読む『対談Q』スキマスイッチ後編②
水野:新しい2人で始まるんだから、22年間立ち位置同じだったけど、変えようって。
大橋:聖恵ちゃんのビッタリ後ろにいるってのは?
水野:背後(笑)
大橋:そんなことしてるひといないから新しいよ(笑)。常に背中合わせにするとか。
常田:新しいよそれ(笑)。
常田:ただ、こればっかりは聖恵ちゃんがどう思うかも大事だからね。
水野:真ん中好きだからなぁ。
大橋:だからセンターで背中合わせは?下手、上手を見て(笑)。
水野:真ん中見ましょうよ(笑)。おかしいじゃない!
大橋:あはは。
水野:アー写の撮影とか、結構戸惑うんですよ。三人横並びが多かったから。
常田:我々ずっと2人組でしょ。で、パターンが大体決まっちゃっているから。
水野:2人でも決まります?
常田:「向かい合ってください。目を見てください」。
水野:こないだ、言われました。「向かい合ってください」は初めてでした。3人で向かい合うってないじゃないですか。
常田:これからめちゃくちゃあるよ。向かい合ってと、斜に構えてと、背中合わせ。この三つ。
大橋:めちゃくちゃ多い。「見つめ合ってください」とか。見つめ合ってくださいっておかしいでしょう。40オーバーのおっさんが2人で(笑) 正直こんなに一緒にやってきて、見つめ合えないでしょ?
常田:わりと聖恵ちゃんはやるんじゃない?
水野:いや、恥ずかしいですよ、さすがに。背中合わせとかも恥ずかしくてしょうがない。あいつの背中に触れたことないから(笑)。
大橋:そうかー。まぁそういうのは出てくるわなー、これから。
水野:それはちょっとドキドキしますね。
大橋:インタビューとかは?
水野:インタビューもまだそんなにないですけど…。よくお二人もやられると思うんですけど、ラジオコメントとかビデオコメントとか撮る機会多いじゃないですか。
常田:あー、あるね。あれもパターン決まってくるよね。
水野:で、あれがすっげー難しいんですよ、今。
大橋:「○○をご覧のみなさん、こんにちは、いきものがかりです」って言うのは聖恵ちゃんの役だよね、多分。
水野:そうです。そこから切り出すのが僕です。「さぁ来月、ツアーが始まりますけれども、吉岡さんどうですか?」みたいに振るのが僕なんです。で、山下がうまい具合に間を埋めてくれていたんですよ、今までは。頷きとか。ちょっとトンチンカンなこととか言って。
大橋:それがいなくなっちゃったのね。
水野:そう、困るんです(笑)
常田:これ、あれだな、プロモーション用人員をひとり入れるだな。プロモーション専用のメンバー。
大橋:すごくない?それ(笑)。3人組だけどステージに2人しか上がらない、とかはあるけど、逆に入るの?
常田:そう。そいつは、プロモーションのときしかいない。
大橋:だったら、そいつだけでいいわ(笑)。そいつがインタビュー受けろ!その間、休めるわ!(笑)
水野:お二人はどんな感じの?
大橋:もう、この話題が来たらシンタくん、この話題が来たら僕…っていうのが決まってくるのよ。
常田:急に振られると、すっげー怖いの。
大橋:だけどライターさんが「これはどうなんですか?」って、反対の方に聞いてきちゃうときあるわけ。それ、こっちなんだよ!って(笑)担当じゃないから。
常田:昔、編み出した方法があるじゃん。「それについてもいろいろ話してたんだよ、ね?」って(笑)。
大橋:そうそう。「~なんですけど、ねえ、シンタくん?」って。なのに「大橋さんはどうですか?」ってもう一回来たり。いや、いま全部言ったし!って(笑)
常田:残ってないときもあるね。言っちゃった全部!みたいな。
大橋:1個は残しておこうって思っているの。たとえばアルバムリリースのタイミングだったら、アルバムのことを言って終われば、そのあとツアーもあるから、ツアーの話ができるでしょ?
水野:そんな細かく考えてるんだ。
大橋:考えてるよ。「アルバムをこんな気持ちで作ったので、みなさん聴いてくださいね」で終わればいいのに、勢いづいちゃって、「来年からツアーもあるんで」ってツアーの話までしちゃうと、もう話すことが残ってないじゃない。
常田:どうしよう!って。だからそのときに起きたことを言う(笑)。
大橋:その瞬発力はシンタくんのほうが強いんですよ。
常田:そっちのほうが全然楽だから。逆に定型文が俺は苦手なの。アルバムのコンセプトとか。もう全然しゃべれない。
水野:ちゃんと得意分野と不得意分野が。
常田:そこは見極めたほうがいいかもしれない。
水野:これはかなり実践的な。
大橋:実践的よ。それがちゃんとシステム化されれば、いろんなことそれでやっていけるから。
常田:結婚式のコメントだって怖くないよ。「おめでとうございます」が揃っちゃうからね。
大橋:そうそう。一緒に言おうねって言ってなくても、ご結婚…
大橋&常田:おめでとうございます!!
水野:あははは。そろってる。
大橋:これでいけるから(笑)。
水野:勝手に体が動いちゃう(笑)。すげーな。
水野:いや、でもこんな実践的な話になると思わなかったです。「良いコンビとは?」ってもう少し抽象的な感じになるかと思ったら。
常田:だって、ぶっちゃけた話、そのひとたちなりのルール作りだと思うんだよね。俺らだって、仕事終わったらどうするの?って言ったら、全然喋らないから、そこは。プライベートはあんまりよく知らないわけ。
大橋:そうだね。プライベート以外はほとんど一緒にいるから、仕事以外の時間は逆にあんまり連絡しないでおこうかなって。365日中360日ぐらい一緒にいるから。だからその残りの5日間は一切。でも、お土産は買ってきたりして、あー海外行ってたんだって。
常田:終わったあとも一緒にいる仲良い2人もいるじゃん。それぞれだけど、ルールとか距離感は、作っていかないとうまくいかないのかなって思ってる。
水野:だから三茶の夜があったわけですね。
常田:そう。ノータッチだと危ないよねって。もちろん推し量るのもあるけど。
水野:僕らは何の夜を過ごせばいいんですかね(笑)。
常田:厚木の夜。
水野:(笑)
大橋:でも、なんか今更…。
常田:そこなんだよね。
大橋:やっぱり男子と女子っていうのもまた違うしな。
常田:減っちゃったことがないからね。それもわからないしね。3から2になってないから。だから次回そういうひとを呼んでみて…。
水野:こんなにガチの相談に…(笑)。なんならここから30分、聖恵を呼んで、カウンセリングを。いやぁ…すごい実践的なことを聞いたので、ちゃんと生かしていきたいと思います。で、いつかお二人にご報告します。
大橋:聞かせてください。
常田:ほんと、ほんと。楽しみにしてる。
大橋:僕らは水野とは毎年会うし、見守っている側だからね。
水野:僕、自分ひとりで行く音楽の仕事、クリスマスの約束くらいしかないですからね。対談とかの仕事はあるけど。いちばんレアなところをいつも見ていただいているというか。
常田:逆に、ピンの水野しか知らないかもね。だから、もはや関ジャムとかを観ても、「ピンで出てる」ってわざわざ思わない。単純に、水野が出てるなって。
大橋:そうだね。ひとりでばっかり会っているから。聖恵ちゃんもいて4人で共演ってあんまりないじゃない。いつか、4人でなんかやろうよ。
水野:ぜひぜひお願いします。これを見た聖恵がそう言うと思います。さぁそんなわけで、お二人に素晴らしいお話を伺いました。今日のゲストはスキマスイッチのお二人でした。ありがとうございました!
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