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浮草みたいにヨーロッパを彷徨う

流れる景色、記憶に残らない駅。

ひたすら街を歩き、サウスケンジントン駅周辺の安いアジアン食堂でご飯を食べた。

僕は立ち止まれなかった。

歩いて写真を撮るのが関の山で、靴を履き潰しそうだ。

EUには行きたかった、そんな淡い希望だけ胸にある。
オランダに行けば何か始まりそう。

何か失くして試してダメで、また歩き出して、そこがテムズ川沿い。

地下鉄には乗らないで、きっと僕は速足でその日の夜行バスに乗り込んだ。
向かうはヨーロッパ大陸。
ここでイギリスで過ごした旅に終止符を付ける。
新たな旅が始まる。
いつも真っ暗な夜の中から始まる。
ロンドンからアムステルダムへ。
明けない夜はない。
ドーバー海峡の下のトンネルをバスを乗せた列車が走る。
途中乗り継いで、フランスを通ってオランダへ。
「France」って看板見た時はテンション上がったなぁ。

真っ暗闇の中でバスを降りた。
そこがどこかもわからない駅の近くでどこに行けばいいのかもわからない早朝のオランダ。
宿もとってない、笑ってる。
なんとかなる。
とにかくアムステルダム中央駅に向かうんだ。

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