的な情報を生成する。

それにより、高密度で深みのある、全体が調和した文章となるのです。

そして特に注目すべきは、o1-proによってこの能力が「抽象思考が得意な人」だけの特権ではなくなった点です。

これまでは、抽象的化には「得手不得手」があったのは事実であり、苦手な人にとって抽象化は大きな壁でした。

しかし「o1-pro」を活用すれば、抽象思考の苦手な人でも、本質理解をしたうえでの情報整理・新たな発想の創出をスムーズに行えるようになります。

つまり、「o1-pro」は抽象思考における現時点でのハンディキャップを埋め、より多くの人が高度な思考にアクセスできる道を開いたのです。

o1-proが本領発揮するシーン

誰でも簡単にo1-proを活かせる方法をいくつか紹介していきます。

・コンセプトメイク

バラバラな考えや要素から共通項を抜き出し、新しいプロジェクトの「核」となるコンセプトを生み出すことです。

例えば、新しいブランドのコンセプトを立案する場合、顧客インサイトや自社の強み・価値観等の事前情報を列挙した上で、「軸となるコンセプトは?」などと聞いてみるだけです。

そもそもで、どのような情報を用意すれば良いのか分からない場合は「〇〇のコンセプトを作るために最低限必要な情報は?」などとAIに聞いてみると良いでしょう。

・自分軸の言語化

自分が大切にしている価値観や信念を抽象化して整理することで、「自分は何を目指しているのか?」が明確になり、進むべき方向性を発見しやすくなります。

具体的には、自分が興味をもって取り組んでいる活動をすべて列挙した上で、「わたしの価値観の核心は?」と聞いてみるだけです。

これにより、自分では言語化できていなかったような自分軸を明らかにすることができます。

・換骨奪胎

ある物語や企画の「骨格」を抽出し、それを別のジャンルや世界観に当てはめることで、新たな作品や計画を作り出すことが可能です。

以下の例では、「源氏物語のSFバージョン」と入力しただけで、かなり完成度の高い設定資料が生成されました。もしこの映画が上映されてたら普通に見に行くレベルです。

ただし、このような簡単なプロンプトが成功するのは、AIが源氏物語について詳細な情報を持っていることが前提ではあります。

情報がネット上にないものは、元となる内容を具体的に入力する必要があります。

・難解な概念の学習サポート

知識の核心部分を先に理解できるため、複雑な学問や技術の習得がスムーズになります。わかりやすい教材づくりにも応用できます。

「〇〇の核心は何ですか?」と聞くことで、この効果が得られます。

・少量の情報から高密度の文章を展開

ふと閃いたアイデアを、高密度かつ全体の調和を保って肉付けしてくれます。以下は、ぼくが思いついた未来の世界の想像図です。

以上をコピペし、o1-proにそのまま貼り付けました。すると……以下のような濃密な世界観を生成してくれました。

特に以下の部分については、ぼく自身の文章の本質を汲み取ったうえで、更に論を発展させたことが明確にわかり、とても感動しました。

「全人類が年収30億を超える世界線」は、もはや「年収」という尺度さえ陳腐化させるほどの富と価値の自動生成環境である。

o1-pro

この「本質を見抜いた上での肉付け」能力を活かすことで、「すごいアイデアが脳内にあるのに、周りに全く理解されなかった人」がドンドン発掘される可能性があります。

なぜなら、高度な概念についての断片的な情報から、人に伝わりやすい文章に変換することができるからです。


また応用として、メモやチャットログなどに点在する断片情報を集めて、一貫性のあるわかりやすい文章へとまとめる使い方もおすすめです。

特に、断片的なアイデアメモが溜まっている人などは、それを単にo1-proに送信していくだけで、大量の有益なnoteが生成される可能性があります。

以上のようなのシーンで、「o1-pro」は抽象思考が苦手な人でも、情報整理や発想転換が容易になる「抽象思考マシン」として活用できます。

弱点

1. 具体化

ただし、「o1-pro」は抽象的な洞察には優れていますが、具体的な作業、たとえば正確なプログラミングコードを書くなどの緻密なタスクにはあまり向いていません。

実際、現時点ではプログラマーの方には不評です。


つまり、抽象的・大局的な思考には長けていても、細かな正確性が求められる領域は得意ではないのです。

適材適所の使い分けが必要です。哲学者にプログラミングや事務作業をさせる必要はありません。

2. 情報不足

また、「o1-pro」がいくら優秀でも、元となる情報がなければ本質を取り出すことはできません。

特に珍しい状況下・前提において質問したいとき、o1-proに渡すデータや背景情報が不足していると、適切な抽象化は困難になります。

ただし今後、AIが様々なデータベースや外部情報源にアクセスすることで、情報不足の壁を克服できる可能性があります。

これが実現すれば、より多彩な方法により「o1-pro」の力で高度な抽象思考を手軽に享受できるようになるでしょう。


まとめ
「o1-pro」は、情報の本質を短時間で抽出し、わかりやすく整理・表現する力を持った新世代のAIモデルです。

そのおかげで、抽象思考が得意な人はもちろん、これまで苦手だった人でさえ、抽象的な課題に取り組みやすくなります。

今後、情報源との連携が進めば、さらに多くの人がこの恩恵にあずかることになるでしょう。

「抽象化」というキーワードを理解しておけば、この新しいAIモデルを最大限に活用し、自分の思考やアイデアをより洗練し、広げることができるはずです。

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