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ネパールの避暑地で

ポカラの中心地には湖があって、だいぶのんびり出来るらしい。

日も傾きかけた午後に到着してからは、のらりくらりとバッパーがたくさんあるという湖周辺を目指した。

ポカラのペワ湖の近くの広場に座ってくつろぐ人たちを見てくつろぐ僕。
物価がとても安くて嬉しい、お金のことを気にせずにご飯を食べている。

時期も外れていたので一泊500円。

すぐ近くのマーケットでエベレストって言う銘柄のビールを買って飲んだ。
外の席で風に吹かれながら食べる晩飯、なんて贅沢なんだろう。

湖には何度も散歩に出掛けた。
湖沿いに街が広がっていて、たまに買い物をして回った。
牛がそこらへんに野良犬みたいに普通にいる。
山に囲まれた街、時間が経つのを忘れるくらい長閑な街。

旅の中、何度も陽が落ちて月がのぼって朝を迎えている。

僕はバスに乗りポカラのグプテシュワール・マハーデヴ洞窟を目指した。
カッパドキアで、ユンヒーと行った洞窟への冒険がもうえらい昔に思えた。

錆びだらけの手すり、湿っている洞窟内、頼りないライトがかろうじて足元を照らす。

レモングラスインの最上階のテラスには窓も何もない。

僕にアメジストをくれたおじさんは、もうどこかに行ってしまったのだろうか。

僕はただただ田舎道を歩いている。
あの角まで、あの角まで。

時刻表のないローカルバスに乗り込んで窓から湖の景色を眺める。

ポカラの最終日、牛も目覚めるシャッター通り。

宿をチェックアウトする時少し寂しい気持ちになった。
もう二度とここに来ることは無いのかもしれない。
これからまたあの辛い山道を通るのかと思うと少し気が重い。
僕はインドへと入国するビザをゲットする為、ラジの家のあるカトマンドゥに戻ることにしたんだ。

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光の中を旅してた
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