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南島から北島へ

それでね、ネルソンでバスを降りた俺は、小さく経営してたボロいバッパーにチェックイン。
そこで何人かの旅人と話したけど、特になんてこともなく、バーガーキングへ夜飯を食べに出掛けた。
 
バスが来る前にネルソンの街を歩く。
晴れ渡った空を見上げて、背伸びしながら腕を回して歩いていた。
 
旅は道ずれ世は情けとはこのことで、一人で旅するよりパーティーで行きてぇよなぁ。
 
船に乗ってから、やっぱり船内を探検しちゃうんだけどさ、年取ったらそういう時にでも落ち着いてゆっくりコーヒーでも飲みながらイスに深く座っていたいよなぁ。
 
曇り空の隙間から見えた青空、あの時もほら、虹が見えていたよね。
 
夢の中で誰に会っていたんだろう。
 
もうわからないね。
あの時のことも、少し前の時のことも。
ずっと向こうに行ってしまった。
やっぱり今しかないなぁ。
 
あっと言う間にウェリントンの街並みが見えてきた。
 
僕は海を見ている。
今では遠い、遠い海をただただ見ていた。
今が幸せなら、きっとそいつを選べるようになるから。

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光の中を旅してた
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