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読む『対談Q』スキマスイッチ後編①

HIROBAの公式YouTubeチャンネルで公開されている『対談Q』。こちらを未公開トークも含めて、テキスト化した”読む”対談Qです。

今回のゲストはスキマスイッチのお二人。

前回はこちら↓


水野:いや、でも絶対、僕言えないです。聖恵にそんなこと。

常田:まぁ、男女っていうのがまたね、違うよね。

水野:キャッチャーでいようって思っちゃう。

大橋:まぁ、でも水野はそういう立ち位置でもあるしね。聖恵ちゃんに対してね。

常田:3人だと、そのバランスが上手いこといってたのかもしれないね。

水野:ぶっちゃけどうしたらいいですか?

大橋:本当は、水野がずっと気を遣って聖恵ちゃんのお膳立てをしてやっていくのは、僕はあんまりいいとは思わないのよ。やっぱりある程度、対等のほうがいい気がする。でも、それは自分がボーカリストだからこういう意見を言うけど、たとえばシンタくんも、ボーカリストに対してはそういう気の遣い方をしているところもあると思うんだよ。今はちょっとそっとしておこうかなとか。

 

大橋:たださ、僕らはプロデューサーもいないからさ。本当に2人でコツコツ作品をつくってる。歌を歌うのはこっちだけど、2人で作ったものだから。そうすると、自分は2人の作品の発信元なんだよ。この作品を僕が上手く伝えなかったら、何も伝わらない。

水野:ええ。

大橋:最終出口として、2人で一生懸命作ったものを、自分が止めちゃいけないって想いがある。でも、最終出口ではあるけれども、シンタくんがそれを見守っているからこそ、上手くいくというか。そういう意味で対等でいたいなと思う。あまり離れすぎて、どうぞ、どうぞってやるんじゃなくてね。「頼むな!」って感じ。俺たちで一生懸命作ったんだから、肩を叩いて、頼むな!って。それぐらいの距離感がいいんだよ。

水野:なるほどねー。

大橋:あまりにも、相手を立ててってやると、水野がしんどくなってくるよ。

水野:わかります、わかります。

常田:おもしろいね、ボーカルの意見ではあるよね。俺は逆かもしれない。究極、歌以外に関しては9:1で良いと思ってるから。歌うところだけやってって。それ以外のやりたくないことは全部やるから。こっちは、それぐらいでやっと対等だと思ってる。

水野:その気持ちもすごくわかる。

大橋:えー、じゃあ、そしたら入り時間、逆にしてくれない?(笑)

常田:改造(=メイク)が、時間がかかるから(笑)

大橋:改造(=メイク)せな、いかんからな。朝起きからスキマスイッチになるまでに1時間かかるからな(笑)

水野:山下が抜けてから、高校時代から青春物語でやっていたグループが一旦終わったんですよ。もうちょっとミュージシャンというか。

常田:プロっぽくなったね。

水野:はい。作り手と、歌うひと、みたいな。そしたら、お互いちょっと大人になっちゃって、めっちゃリスペクトがあるんですよ。

常田:いいじゃん!すごくいいよ。大事。

水野:僕は常田さんと同じで、歌うひとに対しての、ありがとう。そこに対してのリスペクト。

常田:なるほどね。それはリスペクトが募っていくよね。

水野:で、向こうは向こうでやっぱり曲を作ってくれているって。曲を作ることは大変なんだみたいなリスペクトがあるんですよ。なんかそれが、あんまりやりすぎるとよくないのかなって。

大橋:そうそう。だからそれなのよ。お互い「ありがとう」なんだから、シンタくんが言うように9:1っていうのはちょっと。6:4ぐらいでいいんじゃない? 6、聖恵ちゃんリスペクト、おぜん立て。4、くらいの気持ちで。

水野:今度、聖恵に会ったら「6:4な」って言っておきます(笑)。

常田:「どっちが4なの?」って(笑)

大橋:でも、なんか、女性と組むっていうのはまた違うんだろうな。男同士だからやりやすいっていうのはある。

水野:それはちょっと羨ましいんですよね。

常田:たしかにうちは2人組発進だからね。バンドがお互いダメだったっていう。

大橋:向いてなかった。

水野:もともとはそれぞれバンドをやられていたんですか?

大橋:そう。別々のバンドね。

水野:え、なんでダメだったんですか?

常田:俺はもう、自分のペースでやらせてくれないっていう。バンドはみんなの意見になるからさ。でも2人だったら、説明して、いいよってなったらできるじゃん。当時で言うと音楽で飯食って、仕事にするためにはデビューしてなんぼ。そのあとが大事って俺は思っていたけど、他のみんなはデビューが“夢だ”って言ってて。「デビューしたいよね!頑張ろうね!」っていう感じだったから。

水野:ゴールラインが違ったんですね。

常田:そうだね。当時、俺が作った音源とかをライブハウスにいろいろ持っていったりすると「やりすぎ!」って言われて。「まだいい曲ができてないのに、そんなとこ行ったらダメでしょ」みたいなこと言われて。いやいやいやと。そういうペースすらも合わないんだ、バンドって。もうこれはバンドじゃねえなって。ユニットだと。

大橋:いい曲作ってからって言いながら、それだと多分、いい曲も作らんよな。

常田:そう、全然、作らなかった。

水野:今このタイミングで2人の息がめっちゃ合ってる(笑)。やっぱりマインドが近かったんですね。

大橋&常田:ははは。

大橋:僕は、バンドは自分が4人いれば上手くいくのになって思ってたから。俺はバンドに向いてないなって。

常田:究極でしょ?(笑)

水野:ぜったい向いてない(笑)2人とも我が強いんですね。常田さんも受け止めると言いながらも。その我の強さの度合いが、ちょうどお二人でハモったというか。

常田:夢じゃなくて、目標の共有ができてたんだよね。たとえば自分たちの地元愛知県でいちばん大きい会場。当時はレインボーホールって名前だったけど、ガイシホールでやりたいよねとか。ミュージックステーション出たいよね、とか。そのへんの感覚は全部共通してたから。で、(自分は)歌えない、(卓弥は)歌いたい。(卓弥は)ミックスやらない、俺はやってるとか。アレンジも実作業はやる。実作業はやらないけど口は出したいとか。2人の利害関係は完全に一致してた。だから我が強くても、そんなにぶつからなかった。

水野:めっちゃ、マッチングいいじゃないですか。

大橋:そう。だから、スキマスイッチはセンターを挟んで2人が同じラインの立ち位置にいるのよ。僕がセンターに立って、シンタくんが後ろに下がるっていうのは、スキマスイッチじゃなくなるの。

常田:最初そうだったからね。それもやめてくれって言われて。

大橋:それが嫌だって言った。

常田:三茶の夜でね。

水野:三茶の夜ですべて(笑)。

大橋:三茶の夜でほとんどのこと話したからね。最終的にらちがあかなくなって、マネージャー呼んで。ちょっと話を聞いてもらおうって。

水野:ちゃんとレフリーが入って。

大橋:レフリーいないままやってたから。だからマネージャーがしばらくお互い言い合っているのを聞いて。最終的に「どう思う?」って聞いたら「2人の言っていること、ずっと聞いてたけど、スキマスイッチをやめようって話ではなくて、うまくやるためにどうしたらいいかって話しかしてないから、もうこれでいいんじゃない? 今日は解散して、明日また仕事だから何時に集合ね。バイバイ」って言って終わっちゃった。

水野:おおお。名マネージャーじゃないですか。

大橋:そうなのかもね。

後編②へつづく…


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