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人生には限界なんてないって教えてくれた

ローラとヒューゴと三人で公園まで散歩に行った日があった。

飛行機雲と、うっすい雲。
のんびり帰って来て、テラスでコーヒーを飲む。
また海に夕日が落ちていく。

たまには一人で海辺を歩く。
同じように歩く奴もいる。
めちゃくちゃ世界は広い。

ジェットコースターみたいな旅だよ。
なんの保証もない。

オープンマイクにアマチュアミュージシャンが集まってくる。

何度も聞いたことのある歌が55点くらいの完成度で歌われる。

僕達は2ポンドのビールをアテに聞いてる。
カホンを叩いてるいのはいつの間にか仲良くなってたおじいちゃん。
ヒューゴも演奏するし、俺もベビーカホンを叩いた。
滲む、夜の街にイルミネーションが滲む。
いつか見た「LIFE WITHOUT LIMITS」の文字を横っ腹に着けた船の様な形のトラムが僕等の前を横切って行く。

俺達は、また酔っぱらい相手に、気持ち良くお金を頂いている。
絡まれて、どっちかっていうと巻き上げてるのは俺達、最高だこの保証も何もない生活。

頂いたお金で、ガレオンバーでまたビール飲んで、カホンのおじいちゃんと話してる。

ある日、僕等は楽器を持っておじいちゃんの車でどこかへ出かける。
演奏しにどこへ行くんだっけ、忘れてるそんな些細なこと。
ガレオンバーかもしれないし、いつものオープンマイクのバーかもしれない。

この頃俺達いつも似たような服ばかり着てた。
荷物はあまり持たない方がいい。

旅は楽しくてしょうがない。
今まで見た事のないものを見る、いつも新しい気持ちと共にいた。

歌が下手なミュージシャンがいた。

いつだって今しかない。
旅をしているとそう強く思えた。

ブラックプールでの短いアマチュアミュージシャンみたいな生活は幕を閉じそう。
瘋癲で与太郎な真っすぐで最高な生活。
あぁそういうもんを僕は求めてたんだろうか。

この頃、一緒に過ごしたみんなもそれぞれの場所へ旅立っていた。
ローラも、セバスチャンも、アナも、インも、ローズもジヨンも。
ヒューゴも一足先にアルバニアへ旅立っていた。
僕も、いよいよこのグレーに染まった街ともお別れする。

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