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それが君のタイミング

遠く山並みがなだらかに見える。
僕らが乗ったバスは昼過ぎにプリズレンに着いた。

せっかく到着日は一緒だからって、りょう君と同じ宿を予約してた。
この街のバスターミナルはなんて言うか、囲いも無けりゃ待合所もない、出入りが自由過ぎる。
草が雑に生えた道なき空き地を歩いて、街の中心地に行ってみる。

街の中心地を流れるルンバルディ川の周りに観光地が広がる。

オーストラリアから来た女の子と一緒に旅してるヨーロピアンと話していたら、これから近くの小高い丘のハイキングコースを登ることになった。

川がもう舗装されてなくなってる。
ワイルドな山道になってきた。

『グリーングリーン』小学校で歌ったなぁ。
そんくらい緑に囲まれてる。
イタリアからドゥラスって僕はずっと海を見てきた。
水平線の向こうずっと見てた、そうすると、自然と山に行きたくなるもんで、山に滞在する術を探していたのもちょうどこの時期で、道はなんとなく見えてきてた。
この国でりょう君と会って、ドゥラスのバーで仲良くなったドラガンに会いにマセドニアへ、それからブルガリアへ。
ブルガリアの山の中で働けないか探してたんだ。

プリズレンの美しい街を見渡す。
眼下をルンバルディ川が流れてる。
街のシンボル、スィナンパシャモスクもある。
時間になったのか、「アーアーアー」ってイスラムのアザーンの音が聞こえてきた。

プリズレンはコンパクトで、歩いて過ごせるサイズの街だ。
丘から街までは簡単に着いた。
ハイキングコースを通らなければ目と鼻の先だった。

アルバニアの国旗がここにもある。

宿でりょう君と合流してこれまでのお互いの旅の事を話した。
一緒に川沿いの洒落たレストランに行ってコーヒー飲んでまた話していた。

りょう君とだらだら過ごして街をぶらついてみた。
この街は二人ともこの日が最終日、翌日はそれぞれ違う街に行くことになってた。
俺はマセドニア、りょう君はアルバニア。

りょう君と街のいろんな所を歩いてそれぞれの旅を分かち合ってた。

俺はそれからバスステーションまでまた歩いた。
ここからまた新しい国への旅だ。
そこにはドラガンがいるからちょっと安心している。

曇ったバスの窓から街を眺めながら、一生に一度の思い出を胸に刻みたい。

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