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タスマニアが恋しい

車から降りてきてくれたのは、先ほど、海に突き出た桟橋ではしゃいでいた若い女の子たち。

途中、すっごく景色のいいところに着いたから、車を降りてみんなで少し休憩をしたんだ。
その場所は、オーフォードって言ったかな。
沖にはマリア島を望むことが出来たよ。
海も空も青くて、しばらく見入ってた。

僕等は無事にホバートまで辿り着いた。

どこの船のフィッシュアンドチップスがうまいんだろう。

だんだん日が暮れてきた。
今日の冒険も大満足だった。
なんでこんなに充実してんだろ。

ホバートの街の緑をもう一度見たい。
いつだって見ていたい。
公園の木陰で寝そべっていたい。
そんな思いにさせてくれる街。
僕はホバートの持つ暖かさと、緩さがとても好き。
タスマニアを旅していると聞こえてきた声。
その声はサラマンカマーケットへと僕を誘う。

街の片隅でバスキングをする若者達。
道のど真ん中でギターを弾くおやじ。
サラマンカマーケットは自由な空気をいっぱい含んでる。
僕は屋台でコーヒーを買い、芝生に座って子供たちが奏でる演奏と劇を見てる。

古本屋もあった。『ブリジットジョーンズの日記』という本の表紙を見てる。
全部英語で書いてあるんだろ。
全部読み切れないよ。

世界を広げようと試みる、そしたらさらに世界は広がっていってしまった。

サラマンカマーケットの洒落てる柄がプリントされてるエコバックを買った。

「ホバートで生活しましょう」って書かれてる看板とか見ると、頷けるんだ。

僕はその日ポートアーサーに行きたかった。

同じ部屋にいたドイツから来ていた子も、どこかに出掛けようとしてたから、誘ってみたら一緒にヒッチハイクをすることになったから、ホバートの街でヒッチハイクをすることにした。

『ブルーハーツ』の歌を聴いてた。
「ポートアーサーで産まれたあの女の歌を聴いた」っていう歌詞があってさ、勝手に感動してた。

すごく古い昔風の建物、内装も、家具もそう。
全部に歴史が乗っかってた。
囚人たちはここで、どのような気持ちをもって生活してたんだろう。
ここには緑と、湖と花しかない。
「もう悪いことはやめて働きなさい」と、自然に言われるんだ。

僕等はポートアーサーを出て、少し海沿いをドライブしてる。

タスマニアの海岸線はどこも美しくてたまらない。

日も暮れてきたから、リッチモンドから、ホバートまで帰った。
その間ずっと僕等を乗っけてくれてたシドニーからの旅の人にも、ドイツから旅に来てた女の子にも感謝だ。

タスマニア滞在最後の日だったと思う、僕は、街の近くの植物園に木々を見に出掛けた。

さて、まだ時間はあまりまくってる。
どこにいこう、アニマルが見たい。
そうだ、ボノロングワイルドライフサンクチュアリに行こう。

オーストラリアに生息するユニークな野生の動物達がとても自然に近い形でたくさん飼われてる。
僕は「タスマニアンデビル」を見たかったんだ。

僕は何もしないよ。
ただ君を感じている。
タスマニアンデビルはタスマニアにしか生息しないんだぜ。

それから、ウォンバットの赤ちゃんも見た。
その子は寝てたから、ちょっと撫でたんだ。
コアラも、ハリネズミもいたなぁ。
もちろんカンガルーも。
あいつらみんな可愛すぎるよ。
ハリネズミみたいなやつは犬に襲われないように、ゲージの中から出ることが出来ないそうだ。

フクロウもまとまっていたなぁ。
リザードも地面這ってたし、もうアニマル万歳だよ。

もう、タスマニアでやりたかったことも済ませることが出来た。

メルボルンに帰るんだ。
飛行機の窓から見た外の世界は素晴らしく青くて、海と空の境界線はないように思えた。

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光の中を旅してた
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