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SAIKAI@MIYUKI・第3話「お互い……。」

ヒロちゃん、ありがとう!(●´ー`●)


お互い、連絡の取れない時間があって私もいろいろあって結局そのままヒロちゃんとは
連絡することなく離れ離れになっちゃったこと

今もずっと悔やんでいて…もしかしたらあの時、連絡してくれていたのかな?ってずっと思ってたの!訳があって小樽を離れたんだよね……連絡くれていたら…ごめんなさい……まずはそのことを謝りたかったの。




訳あって……とても気になる言葉だった。

そして美幸も連絡のなかったこと、出来なかったことを気にしていたんだ。お互いそんな思いをしていたことだけでも俺は少し救われた。「その時」は少なくても俺への気持ちは変わっていなかったという事と信じたい。

俺はすぐメッセージを返信した。





美幸ちゃん

こちらこそ 約1年連絡しなかったこと、謝ります。あの時はごめんなさい。でも大学が決まってから

美幸ちゃんに手紙出したり電話したりしたんだけど繋がらなくて……もう終わってしまったんだなって……

訳あって……って言ってたけど…俺には言えない何かがあったんだね。詳しくはもう昔のことだから聞かないけど…でもよかったよ、心のわだかまりが取れて。俺、今もず~っと引っかかっていたんだ!





本当は…その訳を聞きたい。しかし今更聞いて
どうする? 彼女が……美幸が少なくとも俺の事を気にしていたんだという事実がわかっただけでそれでいいと思った。こちらからその事をしつこく聞くのは間違いなく美幸を苦しめる、そんな気がした。

送信ボタンをタップしたあと、何とも切ない気持ちになった。女性とこんなメールのやり取りをするのは久しぶりだった。しかも相手は元彼女、確かに昔にはこんな携帯電話もメールもfacebookもメッセンジャーもなかった。でも高校の時、授業中、隣の席だった美幸とメモに書き記した手紙の交換でお互いの気持ちを伝えあった甘く切ないやり取りを思い出していた。 


いつもなら 少し仮眠する時間だけど明日は月に一度、どちらのバイトも休みの貴重な1日、今日は美幸が許すのであればこうやってずっとメールで繋がっていたい。


冬の北海道は雪ばかりというイメージが強いけれど、ここ釧路は太平洋側で雪が少なく晴天の日が続く。日本海側や北部のように日々雪掻きに追われることもなく寒さを除けば実に快適なものである。窓から注ぐ日差しが実に心地よく、じっとしているとさすがに眠気を誘う。


そんなことを思いウトウトし始めた頃、着信音が鳴り響いた。美幸だ、胸が締め付けられる思いに駆られる。
メールを開くこの瞬間、高校の時、隣の席の美幸から折りたたんだ手紙を受け取り、開く瞬間と同じに気持ちになった。




ヒロちゃん・・・

ごめんなさい、やっぱり連絡くれていたんだね
それなのに……本当にごめんなさい。
言い訳したいんだけど…ヒロちゃん、LINEやってる?

もしよかったら…ID交換してもいい?
私のIDは・・・・・・・・・・・だよ。
登録出来たら連絡して!私からスタンプ送るから。それからいろいろとお話します。あ、今お仕事中かな?私は時間大丈夫だけど 無理しないでね!
時間がある時でいいからね!(●´ー`●)




時間などたっぷりあるし、明後日の夜まで俺は自由だ! すぐ登録してやる!
しかし……LINEまで繋がろうとして…
美幸はどういうつもりなんだろう?

これって………まさか………
いやいや、期待しちゃいかん!こうやってやり取りすることを美幸は多分、普通に友達と同じような感覚でしているだけなんだろう。
立花さんなのだから、人妻であり 母であるのだから……。



LINEを開き、IDを入力すると……「美幸」という名前が出てきた。プロフは可愛らしいプードルの写真だった。飼い犬なのだろうか?
少しずつ、美幸の事を知れる喜びにいつの間にか酔いしれている自分がいた。登録すると程なくして美幸からLINEの送信があった。それはスタンプではなく、美幸のリアルタイムの顔写真だった。


           〜第4話に続く〜

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